★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK264 > 812.html
 ★阿修羅♪
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
今日は、終日ノモンハンの草原で風に吹かれている。(澤藤統一郎の憲法日記)
http://www.asyura2.com/19/senkyo264/msg/812.html
投稿者 肝話窮題 日時 2019 年 8 月 26 日 00:07:03: PfxDcIHABfKGo isyYYouHkeg
 


1975年発刊の五味川純平「ノモンハン」(文芸春秋社)の帯に、本文の一節を引用して、次の記載がある。

   著者は言う―自分の戦争年間の体験を歴史の時間的順序に配列し直し
   てみて気づいたことは、ノモンハンの時点に、その後数年間の日本の
   思い上りや、あがきが、集約的に表現されていたことである。ノモン
   ハン事件は、小型「太平洋戦争」であった。ノモンハン事件は太平洋
   戦争の末路を紛うことなく予告していたのである。ノモンハン事件を
   あるがままに正当に評価すれば、それから僅か2年3ヵ月後に大戦に
   突入する愚を日本は冒し得なかったはずであった。
    ノモンハン――みはるかす大平原に轟いた砲声は、日本にとっては、
   運命が扉を叩く音であった。日本の指導者たちはそれを聞きわける耳
   を持たなかった―と。

これは、名文である。戦後になってからだが、ノモンハン事件の重大さを、多くの人が漠然と感じていた。その重大さの本質を的確に表現した一文。ノモンハンの時期は、第2次大戦の直前に当たる。日本は、ソ連と、本格的近代戦の予行演習をしたのだ。五味川は、それを「小型太平洋戦争」と表現した。

その予行演習で、日本軍は手痛い敗北を喫した。それでも、その教訓を生かすことのないまま、英米蘭との開戦に踏み切り、310万人の死者を出して、太平洋戦争を終えた。五味川は、あとがきでこう記している。

    ノモンハン戦失敗の図式は三年後のガダルカナル戦失敗の図式に酷
   似している。特に作戦指導部の考え方において、そうである。作戦指
   導の中枢神経となった参謀二名が両戦に共通しているからでもあろう
   が、当時の軍人一般、ひいては当時の日本人一般の思考方法が然らし
   めたものであろうか。先入主に支配されて、同じ過誤を何度でも繰り
   返す。認識と対応が現実的でなく、幻想的である。観測と判断が希望
   的であって、合理的でない。反証が現われてもなかなか容認しない。

五味川のノモンハン作戦指導部に対する評価は厳しい。

   「前線将兵は奮戦しても、後方に在る高級司令部の戦闘構想と戦力補
   給の関係は画餅に近いものがあった。国が貧しいといえば、すべてそ
   こに起因するが、出来ることまで出来ていないのは、戦争そのものを
   組織する能力が乏しかったとしか考えられない」。「日ソ両軍の間には
   ・・・戦闘を組織的に遂行するための配慮の密度に甚だしい差があり、戦
   闘の予備段階で既に直接に勝敗を分つほどの懸隔があった」「この考え
   方の安易さと粗末さは、これが軍事のプロかと呆れるばかりである」。

   「参謀たちは性懲りもなく敵の兵力使用を低く見積っていた。戦って
   失敗すると、敵の兵力が意外に大きかったという」「この思い上がった
   愚かしさは、ほとんど理解の外である」「日本軍は、一度やって失敗し
   たことを、同じ方法、同じ兵力で、二度三度やろうとした。他に手が
   ないから仕方がないというのでは、近代的な戦闘を組織することはで
   きないのである」。

こうして、死なずに済んだはずの兵士に代わって、五味川は、高級参謀たちの無能と怠惰を切歯扼腕する。そのとおりだと思いつつ、違和感も禁じえない。戦史を読むときに、いつも感じる違和感。では、もっとセオリーに忠実に、もっと巧妙に、もっと戦意を昂揚して戦闘すべきだったのかという違和感。戦闘に負けたことが責められるべきことで、勝っていればよかったのか。

五味川のノモンハン事件に対する総括的な評価として、「国家の面目にかけて、不毛の地の寸土を争い、夥しい鮮血が砂漠に吸い込まれた」という一文がある。これには違和感がない。戦争自体が愚行なのだ。責任を負うべきは、戦闘を起こしたことであって、けっして負けたことではない。

ソ連を相手に近代戦争のなんたるかを知った旧軍が、なぜ、もっと大きな規模で同じ過ちを繰り返して、壊滅的な敗北に至ったか。ノモンハンの現地に行っただけでは分かるはずもなかろうが、考えるきっかけくらいにはなるだろう。

今日は一日ノモンハン。ハイラルから、200〜250キロの距離だという。
(2019年8月24日)

http://article9.jp/wordpress/?p=13112  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
1. 2019年8月26日 11:51:48 : lSEfXrG9vc : a1U4YXBaNDNxS28=[183] 報告

NHKのノモンハン特集を見ると、軍人官僚が天皇の扱い方、操り方を明確に認識

し、暗黙にレベル合わせが出来たことが分かる。天皇を国民統制に利用するのは徳川

幕府、薩長や226事件で分かっていたが、外交・軍事に利用する仕方は分かってい

なかった。

軍上層部において暗黙のレベル合わせが出来た、という事件だった。「数万人の犠牲

が出てもどうってことないんだ!」というレベル合わせだ。

太平洋戦争に突入しないわけがない。

2. 2019年8月26日 15:41:31 : gwXGxXyINo : WGtPa1U3UmRWN1k=[20] 報告
> ノモンハン――みはるかす大平原に轟いた砲声は、日本にとっては、
   運命が扉を叩く音であった。日本の指導者たちはそれを聞きわける耳
   を持たなかった―と。

