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露骨な国民騙しの美辞麗句 安倍自民の公約は嘘ばかり<上>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257551
2019/07/04 日刊ゲンダイ ウソつき(C)共同通信社 第25回参院選が4日公示され、21日の投開票に向け、17日間の“選挙の夏”が始まった。 安倍首相は「政治の安定」を訴え、改憲の争点化に躍起だが、冗談じゃない。もっと言えば今回の争点は、野党が強調する「老後資産2000万円問題」や「消費増税」でもない。これらのテーマも重要だが、もっと大事な焦点がある。 6年半に及ぶ「嘘も100回つけば真実になる」を地で行く詐欺師政権に、国民はまた騙されるのか。それとも今度こそ詐欺に気付き、目を覚ますのか。それこそが、最大の争点である。 今度の選挙でも露骨な「国民騙し」と「争点隠し」のオンパレード。ペテン政権の公約はハッキリ言って、「全て詐欺かイカサマだ」と言っていい。 ◇ ◇ ◇
どの世論調査でも「重視して欲しい政策」でトップの「年金など社会保障」も自民の公約は嘘だらけ。堂々と「高齢者の皆さんが安心して暮らせる社会保障」とうたうが、それが絵空事だと露呈したのが「2000万円問題」ではないか。 麻生金融担当相は「政府の政策スタンスと異なる」と問題の報告書の受け取りを拒否したが、これに「年金の給付水準が下がっていくことは、2004年の年金改革の際、すでにデザインされていた」と、毎日新聞の2日付夕刊で指摘したのは社会保障に詳しい東大名誉教授の大沢真理氏だ。 大沢氏は「安全保障関連法に反対する学者の会」の呼びかけ人。将来の給付が減るからこそ政府の社会保障国民会議は08年、「社会保障の機能強化」を図り、年金制度への信頼回復が必要との報告書をまとめた。 その認識は2度の政権交代後も共有されてきたが、安倍政権は根底から覆した。 昨年の「骨太の方針」で、機能強化から「基盤強化」に方針転換。費用の抑制や適正化・効率化など、信頼回復とは正反対の身勝手な内容だ。 社会保障給付費の対GDP比も、2012年度の22・06%から2016年度は21・68%と安倍政権下で低下。 前出の毎日記事で、大沢氏は〈高齢化が進み、対GDP比への上昇圧力となるのに、下がっている。こんな事態は他国に例を見ません〉と批判。今年の「骨太の方針」の社会保障政策についても、〈書いてあることは「70歳まで働け」「病気になるな」「要介護になるな」「お上に頼るな」の4点に要約できます〉と語っていた。 「学者の会」の大沢氏が列挙した事実だけでも、「高齢者の安心」なんて公約は真っ赤な嘘。安倍政権の弱い者いじめの実態がよ〜く分かる。 儲けるのは…(C)日刊ゲンダイ
選挙直前に今年の「骨太の方針」に盛り込んだ「就職氷河期世代支援」も欺瞞に満ちている。 氷河期世代を「人生再設計第一世代」と言い換える「上から目線」がネット炎上したように、多くの国民は安倍政権に「おまえらが言うな」と怒っている。その上、氷河期世代の正規雇用化の数値目標は、3年間で30万人増。昨年の非正規労働者の数は前年比84万人増の2120万人に上る。今さら30万人増なんてスズメの涙にもならない。 そもそも氷河期世代は長期不況下に、小泉政権の製造業への派遣解禁で生み出された“国策の犠牲者”だ。その小泉政権で幹事長や官房長官など要職を歴任、総理に駆け上がったのが安倍である。氷河期世代の生活をメタメタにした張本人が救済者気取りの「印象操作」とはヘドが出る。労働問題に詳しい法大教授の上西充子氏はこう言う。 「安倍首相は以前、『この国から非正規という言葉を一掃する』と豪語しましたが、その決意の結果が低いハードルとは情けない。達成可能な数字で“やっている感”を演出している感じです。氷河期世代の暮らしを安定させるなら、公営住宅の整備や非正規から正規への転換を促進すべき。少なくとも有期雇用の非正規の無期転換ルールを強化し、『雇い止め』の恐怖を取り除けば非正規の発言力は必ず増す。何もしない政権の救済方針は氷河期世代をビジネスの道具にしているように見えます。規制緩和で派遣労働者を増やし、大手製造業や派遣会社を儲けさせ、今度は安定した職に就くための職業訓練と称して派遣会社に国の予算を回す。そのカネを不安定な雇用環境の人々に直接、渡した方がよっぽど救われます。これでは氷河期世代を食い物にした二重搾取です」 救済者の顔をした“銭ゲバ”に騙されてはいけない。 恩恵ゼロ(C)日刊ゲンダイ
自民が公約に掲げる「子供の未来・安全に、大胆に投資」の目玉策「幼児教育・保育の無償化」もデタラメの極みだ。 無償化で入園希望者が殺到すれば待機児童問題はさらに深刻化し、恩恵を受けられるのは運良く子供を預けられた世帯だけとなりかねない。 待機児童を抱え、本当に苦しい世帯は、恩恵ゼロだ。 しかも、年間7764億円もの予算が投入するのに、その恩恵は富裕層に偏る。 保育所の利用料などは既に保護者の所得に応じて減免されているためで、内閣府の試算によると、低所得の住民税非課税世帯には、予算の1%しか配分されない仕組みなのだ。 「安倍政権の弱者救済策は“誇大広告”ばかり。たとえば『同一労働同一賃金』は、厚労省が『正規と非正規の労働者の間で不合理な格差があってはならない』と定めたガイドラインに法的拘束力はない。2年前に定めた『全国平均の最低賃金1000円』も、ずっと『早期に』と目標を立てながら、いまだ達成できていません。家計第一で、暮らしと労働の安定を訴える野党に“ウチらもやっています”とポーズを示す『争点隠し』を図っているのでしょう。こうした“言葉のゴマカシ”は安倍政権の常套手段とはいえ、あまりにも姑息すぎます」(上西充子氏=前出) 中身スカスカの暮らしの救済策で、「弱者の味方」ヅラとは本当に許しがたい。
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