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有志連合の怪しさ、危うさ 「トランプ蜜月」凄まじい代償
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/259323
2019/07/29 日刊ゲンダイ 文字起こし 何でも聞くよ!(安倍首相とトランプ米大統領)/(C)JMPA/稲葉訓也 「日米は完全に認識が一致した」 安倍首相がトランプ米大統領との首脳会談後に好んでよく使うフレーズだが、そんなトランプとの蜜月関係の真価がいよいよ問われる事態になってきた。米国が、中東・イラン沖のホルムズ海峡での船舶の安全を確保するためとして、欧州や日本などに参加を呼び掛けている「有志連合」構想である。 「ホルムズ海峡を原油や他の製品が通過できることで利益を得ている全ての国が、自国の利益だけでなく、自由で開かれた航路を守るために参加する必要がある」 先週25日、米FOXニュースのインタビューに応じたポンペオ米国務長官は、日本をはじめ、イギリス、フランス、ドイツ、ノルウェー、韓国、オーストラリアの少なくとも7カ国に「有志連合」の参加を要請したと明言。米国防総省も同日、フロリダ州タンパのマクディル空軍基地で「有志連合」に関する非公開の会議を開催。慎重姿勢を示す出席国に対して理解を求めたという。 日本の自衛隊制服組トップの山崎幸二統合幕僚長はあす(30日)から、ワシントンを訪問。米戦略国際問題研究所(CSIS)の会議に出席した後、米軍のダンフォード統合参謀本部議長との会談を調整中で、実現すれば「有志連合」について協議する可能性が高い。 米国・イランの緊張を招いたのはトランプ政権 「有志連合」は、法的拘束力を持つ国連安全保障理事会の決議などを経ず、各国が共通の目的のために共同で軍事行動などを起こす際に使われる手段だ。2003年のイラク戦争開戦前、武力行使の是非をめぐる安保理の対立の最中、米国(ブッシュ政権)が、英国などと共にイラク攻撃に踏み切ったのが代表例だ。 14年には当時のオバマ大統領が主導し、NATO(北大西洋条約機構)加盟国と一緒に過激派組織「イスラム国」(IS)の壊滅を目指すための「有志連合」を結成。参加国は最終的に60カ国以上になったが、今回はIS掃討作戦の時とは状況も次元も全く違う。 そもそも事前に周到に計画された過去の「有志連合」とは異なり、構想のきっかけとなったのはトランプのツイッターだ。日本や中国を名指しし、ホルムズ海峡経由で石油を輸入する国はタンカーを「自国で守るべき」と書き込んだのを受け、米軍制服組トップの統合参謀本部議長が計画を公表したのだ。 重要なことは、欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表の補佐官が「『原罪』は米国の核合意違反にある」と指摘した通り、米国・イランの緊張激化を招いたのはトランプ政権自身だということだ。元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。 「オバマ前政権が署名したイラン核合意から一方的に離脱して厳しい経済制裁を再発動し、原子力空母や戦略爆撃機を派遣して敵対姿勢を強めてきたのはトランプ政権です。米国が経済制裁などを強めるからイランは反発する。国際社会が説得するべき相手はイランでなく、トランプ政権なのです」 軍事的緊張の火種を自らつくり、解決するには他国も協力しろ、なんて自分勝手にもホドがある。米国の要請に応じて「有志連合」の艦艇がホルムズ海峡に集結する事態になれば、米国・イランの対立がますます深まるのはもちろん、中東全体の軍事的緊張が高まるのは間違いない。 成果なし(イランのロウハニ大統領と共同会見を行う安倍首相)/(C)共同通信社
