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面白くなってきた参院選 「消費増税を争点」とはいい度胸
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/256806
2019/06/24 日刊ゲンダイ 文字起こし 消費増税は今の景気悪化をダメ押しするだけ(C)日刊ゲンダイ 政府が21日に臨時閣議を開いて決定した、今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」。少子化対策や社会保障に対する安定的な財源を確保するとして、10月に消費税率を現行の8%から10%に引き上げることを明記した。 安倍首相は28〜29日に大阪市で開かれるG20(主要20カ国・地域首脳会議)でも消費増税を国際公約にする考えで、今夏の参院選でも「消費増税」が大きな選挙争点になるのは確実な情勢となった。 「経済再生最優先の基本方針を揺らぐことなく堅持し、経済の回復基調を持続させ、経済財政運営に万全を期していく」 臨時閣議前の経済財政諮問会議と未来投資会議の合同会議で、安倍はこう言っていたが、いい度胸だ。野党は増税反対で一致団結しているし、この経済情勢下で増税を断行したらどうなるのか。まともなエコノミストはみんな反対しているのである。 実際、過去に消費増税した際のGDP(実質国内総生産)の成長率を振り返ると、景気の減速は明白だ。税率が5%になった1997年度は前年度比0%で、翌年度は0.9%減。8%に引き上げた2014年度は、政府が景気の下振れリスクを支えるために5兆円規模の経済対策を講じたにもかかわらず、0.4%減で5年ぶりのマイナスとなった。それでなくても、今の日本経済はアベノミクスのバケの皮が剥がれ始め、足元がグラつき始めている。 政府の月例経済報告は「緩やかに回復」との見方を示しているが、内閣府が5月に発表した景気動向指数の基調判断は6年2カ月ぶりの「悪化」だ。 米中貿易戦争の行方や、英国の離脱で揺れ動くEU(欧州)経済の先行きも不透明で、こんな最悪のタイミングで消費増税に踏み切れば「弱り目にたたり目」になるのは火を見るよりも明らかだ。 消費増税は今の景気悪化をダメ押しするだけ 消費増税をゴマカすかのごとく打ち出された「骨太の方針」も言葉遊びみたいなものだ。こういうものを出さなければゴマかせない厳しさが却って浮き彫りになってくるようだ。曰く〈30歳代半ばから40歳代半ばの就職氷河期世代の正規雇用者を3年間で30万人増やす〉〈全国平均の最低賃金をより早期に1000円にする〉。実現性よりも「やっているフリ感」。これが国民ダマシの悪辣政権の常套手段とはいえ、一体どこが「骨太」なのか、と言いたくなる。 景気はじわじわと悪化し、目を引く有効な経済政策もナシ。 そんな状況にもかかわらず、自民党は参院選の争点に「消費増税」を掲げたのである。 その背景は、おそらく、3度目の増税延期に踏み切れば、6年半に及ぶアベノミクスの「完全破綻」がバレて世論の批判が高まるのを恐れたのだろう。だから、増税強行を決めて、ポイント還元など付け焼刃の“対処療法”でごまかすことにしたのである。 景気を冷え込ませるのは自明なのに、「増税」に踏み切らざるを得ないチグハグな姿勢は、参院選の勝敗ラインを必死に下げている様子からも透けて見える。安倍は22日に出演したネット番組で、参院選の勝敗ラインについて「自民、公明の与党で過半数を確保すること」と言っていたが、発言が改選議席を指すのであれば過半数は63。一方、改選後を指すのであれば、過半数は53でハードルはグンと下がる。自民の萩生田幹事長代行は「改選議席の過半数」などと取り繕っていたが、何がホントか分かりゃしない。いずれにしてもハッキリしているのは消費増税でぼろ負けの予防線を張り巡らしているということだ。埼玉学園大の相澤幸悦教授(金融論)がこう言う。 「実質賃金は増えず、国内外の経済が好調とは言えない中で増税すれば景気悪化をダメ押しするだけ。今は官製相場で辛うじて支えられている株価だって急落する可能性があると思います。増税分を充てるかのように公表された『骨太の方針』は掛け声だけの努力目標に過ぎず、景気刺激策になるとは思えません」 「野党は増税NO!」/(C)日刊ゲンダイ
