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伊五つ星運動と民主党による連立政権が始動
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2019年9月 6日 植草一秀の『知られざる真実』
イタリアの五つ星運動と同盟による連立政権が解消され、新たに、五つ星運動と民主党による連立政権が発足した。 前回の連立政権は「反エスタブリッシュメント連立政権」 今回の連立政権は「左派連合政権」 と言える。 五つ星運動は草の根民主主義を代表する新しい政治勢力である。 地方から活動を始めて、政権を奪取するところまで一気に駆け上がった。 同盟は反エスタブリッシュメント主義で五つ星運動と共通点があるが、政治的主張は「極右」に分類され、移民排斥などの主張を基軸にしている。 2018年3月の総選挙で五つ星運動が第一党に躍進したのち、連立政権樹立のための協議が紆余曲折したが、6月に「五つ星運動」と極右勢力「同盟」とによる連立政権が樹立された。 しかしながら、左派と右派の連立政権であり、政策主張の対立が顕在化して連立政権が解消された。 同盟は総選挙を要求したが実現せず、連立政権の組み替えとなった。 五つ星運動は中道左派の民主党に対して、「エスタブリッシュメント政党」と批判してきたが、政策的には近似点が多く、連立協議が成立た。 政治運営において最重要の要素は「政策」である。 「政策」上の「水と油」は共存できないが、基本政策を共有できるなら共存は可能なのだ。 2008年6月に連立政権が発足した時点で、私は政策対立により今後の政権運営に紆余曲折が生じるであろうことを予測したが、今回、五つ星運動が政権にとどまる形で新政権を発足できたことは喜ばしい。 イタリアの新しい政権誕生を日本は大いに参考にするべきだ。 日本では7月の参院選で「れいわ新選組」が政党要件を獲得した。 とはいえ、議席数2の超弱小勢力である。 今後の勢力拡大が期待されるが、「れいわ新選組」単独で政権を樹立することを期待できる状況ではない。 重要なことは、基本政策を共有できる「友党勢力」との連携を視野に入れることだ。 踏まえておかなければならないことは、議席を獲得する舞台になる選挙の制度だ。 現行選挙制度では、当選者が1人の選挙区選挙が基本になる。 参院選でも勝敗を決するのは32ある1人区の結果だ。 この選挙制度を踏まえた戦略、戦術が必要になる。 自公の与党側の戦術を、私は三つのキーワードで表現している。 「動員・妨害・分断」だ。 主権者の25%を確実に選挙に「動員」する。 主権者の残り75%が選挙に参加することを「妨害」する。 非自公勢力を二つに「分断」する。 この戦術で自公は25%の投票で議席の7割占有という荒技をやってのけている。 「妨害」工作の中心は情報操作だ。 マスメディアを支配して、主権者が政治に関心を向けないように仕向け、選挙の際には与党大勝の憶測記事を流して、選挙に参加する意欲を引き下げる。 この「情報操作」にも対応しなければならない。 最重要の戦術になっているのが「分断」だ。 非自公勢力を「共産党と共闘しない勢力」と「共産党とも共闘する勢力」に分断する。 非自公を分断してしまえば自公は容易に多数議席を手に入れられる。 この野党分断工作の中核を担っているのが旧民主党勢力のなかに潜む「隠れ自公勢力」である。 その象徴は旧民社党であり、旧民社党はCIAが左派を分断するために資金を出して創設した政治勢力なのだ。 これと表裏一体の組織が旧「同盟」であり、現在の「連合」を仕切っている勢力である。 したがって、野党の大きな連帯、連合を構築するためには、この「隠れ自公勢力」を取り除くことが必要不可欠だ。 この勢力は自公の側に行くのが適正だ。 中道・左派勢力を「純化」することが必要である。 日本では「れいわ」に代表される草の根民主主義勢力と「純化」した中道・左派勢力による連立政権樹立を目指すべきである。 |
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