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2019年6月15日 朝刊
金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループ(WG)が今月三日公表した報告書「高齢社会における資産形成・管理」。そこで示された「老後に二千万円の蓄えが必要」との試算は、どうはじき出されたのか。
根拠となったのは、総務省の二〇一七年家計調査にある夫六十五歳以上、妻六十歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均的な収支。提示したのは公的年金制度を所管する厚生労働省だ。
厚労省は、年金など社会保障給付が中心の収入と、食料、住居、医療などへの支出に月約五万五千円の差額があることをWGに資料で示した。報告書はこの差額を「赤字」とみなした。一年で六十六万円、三十年なら千九百八十万円になる。この単純なかけ算を基に、老後に預貯金などの金融資産が二千万円程度必要になると導き出した。
必要な蓄えは、これだけでは済まない。報告書は、介護が必要になった場合などの費用の平均額を「二千万円」の試算に含めなかったと明記している。
報告書の参考資料では、高齢者が要介護になった場合の費用が最大一千万円と紹介。ほかにも住宅のバリアフリー化などに伴うリフォーム費用は約四百六十五万円、亡くなった時の葬儀費用は約百九十五万七千円と見積もっている。(下図参照)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201906/images/PK2019061502100074_size0.jpg
四月のWGの議論でも、民間委員から、年金給付水準の将来的な低下を踏まえると「月々の赤字は十万円ぐらいになるのではないか」との見方が出ていた。
報告書をきっかけに、老後の生活資金不足と年金制度への不安が表面化した。国民の関心は一気に高まる中、政府は正面からの議論を避けている。
安倍晋三首相は二千万円の試算を「不正確であり、誤解を与えるものだった」と主張。麻生太郎副総理兼金融担当相は、報告書の受け取りを拒否した。「これまでの政府の政策スタンスと異なる」とする。だが、そもそも月約五万五千円の差額は、厚労省が以前から示していた。麻生氏の説明とは矛盾する。
法政大の小黒一正教授(公共経済学)は「報告書で示された問題意識に誤りはない。政府は、厳しい現実を直視した上で、今後の社会保障制度をどう設計していくかを議論すべきだ」と指摘する。 (中根政人)
◇
「老後二千万円」を盛り込んだ報告書を、安倍政権は参院選に不利な材料として、存在すらしないものにしようと躍起だ。政権によって消された報告書が投げかけたものは何なのか。三回連載で読み解く。報告書の全文は金融庁ホームページに掲載されている。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201906/CK2019061502000160.html
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