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塚田正治(「教育産業」関係者)
Last modified on 2019-09-05 17:07:02
NHKから国民を守る党(以下、N国党)所属の新宿区議・松田美樹氏が選管により当選無効とされた(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190902-00000054-asahi-pol)。居住実態が否定されたからである。
7月開票の参議院選挙におけるれいわ新選組とN国党から当選者が出たことは、日本における本格的な「ポピュリズム時代」の到来を予感させる。この内、後者のN国党(当選者は立花孝志代表)については「変な人たち」「ふざけた政党」といった認識の人も多い。そのため、このニュースも「相変わらずいい加減だな」ぐらいに受け止められ、殊更、問題視されない可能性がある。特にデジタルデバイド(情報格差)を抱える高齢層はその傾向が強いようである。
しかし、後述のようにこの党の幹部は自分たちを「ヤクザ・チンピラ」と自称しており、基本的に「ゴロツキ」の集団と言わざるを得ない。「ふざけた政党」どころか、本来、政治の場にあってはならない存在である。
本稿では同党の危険性について述べてみたい。なお、この党の危険性について既に多くの「市民」がネット上で警鐘を鳴らしてきており、本稿はその成果に依拠したものであることをあらかじめお断りしておく。
1. N国党は法と人権を「ぶっ壊す」―暴力・差別・違法―
N国党の具体的危険性は、大別すれば@暴力体質A差別体質B違法体質に分けられる。いずれもググれば(ネットで検索すれば)いくらでも具体例が出てくると思うが、@については2018年の松戸市長選の事例が有名である(https://hbol.jp/167958)。N国党候補の政策を尋ねる市民記者に対して回答を拒否。それどころか、恫喝の上、「退去命令」を出し、挙句の果てに「私人逮捕」して暴行を加え、負傷させたというものである。上記記事によれば、この対応は候補者が凡そ政治家としての資質を欠いた人物であったためとされている。この中の「私人逮捕」は法的には無効とされるが(『週刊文春』8月29日号。134頁)、N国党の常套手段である。先月の柏市議選でも演説中にヤジを飛ばした聴衆が「逮捕」されており(https://note.mu/chidaism/n/nce4f13cff7e9)、暴力と恫喝による批判の弾圧はこの党では常態化している。
Aについては「ヘイト議員」の公認が顕著である。N国党の看板はNHKスクランブル化なので「ヘイト政党」という認識を持つ人は少ない。しかし、こちらの記事によれば(http://naomikubota.tokyo/blog/nkoku)、4月の統一地方選で従来の「ヘイト政党」でも公認しないような悪質な人物が公認され、当選したことが分かる(ただし、後に金銭問題がきっかけで党を離党)。その中の一人である杉並区議・佐々木千夏氏が杉並区議会で訴えているのは「屈強な隊員」で構成され車両でパトロールする「杉並機動隊」の創設(https://ameblo.jp/chinatsusasaki/entry-12466247331.html)。表向きの理由は犯罪の防止だが、この人物のブログは「朝鮮人」をはじめとする他のアジアの人々に対する「ヘイトスピーチ」のオンパレードである(https://ameblo.jp/chinatsusasaki/entrylist.html)。1923年のちょうど9月、関東大震災の際引き落こされた、自警団による朝鮮人をはじめとする虐殺事件を想起するのは筆者だけではあるまい。このような人物が、そうとは有権者に知られないまま議員になってしまうのが、N国党の危険性の一つである。
Bは上記の新宿区議の事例に明らかだが、このような地方議会選挙における居住実態の無視も常套手段である(足立区議選の例が有名→https://note.mu/chidaism/n/nad3c3eaba17d)。そもそも同党が正当とするNHK受信料不払いが政府見解によれば違法なのだが(https://mainichi.jp/articles/20190815/k00/00m/040/141000c)、この例は同党が地方自治の精神・法の理念を何ら尊重しないことを示している。これでは法治国家自体が破壊されかねない。到底、「いい加減」で済む話ではないのである。
上記の松戸市長選の記事にばっちり貼り付けられているが(https://hbol.jp/167958/3)、立花代表の「右腕」と言われる大橋昌信現柏市議は「立花代表はヤクザ 私はチンピラ」と「自称」している。上記の@〜Bから言っても、この党は「ゴロツキ」の集団と言うよりない。N国党が「ぶっ壊す」のはNHKではなく、法と人権である。本来、政治の場にあってはならない。
2. N国党とファシズムー危険性の直視―
しかし、N国党の本質的な危険性はファシズムにつながることであろう。この点は上記の同党の体質からも明らかだが、より本質的な問題は社会・有権者の変質である。この点については「ノリで投票する『政治的非常識層』」の増大を指摘する見解がすでに提示されているが(https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20190722-00135151/)、N国党・同党候補への投票者の大半は投票結果に対する十分な想像力を持っているとは思われない。実際に同党に投票した人物のインタビュー(https://hbol.jp/197991/2)もこの点を裏付ける。「面白ければ中身はどうでもいいや」という社会がファシズム化の危険を内包することは言うまでもないであろう。今後、N国党がどうなるか分からないが、仮に消滅しても、類似の「政党」「政治家」が陸続と現れ、拡大していく可能性は指摘せざるを得ない。
筆者が本稿をレイバーネットに投稿しようと思ったのは、川柳班の8月句会報告で「N国とれいわが上げた政治熱」という句を見たからである(2点句。https://1000ryu.masaki-design.biz/archives/1091)。政治への関心の向上という点でN国党の意義を一定度、評価する句であろう。しかし、上記の諸点から筆者はこのような評価に同意できない。政治への無関心がいいとは言わないが、「この党から当選者が出るならまだ無関心の方がまし」という評価の方が正当と考える。「中身の是非は別としてもN国も貢献したのは事実」との講評には、正直、上記の有権者の認識と共通する傾向を感じるのだが。
ところで「リベラル層」には「N国党は黙殺すべき」との意見も多い。主な理由は「取り上げれば『炎上商法』に協力することになる」というものである。たしかに「炎上商法」に利用されることには注意が必要だが、黙殺は上記のような社会の変質に積極的に対応するものではない。上記の危険性の克服への寄与は限定的と言わざるを得ないのではなかろうか。
やはり、基本的には我々はN国党とそれを生み出す社会の問題を直視する必要があると考える。勿論、そのための情報を伝えるのはメディアの役割だが、現状では機能していない。とすれば、「市民」が知りえた情報を積極的に伝え、また知る努力が必要ではないだろうか。そもそもポピュリズムとは「大衆」「市民」が直接的に社会を動かす時代である。とすればその「負の側面」の克服も「大衆」「市民」の課題であろう。本稿も依拠してきたが、すでに多くの「市民」がこの課題に応える活動を行っている(ただし、「右寄り」の人も多い)。本稿もまたこの課題への対応の一助となれば幸いである。
※ N国党のウオッチ・批判で有名な「市民記者」としては「選挙ウオッチャー」の「ちだい氏」がおり、こちらで記事を読むことができる→ https://note.mu/hashtag/ちだい。ただしN国党以外の記事もある)。
※ またツイッターではハッシュタグ「#NHKから国民を守る党に投票してはいけません」などでN国党批判が集積されている。
http://www.labornetjp.org/news/2019/0905
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