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まれに見る魅力ない国政選挙/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907220000209.html
2019年7月22日8時57分 日刊スポーツ
★与野党参院選の候補者、陣営、関係者の皆さん、17日間、当落はさておきお疲れさまでした。それぞれが死に物狂いで頑張ったという感想をお持ちだろう。ところがこの参院選、国民は全く盛り上がらず、関心のない低調な国政選挙になったと書くと、そんなはずはない、あれほどの熱気が渦巻いたと思うかもしれないが、それは極めて局地的な話で最近まれにみる魅力のない選挙だったと結論付けるしかない。 ★自民党は日韓協議、日米貿易協議、ホルムズ海峡有志連合参加問題、財政再検証発表延期と年金2000万円問題、10月からの消費税値上げなど国論を二分するテーマや失政をすべて先送りにした。その分、首相・安倍晋三の街頭演説は序盤戦ではこそこそと日程を隠しながら遊説し、中盤からはヤジに神経質に対応。警察は過剰に排除した。また演説の中身は“民主党”攻撃、民主党政権批判、アベノミクスのいい数字だけの羅列、野党批判に始終した。 ★野党が反駁(はんばく)して騒いでも無視し続けメディアも深く追わなかった。与党が乗ってこずとも野党はそれ以外にも与党の失政と、成果のない外交など攻める材料は相当あったはずだが、立憲民主党が野党共闘に極めて消極的で、統一候補が決まったのがあまりにも遅すぎた。同時に複数区では野党候補のつぶし合いが相次ぎ、脆弱(ぜいじゃく)な野党内のトップ争いのような不毛な戦いを強いられた。結果的には立憲が野党第1党を維持したかに見えるが、野党の足を引っ張った戦犯は同党と野党共闘を推進しながら右派が共闘に批判ばかりで非協力だった連合と言わざるを得ない。 ★ただ、立憲が躍進して議席が増えると党代表・枝野幸男、幹事長・福山哲郎の独裁体制の批判が強まるだろう。枝野降ろしこそないだろうが党運営や党の目指すものについて、また野党共闘についての方針に変化があるかもしれない。一方深刻なのは国民民主党だ。党代表・玉木雄一郎の優柔不断さ、幹事長・平野博文は選挙終盤、滋賀県で応援演説中にライターを取り出して「聴衆の心を燃やしたいと買ってきたが、京都のようになったら困る」と発言するなど政治音痴ぶりが過ぎる。執行部の早期退陣はやむなしだろう。いずれにせよ野党は野党共闘路線を維持するつもりなら、甲子園の予選敗退球児のように、明日から衆院選挙に向けての対応をはじめ、本気の対策を練るべきだろう。また、連合ありきの野党共闘も精査すべきだ。連合が邪魔をするようなら連合抜きの野党共闘も視野に入れるべきだ。 ★その中で野党の体たらくを見抜き、独自の展開を見せたのがれいわ新選組だ。代表の山本太郎への期待は6年前よりもパワーアップしたが、組織もなく全国での戦いは野党に期待できない野党支持者の駆け込み寺となった。また政治の基礎である弱者の視点に立ち続けたことは既に正社員の労働組合の集合体・連合が庶民の代表ではないことを示唆している。障がい者、外国人労働者、低所得者をも含めたすべての働く人たちを、働き方を包括する政策や価値観、対策が待たれている。 ★与党は参院議長を決め内閣改造はフランスでサミット、横浜でアフリカ開発会議、ウラジオストクでの東方経済フォーラム終了後9月中旬に行う。秋の国会は先送り事項の主戦場になる。(K)※敬称略
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