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横浜にカジノ不要 藤木幸夫氏が危惧する「戦前に似た空気」 注目の人 直撃インタビュー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/256049
2019/06/17 日刊ゲンダイ 横浜港ハーバーリゾート協会会長の藤木幸夫氏(C)日刊ゲンダイ ミナト横浜の象徴的存在でもある荷役会社を経営し、横浜や日本、世界を半世紀を優に超えて見つめてきた。5月15日に荷役会社や倉庫会社などミナトで働く企業が参加した一般社団法人「横浜港ハーバーリゾート協会」が設立されて会長に就任。協会には横浜港運協会会員の全244社が参加した。会の趣旨は横浜港の再開発とは観光施設をつくることであり、カジノ誘致・建設ではないということ。ミナト横浜のキーパーソンが、なぜカジノに反対なのか――。 ◇ ◇ ◇ ――5月15日の記者会見にはマスコミが殺到しましたが、藤木さんの言いたいことは十分、世間に伝わったと思いますか。 言いたいことは言えてないからね。横浜は今年開港160年でおめでとうと言われるのですが、そういう表面的なものだけではないんです。 ――と言いますと。 1週間前、港湾の160年慰霊祭に出席してきました。大正、昭和の時代にはクーリー(苦力=昔のアジア系出稼ぎ労働者)みたいな港湾労働者がたくさんいました。食べたいものは食べられず、言いたいことも言えない時代が続きました。港湾は産業の業種としても取り扱ってもらえず。オヤジ(創業者の藤木幸太郎)たちの苦労を今に伝えたいが、目の前にはそれは存在せず、なんです。 中央官庁の官僚が「港はどうですか」なんて言うのですがね、私は港湾労働者は米国における黒人問題のように思ってきたんです。経団連や日経連には到底ミナトはわからんですよ。これは港湾産業に限った話ではありませんがね。 ――ハマっ子でも、知ろうと思わないと知ることはない歴史でしょうね。 人件費はコストだという言い方をするでしょう。人はコストなのだと。日本人1人分の給料で中国人を25人雇えるから中国に移転するとか、いまは15人分になってしまったとか、私のところに来る経営者はそんな話ばかりをします。平気で海外に移す。日本はものづくりの国で日本でつくって、海外に輸出してということではないか。ゴーンを呼んでクビを切って。なにが経団連だ、日経連だ。いまや海運国日本どころではない。荷物のない国になってしまいました。 ――いまの日本の空気が戦前と似ているとも発言されていますね。 昭和14年の頃の空気に似ています。私が小学校4年のとき、パーマネント屋は潰れ、おふくろは指輪を金属供出した。県内の新聞社は1社に統制されていった。健康診断に行くといつも私はタンパク質が足りないって結果が出るんです。だからその前に肉とかウナギとか食べるんだけど、いつも同じ。育ち盛りの13歳から15歳の間が戦争中で食べていないからですよって医者はあっさり言うんですよ。私は爆弾が落ちてくる日本を知っているから、戦争は絶対反対なんだ。 ――「カジノに反対しているのは俺だけだ」と強調されていましたが、その意図は。 まさに私だけが反対しているという意味。もう88歳だし、崖が見えているから。私だけでいいんだ。 未来図も出来上がっている(協会が提案するハーバーリゾートのプラン) 提供/港湾協会
――あらためてカジノに反対する理由は。 ギャンブル依存症です。カジノは副作用が多い。私はかつて菅さん(内閣官房長官)にカジノをやると言ったんですが、あまりに無知でした。ギャンブルは脳が欲するからなかなか治らないんです。横浜には日本水上学園という施設があるんです。以前の港は大きな貨物船が沖に泊まって、そこにぽんぽん船に引っ張られた「はしけ船」が荷物を取りに行っていました。 ――かつては元町脇の川に平べったいはしけ船をたくさん見かけました。 はしけは横浜港だけでなく木更津とか浦安とか東京湾内の港にも荷物を積んで行くから、何日も帰ってこないんです。そうすると住居も兼ねる「はしけ」で暮らす子どもは学校に通えない。そこで水上学園という施設が子どもを受け入れて学校に通えるようにしたんです。