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2019年 7月 30日
<熊王信之:ちきゅう座会員>
この度の参議院選挙戦が始まる前後からですが、正直に申しまして、山本太郎氏を始め彼等「れいわ新選組」との呼称に不快な語感がするのです。
まず何故元号なのか、と不審な思いがしたのが事実です。 山本氏は、革新では無かったのか、と疑問に思われました。 わざわざ党名に年号を使われるのですから、何か曰く因縁・故事来歴がある筈と。
この時代に年号ですから、皇室を慕われているのであろう、と思われたのです。 でも続いては、「新選組」との呼称をも使われています。 反幕府の薩長を問わず「不逞の輩」のクーデターを防ぐために京都所司代を応援する企図で組織された侍の身分を必須としない武装団の呼称を使用されるのですが、その意図が不明なのです。
山本氏に関わっては、数年前に当時の天皇に対して、園遊会の場で手紙を手渡された一件があり、その当時の私の筆名「とら猫イーチ」の名で一文をちきゅう座に投稿したことがありました。
山本太郎参議院議員は、不敬罪を犯したのか 2013年 11月 8日 <とら猫イーチ>
ちきゅう座
http://chikyuza.net/archives/42076
当時は、山本氏が嘗て存在した「不敬罪」にでも値するかの如き非難を受けておられた処から、その非難は中らず、象徴天皇制の時代にあっては寧ろ望ましいことでもあるのではないか、と擁護したことがあったのでした。 ただ、園遊会の場では他の出席者の手前もあり控えるのが礼儀でもあろう、とも思われたのでその旨も書き添えたものでした。
付け加えるとしましたならば、今般の党名からと併せて伺えることですが、山本氏は、現憲法における象徴天皇制を理解されていないのではないか、そして氏は、嘗ての主権者たる天皇制と現憲法下の象徴天皇制を峻別し、現憲法を厳守される立場ではないのではないか、との疑いを禁じ得ないのです。
即ち、現憲法では、第四条の第一項に「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」とあるからです。 「国政に関する権能を有しない」と一切の疑義を許さずに断じているのです。 憲法に言う天皇とは、ただ国の象徴に過ぎない訳です。 そうした存在に対して、当時の山本氏は、何故、手紙を出されたのか。 今一度、詳しく尋ねたいものです。 仮に、当時の天皇に対して「国政」に関する何等かの対応を求められたのであれば、私が山本氏に期待することは何もありません。
次には、選挙前から気になったので政策等も調べたのですが、MMTに肩入れをされているようであり、その点では、米国の民主党一部左派と目される方々の主張と同様のようでした。
しかしながら、国家財政に関わっては、我が国の現実を前にして既に19年前に前途を明らかにされた方々がおられる事実を示さなければならない、と思われます。
その事実とは、「財政赤字という病を患う日本財政に対して、われわれが確信をもって下す診断は明解である。 返済不可能。
―中略―
財政が財政としての本来の役割を果たしながら、短兵急に債務も返済しない。 本書ではこうした『第三の道』こそ、『返済不可能』という真実を前に、最も現実的で最も未来を輝かせる選択肢なのだということを主張していきたいと考えている。」とされる神野直彦・金子勝両氏著に依る「財政崩壊を食い止める 債務管理型国家の構想」(岩波書店)です。
日本の巨大な財政赤字は、バブル崩壊後に財政出動を繰り返す失政を温床に山積されて来ましたので、税財政の専門家のみならず、また、内外を問わず各専門領域からの提言等が大量に存在しますので、政党政派・立場を違えても政策等立案時の参考資料も山積しています。 ただ、その真偽を峻別するのには時間を要するのです。 輸入即実践とは如何にも安直と言わねばならないでしょう。
因みに、同著においては、消費増税に関わって以下のように喝破されています。 即ち「財政再建の道はすべて消費増税への道であるという幻想が広まっている。 財政再建には消費増税以外にありえない。 それが規定路線のように吹聴されている。 しかし、『租税国家』を再生しようとする債務管理型国家の構想では、消費増税を、『租税国家』の再生も財政再建も実現できない幻想だと拒否する。」と。
以下に、「公正な税制を求める市民連絡会」に依る税制と社会保障に関する公開質問事項 及び 回答書が公開されていますので、れいわ新選組を含む各政党の認識と政策の比較対照が可能です。 政党の中には、回答自体を拒否されている処もありますが、正体暴露と言わねばなりません。
税制と社会保障に関する公開質問事項 及び 回答書 公正な税制を求める市民連絡会
2019年7月4日
http://tax-justice.com/?p=929
最後に、私は、「れいわ新選組」との政党名を拒否します。 山本氏と志を一つにされる方々には、「維新」等という政党名と同等のように時代錯誤と思えるからです。 他の民主主義に相応しい政党名に改名されることを期待したいと思います。 加えて、日本の国家財政の現状を踏まえて歴史の真実に学び、日本の民衆のための税財政体系の再編を目指されることを希望します。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion8858:190730〕
http://chikyuza.net/archives/95743
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