「米国第一」を再三、繰り返すトランプのことだ。「有志連合」を募る目的が世界秩序の維持でも、ホルムズ海峡の安全を守るためでもないのは明らか。おそらく「航行の自由」を口実に同盟国に米国の負担を肩代わりさせ、さらにイランへの圧力を強めたいのだろう。本当の狙いは決まっている。来年の大統領選に向けたアピールだ。 そんなトランプの思惑を見透かして米国と距離を置くのが欧州だ。自国船籍のタンカーがホルムズ海峡で拿捕されたのを受け、イランを強く非難している英国は現場海域にフリゲート艦を派遣しているものの、「米国の政策の一部とはならない」(ハント外相)と強調。ドイツ、フランスも英国が提唱した「米国抜き」の連合構想を含めて対応を協議中だ。 まずは米国が一方的に離脱したイラン核合意を維持すべし――。欧州各国が米国の要請に応じず、冷静な見方を示しているのは、イラク戦争開戦時の失敗があるからだ。米国のブッシュ政権が当時、国際社会に訴えたのは「イラクには大量破壊兵器が隠されている」だった。ところが、大量破壊兵器は見つからず、米国のウソ情報によって「有志連合」に参加した国の兵士の多くの命が失われた。ツイッターで呼びかけられた「有志連合」なんて論外なのだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。 「欧州では要職にあった政治家の政策判断が後々も問われる。イラク戦争であれば『正義や大義の有無』であり、英国のブレア元首相が政治生命を絶たれたのも、それ(イラク戦争に参加)が一因です。しかし、日本の政治家は政策判断について何ら問われず、外交姿勢に主体性もない。今回も米国に貿易交渉をチラつかされて無理難題を要求されるのでしょう」 「有志連合」ではなく「多国籍軍」が正しい さて、トランプが主張している怪しい、危うい、いかがわしい、「有志連合」に対して日本政府はどうするのか。別荘でゴルフ三昧の休暇を過ごしている安倍が右往左往する姿が今から目に浮かぶようだ。いつものように「日米は完全に認識が一致した」とか言って二つ返事でポチぶりを発揮して自衛隊を派遣するとなった場合、法的根拠はグチャグチャだ。そもそも「有志連合」と訳しているが、実際は「多国籍軍」が正しい。つまり、参加は明確な憲法違反だ。 それでも何だかんだと屁理屈をこねあげ、強行成立させた安全保障関連法に基づく存立危機事態や重要影響事態と認定したり、自衛隊法による海上警備行動を発令したりするのだろうが、日本船籍のタンカー攻撃について、岩屋防衛相は「存立危機事態に当たらない」と断言していたし、重要影響事態ではタンカーは警護の対象外だ。 攻撃が続いていないホルムズ海峡は海上警備行動にそぐわないとされる上、そもそも公海でないホルムズ海峡で自衛隊が警察権を行使するには、領海を有するイランやオマーンの同意を得る必要がある。しかし、米国と対立を深めるイランが、米国の要請を受けた日本に対し「いいよ」と認めるはずがなく、形だけで終わったとはいえ、米国・イランの“仲介役”を買って出た安倍のイラン訪問も全く無意味になるだろう。日本とイランが伝統的に築き上げてきた友好関係も台無しだ。 米国のイラン包囲網に加わったら最後、ブッシュ政権に盲従した小泉政権と同じ轍を踏むのは間違いない。まさにトランプとの蜜月関係は百害あって一利なし。「亡国の代償」となるのだ。元陸自レンジャー隊員の井筒高雄氏はこう言う。 「安倍首相の言う『日米同盟の深化』は米国に逆らわないことですから、今回の有志連合構想についても、すでに水面下で米国側と(自衛隊派遣などの)合意ができているのではないか。例えば、すでに海自はソマリア沖(アデン湾)で海賊対策を実行していますが、今回も、まずは海上警備行動で自衛艦を派遣し、その後、必要があれば特別措置法を検討する、そういう手順を踏む可能性が高いでしょう。本来であれば米国、イラン双方にパイプを持つ日本だからこそ、独自の外交路線を取れたはず。安倍首相がイランを訪問した際、何ら外交成果が得られなかったことが残念です」 それにしても、「有志連合」をめぐって日本の外交、安全保障、防衛が大きな岐路に立っているのに、大マスコミは朝から晩まで「吉本興業のお家騒動」を垂れ流すばかり。ほとんど何も報じていないから許し難い。忖度報道も極まれりだ。
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