いまはこの水上学園は一般的な児童養護施設になっていますが、話を聞くと学園に預けられる子どもたちの母親が朝から晩までパチンコにはまっていたりするわけです。 ――ギャンブルにはまって子どもの面倒を見られなくなってしまっていた。 私はエフエム横浜も経営しているんだけど、消費者金融のCMは流さないようにしてきたんです。何回もCMが流れたらお金を借りる人が出てきちゃうんだから。 ――ギャンブルとサラ金は親和性がありますね。 私は竹下登さんの後援会長をやっていたんですが、竹さんが総理を辞めたときに後援会も解散して、その貯金をどうするかとなったんです。竹さんもカネはいらないと言うし、後援会に寄付してくれた社長連中も藤木さんが使ってくれと言うので、児童養護施設に全部寄付したんです。横浜市も予算が足りないんです。 それであるとき、子どもたちのためにチャリティーショーをやることにしたら、勝新太郎もそれならやるよって出てくれて、ホテルもそれならばと会場と料理を無料にしてくれた。チケットの印刷代しかかからなかったな。子どもたちがいつ行っても散髪できるように知り合いの散髪屋にも言ってあるんです。そうするといつもきれいでいられるでしょう。
――安倍政権はなぜカジノを推進していると思いますか。 世界の3大カジノ業者にラスベガス・サンズ、MGM、シーザーズがあります。サンズのアデルソン社長はトランプ大統領に莫大な献金をしています。そのトランプ大統領に安倍首相が頼まれたんでしょう。 横浜は30年前にベイブリッジがかかって、外の港と内の港ができたんです。海外では内の港は観光地になっているんです。私はそのインナーハーバー(内の港)を、スイスのツェルマットのような、みんなで協力して支えるハーバーリゾートにしたいと考えているんです。カジノではない。 ――カジノ的な資本主義についても批判的ですね。 オヤジがいつも言っていました。「金を稼ぐということは汗をかくことだ。それが世の中のために働くことだ。汗をかいて人が喜ばないようなことはやらないほうがいい」ってね。 カジノはどうなんでしょう。右から左にカネを動かして。その金で豪華なシャンデリアの下でシャンパン飲んでなんて。そんな新自由主義はよくないでしょう。日本人は基本的に二宮金次郎。それが日本人に合う資本主義なんだと私は思っているんです。 ――今年4月の統一地方選挙ではこれまで応援してきた自民党の議員を応援しませんでしたが、7月の参議院選挙でも応援をしない予定ですか。 しません。市議や県議は市民や県民の代表としてバッジを着けているはずでしょう。横浜の調査では8割の市民がカジノ反対だと言っているのに、いくじがないよね。菅さんの秘書が5人も6人も横浜で市議会議員をやっているけれど、市民の意見を聞いて上に上げるという民主主義の基本を怠るようになってしまった。 ――横浜市は港湾地区を観光向けのハーバーリゾートとして再開発しようと検討していたところ、中央から、「いやIR(カジノ)だ」となり、その後、林文子市長は態度を明確にしなくなりました。 林市長は「立場があって、しがらみがある」って正直に言っていますね。先日も林市長を囲んだ1000人規模の支援する会があったんですが、私は行きませんでした。私が行ったら「藤木さん、話してくれ」って言われるから。話しだしたら何を言うかわからないからね。私だってわからないんだから(笑い)。行かないほうがいいんですよ。 ――その会を港湾関係者約200人が欠席したとか。 そうですか(笑い)。ミナトの仲間は一丸となっているので、私が行かないと誰も行かない。カジノは最後は住民投票で決めるのが筋です。それで反対となったら菅さんも安倍さんもカジノをやるとは言えないでしょう。主権は国民にあるって日本の憲法にも書いているんだから。平ったい話ですよ。 (聞き手=平井康嗣/日刊ゲンダイ) ▽ふじき・ゆきお 1930年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学政経学部卒。1923年に創業された藤木企業取締役会長。横浜港運協会会長。横浜エフエム放送代表取締役社長。
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