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7月 13, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<新聞やジャーナリズムがよく使う言葉に「民主主義の危機」というフレーズがあります。具体的には、政権が強権発動をして独裁的になる場合、あるいは選挙の投票率が低迷して選挙結果の権威が揺らぐ場合などに「発動」される言い方です。
ですが、言葉そのものが陳腐化していて、危機だ危機だと言っても危機感の共有にならない現実もあります。一方で、そうした「言葉にまとわりついた手垢」を洗い落として考えてみると、今回の参院選においては、どこか「民主主義の危機」を危惧させるモヤモヤした感覚が否定できません。
この感覚ですが、表層にあるのはまず政党選びの難しさだと思います。
「長期化した政権には飽きたし、経済や人口問題など将来への不安からすると、参院だけでも与党にお灸を据えたい。けれども、野党の方はバラバラだし、統治能力が感じられないので投票する気になれない」
という感覚は、おそらく多くの有権者に共有されているのではないかと思うのです。結果として、投票率が低迷するようなら、確かにメディアの常套句である「民主主義の危機」という表現が出てきそうです。
ですが、危機だと叫ぶだけでは、問題の解決にはなりません。また、限られた選択肢の中で、何も選択できないことが続けば、それこそ本当に民主主義は停滞してしまいます。
何を対立軸にすればいいのか?
そこで議論を先へ進めるには、危機の中身を整理してみることが必要ではないでしょうか? 今回は3点、問題提起をしてみたいと思います。
1点目は対立軸の問題です。リベラル対保守であるとか、大きな政府論対小さな政府論というのは、どうも日本の政治風土には馴染まないのかもしれません。少なくとも二大勢力を選択肢とする際に有効な軸にはならないようです。そうであるなら、もっと具体的な対立軸を考えることが必要でしょう。
「都市への集中を許すのか、強制力を使ってでも地方経済を浮揚するのか」
「現役世代へのリターンを増やすのか、年金受給世代の数の力に乗るのか」
「多国籍企業の活動を許すのか、それとも日本のGDPを優先して高付加価値部分の空洞化には歯止めをかけるのか」
といった対立軸は、財政規律とか格差への再分配などと並んで大切な政治的課題になり得るのではないでしょうか。
2つ目は裏返し効果の問題です。安倍政権は、保守層に支持されているからこそ、令和の元号を1カ月前倒しで発表できたし、結果は潰されましたが朴槿恵(パク・クネ)政権との日韓合意もできたわけです。また真珠湾での献花も批判を浴びませんでした。ですが、こうした政策は左派的な性格の政権であったら、保守派が頑強に抵抗して立ち往生した可能性があります。
つまり右派に支持された政権の方が中道左派的な政策を安定的に行えるという「裏返し効果」が生まれたのです。政治は生き物なので、そうなる理屈は分かるのですが、民意の反映ということでは明らかにねじれています。これも現代ならではの、民主主義の機能不全の一種だと思うのです。
3つ目は統治能力の問題です。間接民主制の日本の場合は、総理の一歩手前までは、党内政治だけで登りつめることができますが、総理になった途端に国民との直接のコミュニケーションの場に「引きずり出され」てしまいます。また、最終的な決断を孤独に下さねばならないことも多くあります。そこで無能と思われれば、政権は瓦解します。
それでは政界として、あるいは国として、統治能力のある人材をどうやって育てていくのか、これは大きな問題だと思います。この問題に関しては、野党の人材難だけでなく、与党にも突きつけられています。「ポスト安倍」に関して、そろそろ真剣に考える時期ではないかと思われるからです>(以上「NEWS week」より引用)
上記引用記事にもある通り、野党は一致した「統一公約」を国民に提起できないでいる。それではバラバラな野党が単に選挙互助会的に統一候補を立てただけだと国民に思われても仕方ない。それでは「米国ポチ」一枚岩の安倍自公政権には勝てない。
なぜ明確な「統一公約」を示せないのか。それは野党間で政治理念の擦り合わせが出来てないからだ。政治理念とは何か。今日の世界的な政治理念は改めて指摘するまでもなく「グローバル化」対「反・グローバル化」だ。
安倍自公政権は米国の1%の要請の通りに日本をグローバル化して、米国の1%に叩き売ろうとしている。既に「主要穀物の種子」は売り渡した、水道事業も売り渡した。日本の労働市場も売り渡したし、今はトランプ氏の求めに応じて自衛隊まで米軍の弾除けに売り渡そうとしている。そのための手続きとして、この選挙後にホルムズ海峡派兵が具体化するだろう。
そうした「グローバル化」、つまり世界単一化システムに日本を乗せて日本固有の文化や制度御慣習を悉く破壊しているのが安倍自公政権だ。これほどの革命的な革新政権が「保守派」だというから驚きだ。
むしろ日本の伝統や文化や慣習を守ろうとしているのが「野党」だ。つまり野党の方が「保守的」なのだ。実際に安倍総理大臣に施政方針演説で「改革」という言葉が三十数回も飛び出たことからも明らかだろう。
「グローバル化」対「反・グローバル化」という政治理念の対立軸が明確になれば個々の政策も自ずと対立軸が明確化するだろう。NEWS weekが心配することはない。
しかし問題なのは野党政治家に「グローバル化」対「反・グローバル化」という対立軸が見えているのか否かだ。そうした構想力と時代を看破する洞察力のある政治家が野党にいるのか、ということだ。
だから私は小沢一郎氏を推薦している。彼は2009民主党マニフェストを「グローバル化」対「反・グローバル化」の対立軸を明確に意識した上で「反・グローバル化」の立場から策定した。彼の時代を見据えた2009民主党マニフェストは今も輝きを失っていない。
ではなぜ素晴らしいマニフェストを掲げた民主党政権が瓦解したのか。それは鳩山氏の後を継いだ菅氏と野田氏が民主党政権を第二自民党政権に変節させたからだ。彼らは愚かにもTPP参加を表明し、財政規律のためと称して消費税10%を公約してしまった。彼らの2009マニフェスト裏切り行為が民主党政権を終焉させた。
その残党どもが性懲りもなく国会議員バッジを付けて大きな顔をしている。だから野党は駄目なのだ。なぜ小沢一郎氏の許に参集して懺悔し「反・グローバル化」の旗印「国民の生活が第一」を掲げないのか。
そうすれば「統一公約」は自然と出来上がる。野党は必ず似非・保守政権の安倍自公政権に勝てる。なぜなら安倍自公政権は亡国政権でしかないと、統一公約を通して愚かな安倍信者たちにも解るはずだからだ。
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