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社説 2019年7月21日
いよいよ、選択の日です。
で、みなさんはどうしますか。まだ迷っていますか。
どうせ、自分の1票じゃ何も変わらない。誰がやっても同じさ。仕事が忙しい。高齢で投票所まで行くのがつらい。そもそも政治がうさんくさい……。
投票しない理由をよく聞きます。参院選の投票率は1995年に40%台に落ち、その後も50%台をうろうろ。毎回、棄権が第1党の得票数を超えます。
棄権しても、この国ではおとがめなしですが、ベルギーや豪州では罰金を科せられます。
政策ごとに賛同できる政党が違うから、1票に絞りきれないと悩む人もいます。
1人が複数の票を持ち、候補者に自由に振り分ける。落選させたい候補者に×印をつける。そんな方式なら、投票に行きたくなりますか。
より丁寧に民意をすくいあげようと、候補者に順位をつけて投票するアイルランドや豪州、スロベニアの例もあります。
今回も投票率が著しく低ければ、投票方式を見直す議論も必要かもしれません。
とはいえ、まだ現行ルールでの選挙です。
棄権が増えれば、強固な組織票を持つ政党や候補者が有利になり、そうした組織の意向が政治に反映されやすくなります。
無党派層を含むより多くの人々が投票するか、しないかで選挙結果は大きく変わります。
09年の衆院選では、投票率が69%に達し、民主党政権の誕生につながりました。
安倍首相が政権を奪回した12年の衆院選の投票率は59%で、戦後最低を更新。自民党は09年より比例票を200万票も減らしながら勝利しました。
棄権は「沈黙」です。
現状が認められた。白紙委任された――。政治家は勝手にそう解釈するかもしれません。
その結果、意に沿わない政策を後から押しつけられてしまう可能性があります。
自治体の首長や議員なら解職を請求できますが、国会議員にはできません。国会での多数派には、ブレーキがなかなか利きにくいのです。
それでも、棄権する覚悟がありますか。
棄権は「責任放棄」でもあります。
子や孫の世代に膨大なツケを回し続ける。日々、電気を使うのに原発問題には知らん顔をする。いまを生きる私たちが、しっかり考え、意思表示をしないのは無責任すぎませんか。
憲法前文には「国政は、国民の厳粛な信託による」と書いてあります。棄権は、この大事な「信託」をないがしろにする行為ではないでしょうか。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14105959.html?iref=comtop_shasetsu_01
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