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老後2000万円問題 高齢者が金融サービスに駆け込む“皮肉” ファクトチェック・ニッポン!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257417
2019/07/03 日刊ゲンダイ 政府が本来すべきことは、高齢社会への対応をあらゆる角度から行うこと(C)日刊ゲンダイ 「本報告書の公表をきっかけに金融サービスの利用者である個々人及び金融サービス提供者をはじめ幅広い関係者の意識が高まり、令和の時代における具体的な行動につながっていくことを期待する」 冒頭にそう書かれている報告書。これを読んで、すぐに何の報告書だかわかる読者はいるだろうか? ほかには、「個々人においては『人生100年時代』に備えた資産形成や管理に取り組んでいくこと、金融サービス提供者においてはこうした社会的変化に適切に対応していくとともに、それに沿った金融商品・金融サービスを提供することがかつてないほど要請されている」とも書かれている。 こう言われれば、見当がつくかもしれない。メディアで「老後の生活費が2000万円不足するとした金融庁の報告書」とされているものだ。しかし、事実をありのままに書けば、これはそういう報告書ではない。高齢社会で、いかに金融サービスを提供するかというサービス事業者の報告書だ。これがなぜ「老後の生活費が2000万円不足」という話になったのかは、最初の麻生太郎財務大臣の発言に起因することは間違いない。そして反発を受けて、受け取りを拒否する麻生大臣。今度は野党が、このような重要な報告書の受け取りを拒否することは問題だと追及。与党は、不安をあおる内容だからと政府を擁護。 しかし、読んでみれば、その全てが的外れなことがわかる。 繰り返すが、これは、高齢社会で金融商品をどのように売るかという金融サービス事業者の側の意向をくんだ報告書だ。金融業界がいかに高齢社会から利益を誘導するかを議論した報告書と言い換えてもいい。 例えば、「付属文書」には具体的な内容として、「『認知・判断能力の低下・喪失への備え』への対応」と書かれている。その内容は、認知症になった人でも金融サービスを受けられるよう環境づくりを進める必要があるというものだ。もちろん、それは認知症となった当事者のためという説明ではあるが、一方で、判断能力の低下した人を顧客にするという話でもある。慎重な議論が必要なことは言うまでもない。 報告書には、老後の備えが公的資金で賄えないことや、高齢化を迎えても多くの人が就労している現実が書かれている。しかし、そもそも、それを正面から議論しているものではない。つまり、どの立場を批判しようが、そもそも前提条件を我々は正しく認識していないということだ。なぜ、こういう愚かな状況が生まれるのか? まずもって、麻生大臣の最初の対応を批判することは必要だろう。政府が本来すべきは、高齢社会への対応をあらゆる角度から行うことで、金融サービス事業者のための報告書をまとめることではない。野党の議論にも違和感を覚える。麻生大臣がこのような極めて業界寄りの報告書を、さも重大なことのように発表した事実こそ追及すべきだろう。 報告書をまとめたメンバーの多くが投資業界の人であることはここでは議論しない。専門家ゆえという理屈なことは間違いない。ただ、これだけの騒ぎになって高齢者の多くが金融サービスに駆け込んでいるという。皮肉にも報告書は、それがまとめられた狙い通りの効果を発揮しているということは知っておいた方がいい。 ※コラムへの感想や意見は以下のアドレスへ。tateiwa@seedsfornews.com 立岩陽一郎 ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職し、17年からフリーランスとして活動。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「ニュースのタネ」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。ニコニコ動画でも「ファクトチェック・ニッポン」の配信を開始。
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