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反乱なのか 安倍首相“側近議員”がアベノミクスの成果否定
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/256889
2019/06/25 日刊ゲンダイ 西田議員(右)の主張はすべて正論/(C)日刊ゲンダイ 安倍政権への反乱なのか――。自民党の西田昌司参院議員が毎日新聞のデジタルコラム「政治プレミア」に寄稿した一文が関心を呼んでいる。「景気が良くなったというのは全くの解釈違いだ。『本当にバカか』と私は言いたい」「実質賃金は下がっている」「労働分配率が下がっている」と強調し、「従業員の給与を増やさず、株主と経営者が自分の懐にいれている。とんでもない話だ」と経営者を批判、さらに「日本はデフレだ。消費増税は凍結すべきだ」「消費増税を強行すれば間違いなく経済は悪くなる」と訴えているのだ。 驚くことに、主張の中身はどれもこれも野党が訴えていることとほぼ同じ。「好景気がつづいている」「賃金は増えている」という安倍政権の主張を真っ向から否定しているのだ。 西田議員は当選2回。京都選挙区。税理士。安倍首相の出身派閥である細田派に所属し、安倍首相の経済指南役のひとりだ。もともと安倍首相に近い人物が、アベノミクスの成果を否定するかのような寄稿をしたことで驚きの声が上がっているのだ。 ■主張はすべて正論 主張の内容について経済評論家の斎藤満氏はこう言う。 「訴えていることは、まったくその通りだと思います。好景気だと考えているのは大企業と富裕層だけでしょう。労働分配率が下がっていることも、実質賃金が下がっていることも事実です」 それにしても、どうして参院選前に安倍政権の経済政策を批判するような寄稿をしたのか。 「自分の選挙を有利にするためだ」「自民党議員のホンネを代弁した」「空気を読めなかったのではないか」……などとさまざまな臆測が飛んでいる。当の西田議員は、日刊ゲンダイの取材にこう言う。 「私は、事実に基づいて議論しなくてはいけないと考えています。リーマン・ショック級の経済危機が襲ってきたら、消費増税は見送ることになっていますが、現在、銀行の利益率はリーマン・ショックの時より悪い。だから、消費増税は凍結すべきだと思っています。もし、消費増税を実施したら、金融危機を引き起こす恐れがある。市場原理主義が蔓延したため、企業はコストカットに走り、従業員に利益が行き渡っていない。給与が下がって消費が落ちているのに、消費増税を行ったら、さらに消費を冷え込ませるだけです。ただ、私は安倍政権を批判しているわけではありません。アベノミクスを助けるために訴えているだけです」 安倍首相が消費増税を凍結しやすいように、西田議員は意図的に発言しているという見方も流れている。 しかし、自民党議員から「景気は良くない」「実質賃金は下がっている」という正論が次々に上がったら、参院選は大波乱が起こるのではないか。
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