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あまりに乱暴な萩生田の衆院議長交代論/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907310000143.html
2019年7月31日9時54分 日刊スポーツ
★人事でどうにでも政策は変えられると思っているのだろうか。13年、安倍内閣は集団的自衛権の解釈変更を内閣法制局に求め、法の番人である内閣法制局長官に集団的自衛権容認派を任命するという人事でゆがめ成立させた経緯を思い出す。内閣法制局は法令の適用や解釈について内閣や各省庁で疑義が生じたときに意見を述べ、あるいは法律問題に関し、政府統一見解を作成する。つまり、どんな法律案も国会で通すためには法制局のハードルを越えなければならない。そこで内閣の考えに近い人材を押し込むことは憲政の常道を逸脱する行為でもある。 ★前置きが長くなったが、自民党幹事長代行・萩生田光一が憲法改正の国会発議に向けた議論が進まない場合の対応として衆院議長・大島理森の交代論をぶち上げた。そもそも萩生田はどんな立場でこれを言い出したのだろうか。首相・安倍晋三の側近として参院選前にも衆参ダブル選挙の可能性に言及し、政界を混乱させた。安倍側近という立場を利用しての政局づくりだが、萩生田の選挙費用収支に虚偽報告の疑いとの記事も出始め、党内も困惑気味だ。 ★そもそも1年前、大島は国会終了後に会見し、森友学園疑惑での財務省の決裁文書改ざんや自衛隊日報隠蔽(いんぺい)などを挙げ「民主主義の根幹を揺るがす問題だ。立法府の判断を誤らせる恐れがある」として反省と改善を促した。また官房長官・菅義偉に書簡を渡し、再発防止のための改善策を求めている。厚労省の不適切データ問題、加計学園疑惑や前財務次官のセクハラ問題を念頭に「国民に大いなる不信感を引き起こした。個々の関係者の一過性の問題として済ませずに、深刻に受け止めていただきたい」とし、「国民の負託に応える行政監視活動をしてきたか検証の余地がある」「憲法や関係法で与えられた、国会としての正当かつ強力な調査権の一層の活用を心掛けるべきだ」と訴えた。その答えが大島の更迭というわけだ。既に三権分立は崩壊している。(K)※敬称略
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