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7月 08, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<「強い経済を作っていけば年金の財源も強いものにできる。税収は過去最高額。国も地方もバブル期を超えた」。6日夕、大阪市北区で安倍首相が演説を終えると、集まった支持者が拍手を送った。同市東淀川区の運送業の男性(75)は「首相の強い意気込みを感じた」と評価する一方、同市北区の主婦(60)は「演説を聞いても年金の不安は全然解消されなかった。国民は冷静になる必要がある」と冷ややかに語った>(以上「毎日新聞」より引用)
税収の総額が増えたことが必ずしも好景気を反映しない。ことに消費税が8%と欧州諸国以上の重税を国民に課している現在の日本の税体系で、税収が60兆円を超えたからバブル期以上の好景気だというのは詭弁に過ぎない。
バブル期最大の税収があった1990年当時の税収の内訳は昨日のブログにも掲載した。もう一度掲載するので比較して頂きたい。
所得税 法人税 消費税 (単位は兆円)
1990年 26.0 18.4 4.6
2018年 19.0 12.2 17.6
所得税は1990年当時の超過累進税率は最高で75%だったが、現在では45%まで軽減されている。つまり税による所得再配分機能は大幅に損壊され、富裕層優遇税制になっている。法人税も1990年当時の37.5%から23%に大幅に税率が引き下げられている。その二税とは対照的に消費税は当時の3%から8%に引き上げられている。
つまり富裕層と企業への減税を貧困層に厳しい消費税で補って余りあった、ということに他ならない。そして景気と相関関係があるのは所得税と法人税だ。消費税は景気とは関係のない「安定財源」だと財務省も言っているではないか。
年金に関して安倍氏が経済を強くすれば年金基盤も強くなる、と当たり前のことを言っているが、やっていることは日本を衰退させ年金基盤を破壊することばかりだ。安倍氏の嘘は真実と適当に混ぜるという、かなり悪質な嘘だ。
消費増税すれば必ず需要が減少して経済はデフレ化に向かう、というのが過去の消費増税下でみられた。先の2014年に8%増税した時にはGDPはマイナスになり国民所得もマイナスになった。それほど経済のパイが変わらないで増税策を実施すれば、国民の取り分が減少するのは小学生にも解る理屈だ。今回もGDP成長率は1%程度で消費税を10%に引き上げるのだから、必ず総需要は減少してデフレ化経済になり景気は悪化する。
そうすれば社会保障へ回す消費税以外の一般税収が減少するため年金会計に回す財源は「ない」と財務官僚は言うに違いない。まさに「金の卵を産む鶏」という寓話を思い出す。
国民をもっと絞ればもっと税が取れるから、殺してでも搾り取るということなのだろう。安倍氏は「国民が滅びて、国が栄える」という本末転倒な考えを持っているようだ。財政規律のためなら国民が貧困化しても構わない、という考えだ。そうでないなら「マトモな経済論争」をテレビでMMT経済学者たちと行うべきだ。安倍氏に消費増税10%を唆している側近を連れて来ても良いから、経済論争を国民の目の前で行うべきだ。そうすれば安倍氏の嘘が白日の下に晒される。
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