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れいわ新選組は「日本新党ブーム」再来なのか 大手メディアが無視する「れいわフィーバー」
https://toyokeizai.net/articles/-/292766
2019/07/20 5:10 泉 宏 : 政治ジャーナリスト 東洋経済オンライン
品川駅前で行われた「れいわ新選組」の街頭演説を聞く有権者(写真:時事通信) 参院選も最終盤を迎え、安倍晋三首相(自民党総裁)をはじめ各党党首は激戦区に張りついて「最後のお願い」に声をからしている。自民が優勢との予測は変わらず、選挙戦の盛り上がりもいま一つ。投票率低下も懸念されている。 そんな中、各党選対幹部や選挙専門家がこぞって注目しているのが、山本太郎参院議員率いる「れいわ新選組」の戦いだ。 既存政党を圧倒する山本太郎氏の街頭演説 消費税廃止や最低賃金1500円など「究極のポピュリズム」(自民幹部)ともみえる政策を掲げて有権者に支持を訴える山本氏の街頭演説は熱気にあふれ、既成政党の党首を完全に圧倒している。新聞やテレビがほとんど取り上げない厳しい環境の中、型破りの選挙戦術を駆使する山本氏の挑戦が「線香花火」に終わるのか、それとも新たな政治の萌芽を天空に映し出す「尺玉」となるのか、依然として見通せない状況だ。 主要メディアが実施した全国情勢調査や分析でも、比例代表での議席獲得予測は「1議席も微妙」から「複数も」までと、れいわへの見方は分かれている。従来型の調査手法では、無党派層を中心とした、いわゆる「ステルス票」の動きを把握し切れないからだ。 これまでの衆参選挙でも、多くの新党が浮かんでは消えた。過去の例からみても、今回のれいわ新選組もいわゆる泡沫政治団体の域を出ない。にもかかわらず、既成政党が脅威と受け止めているのは、選挙現場での山本氏の飛び抜けた集客力と聴衆の熱気だ。長期にわたる安倍1強体制が生んだ忖度(そんたく)政治の打破に挑む山本氏の背中を、政治への閉塞感にさいなまれる「声なき声」が後押ししているようにみえるからだ。 山本氏が4月10日にれいわ新選組を立ち上げて以来、インターネットを中心に集めた選挙資金はすでに選挙戦中盤で3億円を超え、山本氏は「あと1億」と叫び続けている。集票のための新聞広告やテレビコマーシャルを打つには、「あと5000万円以上が必要」(山本氏)だからだ。 山本氏の街頭演説には必ず募金コーナーが設けられ、どの会場でも演説の前後に聴衆が列をなしている。酎ハイ1杯を我慢して500円玉や1000円札を差し出す通りすがりの老若男女の表情には、「何かが変わる」ことへの切ない期待がにじむ。政界関係者も「これまでの選挙戦では見られなかった光景」(元国会議員)と首をかしげる。 「大きな音でお騒がせします。山本太郎と申します」で始まる街頭演説。ネット情報で集まってきた聴衆を相手に「生まれてきてよかった、といえる世の中にしましょうよ」と時に涙声で訴える山本氏への拍手と喝采は、「現場にいると、不思議な高揚感に包まれる」(選挙アナリスト)という。「激しい野次に警察官が圧力をかけるような首相の街頭演説とはまったく異質の雰囲気」(同)であることは否定できない。 「山本太郎は総理を狙います」 ただ、山本氏自身も「この盛り上がりが票に結びつくかどうかはまったくわからない」と分析する。れいわの比例区リストには山本氏も含めて個性豊かな9人が並ぶが、今回新設された比例区で優先的に当選できる「特定枠」の1、2位には筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の男性と重度障害のある女性の2人を充てた。 このため、党首の山本氏自身の議席維持は最終盤になっても困難視される状況だ。だからこそ、山本氏は「私が当選するためには、300万票以上が必要。2枚目の投票用紙に『山本太郎』か『れいわ』と書いてください」と絶叫している。 多くの予測のように、何とか100万票を超えてれいわが1議席獲得となっても、選挙後に山本氏は一市民に戻ることになる。ただ、「得票率2%以上」という公職選挙法上の要件を満たせば、れいわは政治団体から政党に格上げされる。その場合、山本氏は政党の党首として国政参加も可能となる。 