ノモンハン――みはるかす大平原に轟いた砲声は、日本にとっては、
   スターリンが日本の領土を侵略する扉を叩く音であった。
   日本の指導者たちはそれを聞きわける耳を持たなかった―と。

ノモンハン事件は1939年5月11日に起き、6月12日にジューコフが軍団長に任命され、、9月6日に停戦になった[1]。
ノモンハンで戦闘が続くなか、1939年8月23日、スターリンはナチス・ドイツと独ソ不可侵条約を締結し、ポーランドを独ソで2分割して占領する秘密協定を結んだ。
ノモンハンでの停戦によりソ連は安心してポーランドへ侵攻することが出来た。

> 戦争自体が愚行なのだ。責任を負うべきは、戦闘を起こしたことであって、けっして負けたことではない。

第二次大戦後ソ連は占領したポーランドを自国領として領土を広げた。
アジアでは、長崎に2発目の原爆を投下された1945年8月9日にソ連は日ソ中立条約を破棄して南樺太と千島列島を占領し自国領とした。

ソ連にとっては戦争は愚行どころか、領土を広げるチャンスだった。
日本政府が責任を負うべきは、ソ連の意図に気付かなかったこと、アメリカに仕掛けられた戦争に負けたことである。

[1] ノモンハン事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6#両軍の損失

3. 2019年8月26日 20:43:38 : o4TAHv9bY2 : TkxjRlJBbFdvNFk=[180] 報告
引き金を わざと引かせた 「ノモンハン」
4. 2019年8月27日 05:19:13 : 3KV1vMJJdE : L3RubnVtRU9tTlk=[157] 報告
ノモンハン――みはるかす大平原に轟いた砲声は、日本にとっては、
   スターリンが日本の領土を侵略する扉を叩く音であった。
   日本の指導者たちはそれを聞きわける耳を持たなかった―と。

当時のアメリカ連邦政府に置かれましては、まんまと騙されたふりをしたところで、これを以下のように置き換えると、戦前の日本そのものに対する本質的な見立てであることは、当時のドイツ国民の皆様に置かれましては、ナチスドイツの前科にまんまと騙されたことは、「お国のため、天皇陛下のため」などと言っておきながら、昭和天皇もまたまんまと騙されてしまった大日本帝国臣民と本質的には同じ意味を元ものであることは、これら全てが、計画された偶然性によるものかもしれないことだけは、国際社会全体の共通認識として、思わず共感してしまうところかも知れませんね。

真珠湾攻撃――みはるかす太平洋に轟いた砲声は、日本にとっては、
   ルーズベルトが日本の領土を侵略する扉を叩く音であった。
   日本の指導者たちはそれを聞きわける耳を持たなかった―と。

この当時のルーズベルト大統領を、トランプ大統領に置き換えれば、ドイツのメルケル首相に置かれましては、当時のスターリン首相を、ナチスドイツの前科をごまかそうとする魂胆見え見えの安倍総理にでも置き換えれば、自分がプーチン大統領ならば、まんまと騙されたふりをしたところで、「誰が相手にするものか」という心境と同時に、「日露平和友好条約を締結しよう」というのが、単なる個人的な思い付きによるものだといったところで、「憲法9条にノーベル平和賞のお墨付きを賜る」という潜在的な思い付きと、思わず共感してしまうところであることは、まんまと騙されたふりをして、「日露首脳会談に応じた結果によるものであることは、これが実現したところで、日露双方にとって相互メリットを齎すwin-winの関係に繋がると同時に、アメリカのトランプ大統領からして、この安倍総理も知らないところで、「日米双方にとっても相互メリットを齎すwin-win尾関係に繋がるかもしれないことは、ロシアのプーチン大統領に置かれましても、そっと静かに暗黙の了解として、受容と共感的理解できているところであろうことは、この日本国そのものが、アメリカの言いなりになるだけの間抜け国家に他ならないことは、このような間抜け国家にまんまと騙されてしまった私たち日本人にとっての本質的な見立てそのものであることにも深い意味があるとすれば、日米安全保障条約の終わりの始まりのきっかけが、このような政権与党そのものの終わりの始まりのきっかけとなることは、この安倍総理自らが、「憲法9条を亡き者にしようとする魂胆を断念することで、政治生命の終わりになるかも知れませんが、人生の終わりを意味するものではございませんので、どうぞ、そっと静かに老後生活を送って下さい」ということで、暖かく見守りながら、これを国際社会全体に、良いロールモデルとして、どんどん示していくことにすれば、何よりのことなのかも知れませんね。

5. 2019年8月27日 11:15:51 : cA4M9XWQOQ : SVU1VEVRT3hDVlk=[209] 報告
203高地の乃木大将の時から
陸軍でもバカ派参謀ga7de偉そうにしていた
人海戦術で押し切れる
どうせ兵隊は赤紙で補充できる消耗品
ソ連が戦車を活用しても
それに対して戦訓まとめず
辻政信は戦車に地雷を持って取り付けば
戦車なんて恐れる必要はないと
いかに戦死者を減らすかに頭つかより
万骨を枯らした上での勝利にこだわった
みんなが頑張ったんだから
誰も悪くない戦死者続出の指揮官も悪くない
これでは勝てない戦争を止められないわけだ
ゴーマン君
兵隊は悪くない指揮官は悪いと思うぞ

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK264掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK264掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
政治・選挙・NHK264掲示板  
次へ