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内々の話をテレビで…お笑いぐさの吉本/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907240000145.html
2019年7月24日9時43分 日刊スポーツ
★すべてのワイドショー、ニュース番組では参院選の翌日ながら、トップニュースは吉本興業社長の謎の記者会見だった。ニュースバリューはその出来事の大きさや重み、影響力などで勘案されるが参院選の結果や今後の政治情勢についてのニュースより先に扱われる話題とは思えない。まして5時間を超える全くかみ合わない会見だ。ところが政界では会見どころか改憲の機運が高まっている。 ★吉本興業は大手芸能事務所だが、草創期のプロ野球やプロレスなどの興行にも大きな影響力を持っていた。一時は上場もしていたが、今でもれっきとした経団連会員企業だ。最近は政府や官邸への関与も強く、首相・安倍晋三が吉本新喜劇に出演したり、吉本芸人が官邸に表敬するなど蜜月ぶりをアピールし合う。そこには“一流企業”として官民ファンド「クールジャパン機構」から、最大100億円の出資を受け、教育産業に進出する吉本のもう1つ別の企業の顔がある。 ★ただ、人気者が多数在籍し6000人ものタレントが所属する大企業の振る舞いに関心が集まったのではない。その企業が典型的な“ブラック体質”だからではないのか。企業は体裁を保ち教育産業へ進出するタイミングながら、反社会勢力との関係発覚を避けようとした。つまり吉本は、優良企業とタレントを扱うブラック体質と2つの顔を使い分けようとしたものの、そのブラックぶりが顔をのぞかせたということになる。 ★強権の会社に立場が弱く不安定な多くのタレントが働く。まさに派遣社員に重ね合わせて会見を聞いていた人も多いはずだ。不思議なのはうそをわびたいと申し出るタレントはテレビの生中継で謝罪したいと申し出たという。それに応える会社社長もその対応を批判するのもすべてテレビを通して行われることだ。内実は会社内のガバナンスとコンプライアンス。透明化の話だ。テレビを使って国民を証人にしないと担保できないとは。一番は吉本という企業がお笑いぐさだったということか。(K)※敬称略
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