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米軍が多国籍軍結成表明 ホルムズ海峡で“血の同盟”実践か
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2019/07/11 日刊ゲンダイ 「日本は米国も助けるべきだ」(C)日刊ゲンダイ 海外で血を流すのか――。自衛隊の「イラン派兵」が参院選の大きな争点に急浮上した。イラン情勢が緊迫する中、米国と同盟国による「多国籍軍」が、ホルムズ海峡に展開される見通しになった。同盟国に「応分の負担」を求めるトランプ大統領が、日本に参戦を求めるのは確実だ。安倍政権は2015年に安保法制を強行し「戦争ができる国」をつくり上げたが、いよいよ「戦争をする国」になろうとしている。 ◇ ◇ ◇ 米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は9日、イラン沖のホルムズ海峡周辺での民間船舶の安全を確保するため、同盟国と多国籍軍を結成する考えを示した。 ホルムズ海峡は、日本向け原油の8割強が通過し、日本経済の頚動脈ともいわれる。先月、ホルムズ海峡で日本のタンカーなど2隻が攻撃を受け、米海軍が救援活動を行ったが、トランプはツイッターで「自国の船は自ら守るべきだ」と不満を表した。また、G20閉幕後の会見(6月29日)では「もし、われわれが日本を助けるなら、日本もわれわれを助ける必要がある。そして彼(安倍首相)はそれを分かっている」と明言している。 軍事評論家の前田哲男氏が言う。 ■米軍と対等の立場 「今回は、後方支援のようなレベルの参加では済まず、自衛隊は多国籍軍に、米国と対等に近い立場で参加が求められる可能性があります。そうすると15年の安保法で可能になった集団的自衛権の発動もあり得る。つまり、自国防衛でなく、米国など他の同盟国が攻撃された場合にも、隊員が血を流す事態も考えられるのです。ホルムズ海峡で“血の同盟”が実践されかねません」 「血の同盟」はかねての安倍の持論だ。著書『この国を守る決意』(04年1月発売)で安倍はこう言っている。 〈軍事同盟というのは“血の同盟”です。日本がもし外敵から攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。しかし今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないのです。実際にそういう事態になることは極めて小さいのですが、しかし完全なイコールパートナーと言えるでしょうか〉 ■「自衛隊イラン派兵」参院選の争点に こうした問題意識から、安倍は安保法を強行し、海外で隊員が〈血を流せる〉ようにしたわけだが、今、ホルムズ海峡で現実味を帯びてきたのだ。 「多国籍軍の構想が参院選投票前に明らかになったことは幸いです。有権者がイラン派兵について意思表示できるからです。市民連合と5野党・会派が合意した〈共通政策〉では安保法制の廃止が明記されている。戦争をする国を進めるのか、安保法を廃止し、平和国家を取り戻す一歩にするのかが選挙で問われているのだと思います」(前田哲男氏) 野上浩太郎官房副長官は10日、米政府から協力を打診された場合の対応について「イラン情勢を巡り、日米間で緊密なやりとりをしているが、詳細は差し控えたい」と逃げたが、11日の日経新聞は協力の打診があったと報じた。ダンフォード議長は「2週間程度で参加国を見極める」としている。 有権者はイラン派兵にブレーキをかけられるか。
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