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「放送禁止物体だった」山本太郎氏 突風で揺さぶる政界「表向きは静観する与党側も、若手を中心に「山本太郎は脅威だ。これで野党統一のシンボルとして出てこられたらえらいことになる」との声が漏れる」:朝日新聞デジタル https://t.co/utED7owrzb #フロントライン
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2019年7月26日
"7月25日、東京・六本木のテレビ朝日。「羽鳥慎一モーニングショー」に、れいわ新選組の山本太郎代表が登場した。「いまの政治は皆さんへの裏切りの連続。それを変えていける。まずは野党で手をつないで政権交代をめざしたいと思います」"https://t.co/pcITXLfoMk
— 福地慶太郎(朝日新聞記者) (@kei_fukuchi) 2019年7月26日
「放送禁止物体だった」山本太郎氏 突風で揺さぶる政界 https://digital.asahi.com/articles/ASM7T6SJMM7TUTFK01P.html 2019年7月26日16時34分 朝日新聞 参院選で第一声を上げる「れいわ新選組」の山本太郎代表=2019年7月4日午前、東京・新宿駅、江口和貴撮影 突風が、この国の「権威」を揺さぶる。 7月25日、東京・六本木のテレビ朝日。生放送の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」に、れいわ新選組の山本太郎代表が登場した。 「どっちかというと放送禁止物体としてこれまで生きてきたので、逆に今日、地上波で呼ばれるなんてびっくりなんですよ。ここしか呼ばれていない、私」 れいわは、山本氏が4月1日に立ち上げた「政治団体」。マスメディアの選挙報道は、「政党」かどうかを基準にする例が多く、7月4日公示の参院選に山本氏を含め10人が立候補した「団体」がテレビで取り上げられることはほとんどなかった。 当選確実となり記者会見で笑顔を見せるALS患者の舩後靖彦氏とれいわ新選組の山本太郎代表(右)=2019年7月21日午後、東京都千代田区、西畑志朗撮影 ところが、参院選では228万票を集め、比例代表で2議席を獲得。得票率は4・6%となり、「政党」として認められる法律の条件2%をクリアした。選挙を終えたことで、マスメディアの扱いにも変化が生まれ、この日の番組では25分間にわたる一人舞台となった。 落選が決まった後の記者会見で笑顔を見せる山本太郎代表=2019年7月22日午前、東京都千代田区、西畑志朗撮影 もともとはテレビタレントの山本氏。水を得た魚のように、家計消費や貯蓄ゼロ世帯に関するデータを記した自作のボードを持ち込み、カメラ位置を確認しながら消費税廃止の必要性などを訴えた。 「いまの政治は皆さんへの裏切りの連続でしかない。それを変えていける。まずは野党で手をつないで政権交代をめざしたいと思います」 国会も、動いた。 7月25日の参院議院運営委員会理事会。議題に上ったのは、れいわから当選を果たした筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後靖彦氏と、脳性まひで重度障害のある木村英子氏の議会活動のサポート体制についてだった。 両氏が使っている大型の車いす用に本会議場の議席を改修することや、介助者による採決の代理投票を認めることなどを決定。自民党参院議員の大家敏志理事は記者団に、「(国会が)遅れている点を含めて現状を変えていきたい。万全の体制でやらせていただきたい」と語った。 「政治の王道」学んだ出会い 生活の党と山本太郎となかまたちの共同代表に就任し、記者会見で握手する小沢一郎氏(右)と山本太郎氏=2015年1月27日午後、東京・永田町、飯塚晋一撮影 山本氏は2011年の東日本大震災後、「脱原発」を訴え、「迷惑をかけるわけにはいかない」と芸能事務所を辞めた。12年衆院選に立候補したが落選し、13年参院選東京選挙区で無所属新顔としては全国唯一の当選を果たした。だが、政党同士の駆け引きや論戦が中心となる国会で活躍の場は限られた。 転機となったのが、自民党を下野させた2度の政権交代を主導した小沢一郎・元自民党幹事長との出会いだ。 小沢氏が生活の党を率いていた14年、衆院選で国会議員数が4人に減り、政党要件を喪失。そこで白羽の矢を立てたのが無所属のまま活動していた山本氏だった。党名も「生活の党と山本太郎となかまたち」に変更。山本氏はここで「政治の王道」を学んだと公言する。 山本太郎氏の訴えに耳を傾ける聴衆ら=2018年10月9日午後、千葉・船橋駅前、河合達郎撮影 山本氏の選挙戦ではインターネットやSNS戦略が注目されがちだが、実は昨秋ごろから、今夏の参院選を見据えた街頭活動に力を入れていた。週に数回ペースで、帰宅時間帯の駅前で2時間話したあと、1時間にわたって握手や2ショット撮影に応じた。 小笠原諸島や伊豆七島なども訪問。有権者との握手を積み重ねる「どぶ板」や郡部を訪ねる「川上作戦」は、小沢氏が自民党時代から説いてきた選挙手法である。小沢氏が師と仰ぐ田中角栄元首相の「数は力」の政治流儀も受け継ぐ。 「小沢さんに学んだことは多い。『権力取れなかったら、きれいごと言っているだけだからな』って。これ、ごもっともな話なんですよ」 「大きな塊になるためには、自分もこらえるべきところはこらえるということは決めた」 山本氏はインタビューにそう答えた。 参院本会議で安倍晋三首相(奥)に対する問責決議案の記名投票の際、時間をかけて壇上に進む山本太郎氏=2015年9月18日午後、国会内、越田省吾撮影 立憲内には不満、与党側も警戒 勢いづくれいわに、落ち着かないのが既成政党の面々だ。 野党第1党の立憲民主党は、参院選で改選9議席から17議席に伸ばしたものの、比例得票は17年衆院選の1108万票(得票率19・9%)から792万票(同15・8%)に減少した。立憲幹部は「れいわに取られたところが大きかった」とほぞをかむ。 立憲内の不満も表出する。山内康一政調会長代理は自身のブログで、同党が著名人候補を多数擁立した点を批判。「『タレント候補』の比率が高くて目立ったことで、『逃げる票』が多かった」と記した。一方、立憲が掲げてきた「多様性」を象徴するような障害者や元派遣労働者らはれいわが擁立し、お株を奪われた形にもなった。 表向きは静観する与党側も、若手を中心に「山本太郎は脅威だ。これで野党統一のシンボルとして出てこられたらえらいことになる」との声が漏れる。ある自民党衆院議員は「山本氏の演説力は、(元大阪市長の)橋下徹氏や(自民党衆院議員の)小泉進次郎氏並みだ」と警戒する。 山本氏は次期衆院選への立候補を明言。「党勢を拡大し、最終的には政権を担う」と迷いがない。主要野党側も「連携できればありがたい」(立憲の枝野幸男代表)、「率直に意見交換したい」(国民民主党の玉木雄一郎代表)とラブコールを送る。 ただ、両党が消費増税の「凍結」で足並みをそろえるのに対し、山本氏は25日出演の番組で、「『凍結』は解凍される。『増税』と『凍結』は同じグループだ」と指摘。「『消費税5%』っていうところで手をつなげるんであれば、私は全力でやりたい」と牽制(けんせい)した。 突然の風は、野党全体を巻き込む大きな風となり、政界地図を塗り替えるのか。凪(なぎ)に変わり、現れては消えていったあまたの新興勢力と同じ道をたどるのか――。その行方はまだわからない。(河合達郎)
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