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米朝の歴史的瞬間にカヤの外 安倍外交の“惨めな孤立”<上>
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/257328
2019/07/01 日刊ゲンダイ 非核化は遠い(米朝首脳会談)/(C)ロイター
30日行われたトランプ大統領と金正恩委員長との3回目のトップ会談は、なにもかも異例ずくめだった。 現職のアメリカ大統領が北朝鮮に足を踏み入れたのが初めてなら、米・韓・北のトップ3人が肩を並べて談笑するのも、南北分断後初めてのこと。そもそも、この会談自体、トランプのツイッターによって実現したのだから前代未聞である。 韓国側から北朝鮮に入ったトランプは「軍事境界線を越え、この場にいるのは大変光栄だ」と語り、金正恩は「トランプ大統領が境界線を越えたのは、良くない過去を清算し、良い未来を開拓しようという勇断だ」と称賛してみせた。 この会談が、2人にとってウィンウィンだったのは間違いない。 「会談終了後、金正恩は満面の笑みを浮かべていました。あの表情がすべてを物語っています。トランプとの1対1の会談時間も過去2回より長かった。ポイントは、2〜3週間以内に実務協議をスタートすることで合意したことです。これまで北朝鮮は、協議再開の期限を年内と区切り『時間的余裕はない』とアメリカを揺さぶっていた。米朝協議が動きだせば、経済制裁も緩和されると計算しているのでしょう。一方、大統領選を控えるトランプは、北朝鮮問題が進展していると外交成果を訴えられる。2人が会ったのは、利害が一致したからでしょう」(朝鮮半島問題に詳しいジャーナリスト・太刀川正樹氏) ただし、北朝鮮の非核化は、そう簡単には動かないとみられている。トランプ本人も「スピードが目的ではない」と、会談後、明言している。 元韓国国防省北朝鮮情報分析官の高永侮=i拓大主任研究員)はこう言う。 「脱北した元高官は、北朝鮮外交の3本柱は、@核は放棄しないA核を保有していればアメリカも軍事攻撃できないB中国は北朝鮮を見捨てることはできない――だと話しています。実際、北朝鮮にとって核は、体制を維持する虎の子です。最後まで放棄することはないでしょう。リビアが大量破壊兵器計画を放棄した後、欧米から空爆されたことも知っているはずです。 そもそも、北朝鮮の非核化は簡単じゃない。相当な時間がかかる。なにしろ、核兵器を10個以上も保有し、核の関連施設は300〜400に及ぶとみられている。アメリカのハッカー博士は、完全な非核化には15年かかると予測しています」 仮に非核化に動くとしても、北朝鮮の主張通り、時間をかけ、相応の見返りを与える「段階的核廃絶」になるのではないか。 国内では恐ろしいほどの情報収集力なのに(菅官房長官)/(C)共同通信社
大阪G20サミットに参加していたトランプが「金委員長に会って握手、言葉を交わす用意がある」とツイートしてからおよそ1日半。3回目の米朝会談の実現に最も目をパチクリさせたのは安倍首相ではないか。 そうでなければ、橋渡しをした韓国の文在寅大統領に対する安倍の冷遇はあり得ない。外務省幹部は日本テレビの取材に「米朝面会の準備はまったく進んでいないと思う。あまり気にしなくていい」と前日まで甘い見通しを口にしていたというから、安倍官邸の情報収集能力が知れるというものだ。 元外務省国際情報局長の孫崎享氏は言う。 「米朝会談実現に向けたシグナルはそこかしこに表れていた。そもそも、トランプ大統領が訪韓中にDMZ(非武装地帯)を視察する可能性は取り沙汰されていましたし、G20では文在寅大統領に対して非常に友好的なジェスチャーを繰り返していました」 今月に入り、北朝鮮情勢は目まぐるしく動いていた。トランプと金正恩は「美しい手紙」のやりとりで“信頼関係”を確認。北朝鮮の後見人である中国の習近平国家主席が平壌を訪れ、文在寅は国内外の通信社による書面インタビューで「朝鮮半島平和プロセスはすでにかなり進展した。米朝交渉の再開を通じて次の段階に進むだろう」との見通しを示していた。 政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。 「G20で注視された米中首脳会談でトランプ大統領が制裁関税の第4弾を先送りしたのは、より見栄えのする米朝会談の見通しが立ったからではないのか。官邸を仕切る経産省も、外務省も情勢を見誤ったとしか言いようがありません」 きのう開かれた党首討論会に出席した安倍は「最後は、私が金正恩朝鮮労働党委員長と向き合って解決しなければならないと決意している」と、いつものセリフを言うのが精いっぱい。トランプとの「緊密な連携」が聞いて呆れる。 ネット討論でも吠えるだけ(安倍首相)/(C)日刊ゲンダイ
参院選対策で慣例を破ってG7前に押し込んだG20で各国首脳と肩を並べ、安倍が得意満面の主役気取りだったのも束の間。米朝会談という歴史的瞬間はカヤの外だったのだから赤っ恥だ。 これでいよいよ鮮明になったのが、「拉致の安倍」「外交の安倍」の惨めな正体である。 北朝鮮を巡る6カ国協議の当事国のうち、いまだに金正恩と会えていないのは安倍ひとり。5月になって慌てて「日朝首脳会談の無条件実施」に方針を百八十度転換したものの、北朝鮮からは「われわれへの敵視政策は何も変わっていない。安倍一味はずうずうしい」と蹴散らされ、相手にもされない。にもかかわらず、きのうも「トランプ大統領から私の考え方を金正恩氏に伝えてもらい、習近平国家主席も問題解決に大変協力してくれている」と強弁する厚かましさである。 「安倍首相はトランプ大統領とトモダチだとか、ゴルフ仲間だとか誇っていますが、外交に生かせていないことが浮き彫りになった。北朝鮮の友好国である中ロは頻繁に首脳会談を開いていますし、習近平主席もプーチン大統領も米朝会談の実現を把握していて、知らぬは安倍首相だけだったのではないか。地球儀俯瞰外交は、文字通り俯瞰するだけなのがハッキリしました」(角谷浩一氏=前出) 中国包囲網にしろ、北方領土返還にしろ、安倍外交が上げた成果はひとつもない。トランプと金正恩の再会も指をくわえて眺めるだけ。脅威を煽り、吠えるだけで実は何もしてこなかった愚かな感情的外交の総括が絶対に必要である。
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