〈消費増税を実施すれば不況になるかもしれない一方、債務残高の国内総生産(GDP)に対する比率は大して改善しない。日本銀行の金融政策ももう使えない〉〈私なら期限を定めず延期して、『引き上げられる時期が来たら直ちに引き上げると言うだろう』〉 21日付の朝日新聞のインタビューで、安倍政権が予定する10月の消費増税に強い反対を示したのがIMF(国際通貨基金)のチーフエコノミストだったオリビエ・ブランシャール氏だ。 IMFは今でも日本の消費増税を支持し、延期に反対の立場だ。「古巣」とはいえ、IMFの出身であるマクロ経済学の大家が、日本の消費増税に異論を唱えるのは極めて異例と言っていい。裏を返せば、それだけ安倍政権が強行しようとしている今度の消費増税はとんでもないということだ。 元内閣官房参与の藤井聡・京大大学院教授も本紙デジタル版で〈消費税を凍結・減税すべし〉と題したコラムを連載。〈消費増税で「世界中の嗤い者」になるニッポン〉〈「老後2000万円必要」だったら、消費「減」税せよ!〉〈GDP速報値は「激しい経済低迷」を示している〉〈「延期」ではなく「デフレ脱却まで凍結」すべし!〉〈消費税は消費の「罰金」である〉……など、いずれもまっとうな指摘ばかり。訴えているのはブランシャール氏と同様、今のタイミングで消費増税を実施すれば、日本経済は未曽有の混乱と大不況を招くという強い危機感だ。筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言う。 「消費増税のタイミングとしては最悪でしょう。国内外の景気低迷に加え、『老後2000万円問題』で国民の老後を保障しない、という国の姿勢が鮮明になったからです。消費税だけではなく、すでに年金保険料や住民税、固定資産税などの負担増もあり、一般的な感覚として『もう無駄遣いはやめよう』と考えるのが当然。増税後の消費意欲はガクンと落ちるでしょう。落ち込みの影響は2年以上、続くかもしれず、世界経済に与える影響も懸念されます」 与党が過半数を割れば自民党内で安倍降ろし 「審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか決めていただきたい」 参院選で消費増税が注目されるのを避けたいと焦ったのか、安倍は争点をズラそうと改憲審議をブチ上げているが、野党が繰り返し求めている予算委審議を拒否し続けているのは他ならぬ安倍政権だ。しかも、安保法、共謀罪、特定秘密保護法など現行憲法を踏みにじり、数の力で強行成立させてきた男である。審議入りすれば、その先の数の横暴が透けて見える。もともと、熟議とは程遠い政権なのである。改憲を増税の隠れ蓑にするなんて、許されないことだ。 いずれにしても、国内外の専門家・識者が指摘している通り、今の日本経済は消費増税すれば最悪の展開に陥る。 野党はシメシメで、期せずして「消費増税中止」でまとまった。これで参院選はがぜん、面白くなってきたのである。 いくら安倍政権が予防線を張って参院選の勝敗ラインを下げても、20議席以上減らせば間違いなく、責任問題に火がつくだろう。政治評論家の本澤二郎氏がこう言った。 「増税延期で衆参同日選をもくろんでいた安倍政権は、独自調査の結果から参院選単独に切り替えましたが、『老後2000万円問題』は誤算だったでしょう。少なくとも、今のように与党批判が高まる中で10%増税を強行したくはなかったはず。安倍首相も『墓穴を掘った』と焦っているのではないか。参院選前に10%増税の是非を問う声がさらに強まり、野党結集で与党が大負けすれば、自民党内で安倍降ろしの動きが出てきても不思議ではありません」 余裕シャクシャクだった安倍政権が一気に、追い込まれ解散に至るかもしれない。