選挙戦中盤の品川駅前の街頭演説で、山本氏は「1年以内に衆院選、3年後には参院選。山本太郎は総理を狙います」と拳を突き上げた。「ドン・キホーテも驚く大ボラ」(自民選対)ではあるが、山本氏が今回の参院選を「次」を見据えての戦いと位置付けていることも鮮明になった。 大方の予測どおり、今回参院選が与党圧勝に終われば、余勢を駆って安倍首相が年末の解散・総選挙に打って出る可能性も取りざたされている。その場合、山本氏が今回擁立した異色の候補者たちを、狙い定めた各地の小選挙区と比例に重複立候補させれば、「改めて台風の目になる可能性も十分」(選挙アナリスト)との見方もある。 仮に、今回比例代表で1議席と政党要件を獲得し、政策的に近い社民党と会派を結成すれば、国会議員5人となり、委員会や本会議での質問にも立てる。もちろん、れいわが国政政党として政党助成金交付対象にもなるため、次の国政選挙の選挙資金確保にもつながる。その一方で、議席と政党要件の獲得に失敗すれば、山本氏の野望ははかなくも砕け散る。 選挙の歴史をひも解くと、熊本県知事だった細川護煕氏(元首相)が1992年5月に突然1人で立ち上げた日本新党は、最初の挑戦となった結党から2カ月後の参院選の比例で360万票余の票を集め、細川氏や小池百合子氏(現東京都知事)ら4人が議席を獲得して国政に躍り出た。翌1993年7月の衆院選でも、日本新党ブームはさらに拡大して35議席を獲得。8党派連立の細川政権につながった。 もちろん、政治改革をめぐって自民党が分裂して政局が大混乱となった当時と、自民1強が続く現在とではまったく政治状況が異なる。しかし、「れいわが議席を獲得すれば、現在の選挙のあり方に一石を投じて、野党再編のきっかけになる可能性」(閣僚経験者)も秘める。 メディアが無視する「れいわフィーバー」 さらに、次期衆院選では日本記者クラブなどが主催する党首討論会に山本氏も参加資格を得ることになり、今回と違って「マスコミへの露出はケタ違いに増える」(民放テレビ幹部)ことは間違いない。だからこそ、今回の選挙戦で与党や立憲民主党などが既得権益保持のために、れいわをあえて無視する態度に出ているのだ。 選挙戦が進むにつれ、山本氏の街頭演説に中央紙の記者や各テレビ局のクルーらが取材に駆けつけている。ただ、それが紙面や映像として流れることはほとんどない。政党要件を持たない政治団体は「その他大勢の諸派」扱いだからだ。 日本新党はメディアが大きく取り上げたことで大化けしたが、現在のメデイアの選挙報道は総務省通達などの規制と安倍政権への忖度もあってか、突然巻き起こった「れいわ新選組フィーバー」をことさら無視しているようにみえる。 地方選挙ではあるが、2014年2月の東京都知事選でも同じことが起こった。猪瀬直樹知事の金銭スキャンダル辞任で、自民党は舛添要一氏(のちに都知事辞任)を擁立、これに対して原発反対を掲げた小泉純一郎元首相が同じ考えを持つ細川氏を対立候補に押し立てて挑んだ。 国民的人気の衰えない小泉氏の突然の参戦を脅威とみた政権与党は、総務省を通じて各メディアに「候補者以外の人物の映像は流さないように」との趣旨の通達を出し、メディアもそれに従った。その効果もあってか、選挙戦は与党の推す舛添氏が圧勝。細川氏は3位に終わり、元首相コンビの挑戦はあえなく挫折した。 増え続けるネットのアクセス数 自慢のライオンヘアーに降りしきる雪が積もる中、傘も差さずに街宣車の上で絶叫し続けた小泉氏の映像を、各民放テレビは開票日翌朝のワイドショーで延々と流した。この状況を知る山本氏は、街頭演説に駆けつけたテレビクルーなどに対し、「(選挙が)終わってから(映像を)流しても意味がない」と訴えているが、各メディアが応じる気配はない。 ただ、れいわが今回議席を獲得すれば、次の衆院選や参院選では既成政党と同様に扱わざるをえない。選挙戦に入ってからの各党党首の政見放送動画でも、インターネットでのアクセス数は山本氏が首相も含めた他党党首を圧倒。連日ユーチューブでアップされている山本氏の街頭演説動画の視聴数も、日を追って拡大している。 7月21日の投票日に、梅雨明け間近の永田町の夜空をれいわが打ち上げた大輪の尺玉が飾るかどうか……。政界関係者は息を潜めて結果を見守っている。
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