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吉本がCARISERA提供イベントに芸人派遣した事実
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2019年7月26日 植草一秀の『知られざる真実』
吉本興業問題はこの企業に巨額の国民資金が投入されている事実があり、安倍首相が癒着とも言える深い関わりを有している企業であるだけに、主権者としての視点から軽視できない。 吉本興業は2009年9月にクオンタム・エンターテインメント社によるTOBによって買収され、上場が廃止された。 買付代金は506億円。 資金源はクオンタムファンドへの出資金240億円のほか、三井住友銀行などからの融資資金300億円などである。 「創業家の排除を狙った 吉本興業の非上場化(上)」 https://www.data-max.co.jp/2009/09/post_6997.html 非上場かされた吉本興業の筆頭株主に躍り出たのはフジ・メディア・ホールディングスで持ち株比率は12.13%である。 このほか、 日本テレビ放送網 TBSテレビ テレビ朝日ホールディングス テレビ東京 朝日放送 MBSメディアホールディングス 関西テレビ放送 讀賣テレビ放送 テレビ大阪 電通 博報堂 博報堂DYメディアパートナーズ BM総研(ソフトバンク子会社) ヤフー(ソフトバンク子会社) ドワンゴ などが株主となっている。 吉本興業タレントの宮迫博之氏、田村亮氏による会見で発覚した吉本興業の問題は以下の三点である。 第一は、吉本興業の経営最高幹部によるパワハラ、あるいは、脅迫、強要行為が存在した疑惑 第二は、吉本興業が下請法違反をしている疑惑 第三は、吉本興業自体が反社会的勢力との関わり有していたとの疑惑 第二の論点については、元検事で弁護士の郷原信郎氏が精密な考察を公表されているので、こちらを参照賜りたい。 「「契約書のない契約」という“闇”〜吉本興業の「理屈」は、まっとうな世の中では通用しない」 https://bit.ly/2YeTuvn 「「吉本興業と芸人の取引」は下請法違反〜テレビ局、政府はコンプラ違反企業と取引を継続するのか」 https://bit.ly/2GprGu7 「吉本興業、独禁法「優越的地位の濫用」による摘発が現実のものに」 https://bit.ly/2Y9f19N 宮迫氏と田村氏は反社会的勢力が資金源のイベントに出演して報酬を得ていた。 このことと、当初に報酬を受けていたことを隠し、虚偽を述べたことで責任を問われている。 週刊誌フライデーが宮迫氏に接触したのは5月30日で、吉本興業は6月3日にフライデーからの質問状をもとにヒアリングを実施。 この際に、宮迫氏などが虚偽の供述をした。 フライデーは6月7日に発売されたが、宮迫氏や田村氏は6月8日に吉本興業に報酬を受領していたことを報告した。 吉本興業は「静観する」の姿勢を示し、結局、7月20日の宮迫氏、田村氏自身による会見まで、本人からの事実公表の機会を与えなかった。 吉本興業が、タレントが報酬を受領していたことと当該タレントへの処分を発表したのは6月24日である。 6月8日に報酬を得ていた事実の報告を受けながら、事実を公表したのは6月24日である。 さらに、6月24日段階で田村亮氏が引退を前提に会見する意向を申し出たが、岡本社長は「会見するなら全員クビ」と発言し、会見開催の要望を封殺した。 この点が第一の問題の主要点になるが、北村晴男弁護士は、 「恫喝をパワハラと言っているが犯罪行為。 『全員クビ』というのは、生活の糧を奪うことを意味しており、財産に対する害悪の告知という脅迫罪にあたる。 それを手段にして会見させないようにしようとしたとなれば強要罪に該当する」 とコメントしている。 第三の反社会的勢力との関わりについて、吉本興業は、宮迫氏が参加した誕生パーティーの主賓である詐欺グループ首謀者が経営する企業がスポンサーのイベントにタレントを派遣していた事実が判明している。 2014年5月31日に開催されたイベントで、問題のフロント企業「CARISERA」がスポンサーになっている。 https://bit.ly/2Yk78JV 誕生パーティーの主賓であるフロント企業社長をフジサンケイグループメディアであるSankei Biz Expressが記事にして掲載していた事実も判明している。 「「日本と世界の懸け橋に」 CARISERA代表取締役社長、小林宏行氏(27)に聞く」 https://bit.ly/32R1fr8 上場廃止された吉本興業には上場企業のような監視の目が届かなくなる。 大崎洋会長、岡本昭彦社長、藤原寛副社長はすべて松本人志氏と極めて近い関係にあり、この少数が吉本興業を独裁的に実効支配し、フジサンケイグループとともに吉本興業を実質的に支配している構図が浮かび上がる。 フジサンケイグループ報道は、吉本興業の現体制を擁護する方向に全面的な偏りを示しており、放送法第4条に抵触する疑いが強い。 公共の電波を用いる事業であり、 「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」 という放送法の規定に準拠するべきである。 フジサンケイグループは吉本興業の大崎体制を擁護することに全面的に力を注いでいるように見られ、主権者はこの視点からフジテレビ放送を監視することが必要である。 |
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