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2019/06/24 日刊ゲンダイ 文字起こし 消費増税は今の景気悪化をダメ押しするだけ(C)日刊ゲンダイ 政府が21日に臨時閣議を開いて決定した、今年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」。少子化対策や社会保障に対する安定的な財源を確保するとして、10月に消費税率を現行の8%から10%に引き上げることを明記した。 安倍首相は28〜29日に大阪市で開かれるG20(主要20カ国・地域首脳会議)でも消費増税を国際公約にする考えで、今夏の参院選でも「消費増税」が大きな選挙争点になるのは確実な情勢となった。 「経済再生最優先の基本方針を揺らぐことなく堅持し、経済の回復基調を持続させ、経済財政運営に万全を期していく」 臨時閣議前の経済財政諮問会議と未来投資会議の合同会議で、安倍はこう言っていたが、いい度胸だ。野党は増税反対で一致団結しているし、この経済情勢下で増税を断行したらどうなるのか。まともなエコノミストはみんな反対しているのである。 実際、過去に消費増税した際のGDP(実質国内総生産)の成長率を振り返ると、景気の減速は明白だ。税率が5%になった1997年度は前年度比0%で、翌年度は0.9%減。8%に引き上げた2014年度は、政府が景気の下振れリスクを支えるために5兆円規模の経済対策を講じたにもかかわらず、0.4%減で5年ぶりのマイナスとなった。それでなくても、今の日本経済はアベノミクスのバケの皮が剥がれ始め、足元がグラつき始めている。 政府の月例経済報告は「緩やかに回復」との見方を示しているが、内閣府が5月に発表した景気動向指数の基調判断は6年2カ月ぶりの「悪化」だ。 米中貿易戦争の行方や、英国の離脱で揺れ動くEU(欧州)経済の先行きも不透明で、こんな最悪のタイミングで消費増税に踏み切れば「弱り目にたたり目」になるのは火を見るよりも明らかだ。 消費増税は今の景気悪化をダメ押しするだけ 消費増税をゴマカすかのごとく打ち出された「骨太の方針」も言葉遊びみたいなものだ。こういうものを出さなければゴマかせない厳しさが却って浮き彫りになってくるようだ。曰く〈30歳代半ばから40歳代半ばの就職氷河期世代の正規雇用者を3年間で30万人増やす〉〈全国平均の最低賃金をより早期に1000円にする〉。実現性よりも「やっているフリ感」。これが国民ダマシの悪辣政権の常套手段とはいえ、一体どこが「骨太」なのか、と言いたくなる。 景気はじわじわと悪化し、目を引く有効な経済政策もナシ。 そんな状況にもかかわらず、自民党は参院選の争点に「消費増税」を掲げたのである。 その背景は、おそらく、3度目の増税延期に踏み切れば、6年半に及ぶアベノミクスの「完全破綻」がバレて世論の批判が高まるのを恐れたのだろう。だから、増税強行を決めて、ポイント還元など付け焼刃の“対処療法”でごまかすことにしたのである。 景気を冷え込ませるのは自明なのに、「増税」に踏み切らざるを得ないチグハグな姿勢は、参院選の勝敗ラインを必死に下げている様子からも透けて見える。安倍は22日に出演したネット番組で、参院選の勝敗ラインについて「自民、公明の与党で過半数を確保すること」と言っていたが、発言が改選議席を指すのであれば過半数は63。一方、改選後を指すのであれば、過半数は53でハードルはグンと下がる。自民の萩生田幹事長代行は「改選議席の過半数」などと取り繕っていたが、何がホントか分かりゃしない。いずれにしてもハッキリしているのは消費増税でぼろ負けの予防線を張り巡らしているということだ。埼玉学園大の相澤幸悦教授(金融論)がこう言う。 「実質賃金は増えず、国内外の経済が好調とは言えない中で増税すれば景気悪化をダメ押しするだけ。今は官製相場で辛うじて支えられている株価だって急落する可能性があると思います。増税分を充てるかのように公表された『骨太の方針』は掛け声だけの努力目標に過ぎず、景気刺激策になるとは思えません」 「野党は増税NO!」/(C)日刊ゲンダイ
