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熱帯低気圧「れいわ」がスーパー台風に発達し本土直撃へ
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2019年7月22日 植草一秀の『知られざる真実』
参院選の結果が明らかになった。 特筆するべきは以下の三点。 第一は、投票率が48.8%にとどまったこと。 過去2番目の低さになった。 第二は、安倍内閣が目指した投票率低下という現実が生じたにもかかわらず、改憲勢力3分の2を確保できなかったこと。 安倍自公の衰退が鮮明になった。 同時に、安倍自公対峙勢力共闘の重要性が改めて明確になった。 第三は、れいわ新選組が政党要件を獲得したこと。 この威力が今後鮮明になる。 焦点は次の衆院総選挙に移る。 今後の戦術展開によって政権交代が可能になる。 日本政治刷新の明確な光が差し込む歴史的転換点を画する選挙になったと言える。 選挙結果を十分に踏まえて迅速な対応を取ることが必要だ。 安倍自公政治の限界がくっきりと表れた。 安倍内閣にとって48%台の投票率というベストシナリオの環境が実現したにもかかわらず、安倍内閣は期待した結果を得られなかった。 自民党の獲得議席は改選時議席を9議席も下回り、参院単独過半数を割り込んだ。 選挙結果を客観的に評価すれば安倍自民の敗北である。 安倍内閣は投票率引き下げを最重要目標にしたと見られる。 テレビメディアは安倍内閣の指令に全面的に従ったと見られる。 選挙の投票日まで選挙関連報道を徹底的に抑制し、主権者の関心が芸能ニュースに向かうように情報工作が展開された。 同時に自公勢力優勢の「情勢調査」が流布された。 主権者に「選挙に行っても結果は同じ」との思いを植え込むためのものである。 投票率が5割に留まれば自公が多数議席を獲得する。 これは「情勢調査」をやらなくても分かること。 メディアは投票率の引き下げを誘導し、その低投票率の下での選挙結果予測数値を公表して「情勢調査」のつじつまを合わせた。 安倍内閣の戦術は完全に成功し、投票率は48.8%にとどまった。 投票率の5割割れに成功したのである。 安倍自公内閣から利権のおこぼれを頂戴することを求める「今だけ、金だけ、自分だけ」の「三だけ教」信者が全有権者の25%存在する。 彼らは雨が降ろうと槍が降ろうと選挙に行く。 したがって、投票率が下がれば自公プラス維新は多数議席を獲得できるのだ。 しかしながら、安倍自公の獲得議席数は想定されたなかでの最低水準にとどまった。 安倍自公の衰退の兆候が鮮明に表れた。 この選挙を契機に安倍首相の求心力は一気に低下することになる。 安倍体制では次の衆院選に大敗するとの懸念が次第に広がることになるだろう。 とりわけ、宮城、秋田、岩手、山形、新潟、滋賀、愛媛、大分、広島での自民敗北の衝撃は大きい。 これらは、有力な候補を擁立して、安倍自公対峙勢力が結集すれば、自公対峙勢力が勝利できることを改めて証明するものになった。 神奈川、大阪、兵庫などの複数定数選挙区では、野党の候補者調整が実施されていれば、自公維の議席をあと1議席ずつ奪うことができたと考えられる。 衆院総選挙の場合はすべての選挙区が小選挙区になるから、政策を基軸に野党統一候補を擁立することが重要になる。 この意味で「れいわ新選組」が政党要件を確保したことは極めて重要である。 安倍自公が最大の警戒を払ったのが「れいわ新選組」である。 メディアは意図的に虚偽の「れいわ」情勢を流布した。 「れいわ」が主権者支持を急速に高めていたにもかかわらず、この事実を一切報道しなかった。 「れいわ」が台風の目になることを警戒したのだ。 その妨害工作を撥ね除け「れいわ」は比例2議席と政党要件を獲得した。 山本太郎氏が主導した草の根市民の熱烈な活動による金字塔である。 次の衆院総選挙では「れいわ」が間違いなく台風の目になる。 日本政治の断崖絶壁で、危機を脱却できるほのかな、しかし、たしかな希望の光が差し込んだ。 |
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