〈消費増税を実施すれば不況になるかもしれない一方、債務残高の国内総生産(GDP)に対する比率は大して改善しない。日本銀行の金融政策ももう使えない〉〈私なら期限を定めず延期して、『引き上げられる時期が来たら直ちに引き上げると言うだろう』〉 21日付の朝日新聞のインタビューで、安倍政権が予定する10月の消費増税に強い反対を示したのがIMF(国際通貨基金)のチーフエコノミストだったオリビエ・ブランシャール氏だ。 IMFは今でも日本の消費増税を支持し、延期に反対の立場だ。「古巣」とはいえ、IMFの出身であるマクロ経済学の大家が、日本の消費増税に異論を唱えるのは極めて異例と言っていい。裏を返せば、それだけ安倍政権が強行しようとしている今度の消費増税はとんでもないということだ。 元内閣官房参与の藤井聡・京大大学院教授も本紙デジタル版で〈消費税を凍結・減税すべし〉と題したコラムを連載。〈消費増税で「世界中の嗤い者」になるニッポン〉〈「老後2000万円必要」だったら、消費「減」税せよ!〉〈GDP速報値は「激しい経済低迷」を示している〉〈「延期」ではなく「デフレ脱却まで凍結」すべし!〉〈消費税は消費の「罰金」である〉……など、いずれもまっとうな指摘ばかり。訴えているのはブランシャール氏と同様、今のタイミングで消費増税を実施すれば、日本経済は未曽有の混乱と大不況を招くという強い危機感だ。筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)がこう言う。 「消費増税のタイミングとしては最悪でしょう。国内外の景気低迷に加え、『老後2000万円問題』で国民の老後を保障しない、という国の姿勢が鮮明になったからです。消費税だけではなく、すでに年金保険料や住民税、固定資産税などの負担増もあり、一般的な感覚として『もう無駄遣いはやめよう』と考えるのが当然。増税後の消費意欲はガクンと落ちるでしょう。落ち込みの影響は2年以上、続くかもしれず、世界経済に与える影響も懸念されます」 与党が過半数を割れば自民党内で安倍降ろし 「審議すらしない政党を選ぶのか、審議をする政党を選ぶのか決めていただきたい」 参院選で消費増税が注目されるのを避けたいと焦ったのか、安倍は争点をズラそうと改憲審議をブチ上げているが、野党が繰り返し求めている予算委審議を拒否し続けているのは他ならぬ安倍政権だ。しかも、安保法、共謀罪、特定秘密保護法など現行憲法を踏みにじり、数の力で強行成立させてきた男である。審議入りすれば、その先の数の横暴が透けて見える。もともと、熟議とは程遠い政権なのである。改憲を増税の隠れ蓑にするなんて、許されないことだ。 いずれにしても、国内外の専門家・識者が指摘している通り、今の日本経済は消費増税すれば最悪の展開に陥る。 野党はシメシメで、期せずして「消費増税中止」でまとまった。これで参院選はがぜん、面白くなってきたのである。 いくら安倍政権が予防線を張って参院選の勝敗ラインを下げても、20議席以上減らせば間違いなく、責任問題に火がつくだろう。政治評論家の本澤二郎氏がこう言った。 「増税延期で衆参同日選をもくろんでいた安倍政権は、独自調査の結果から参院選単独に切り替えましたが、『老後2000万円問題』は誤算だったでしょう。少なくとも、今のように与党批判が高まる中で10%増税を強行したくはなかったはず。安倍首相も『墓穴を掘った』と焦っているのではないか。参院選前に10%増税の是非を問う声がさらに強まり、野党結集で与党が大負けすれば、自民党内で安倍降ろしの動きが出てきても不思議ではありません」 余裕シャクシャクだった安倍政権が一気に、追い込まれ解散に至るかもしれない。
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