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「空間識失調」の自覚なければ“パニック・ボタン”は無意味 最新鋭機F35Aはなぜ墜落したのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/256129
2019/06/15 日刊ゲンダイ 調査結果公表は事故から2ヶ月後(C)共同通信社 航空自衛隊が公表した事故機の航跡概要図によれば、管制官が三沢基地に近づく米軍機との距離をあけるため、降下するよう指示した際の高度は約9600メートル。細見彰里3等空佐操縦のF35A戦闘機は、約20秒後にはなんと4700メートルにまで急降下し、時速900キロに加速している。 さらにここで管制官から左旋回を指示された事故機は、「knock it off」(訓練中止)を告げて旋回降下を深め、その約15秒後に時速1100キロという音速に近い速度で海面に激突している。 「F15戦闘機のマニュアルを参考にすると、訓練中止を告げた高度から6Gで引き起こせば助かったはずだが、彼は減速もしていない。米軍機の回避は急ぐ必要がない。細見3佐の操縦は考えられない動き」(元同僚) こうしたことから、推定事故原因として用いられたのが、「空間識失調」(バーティゴ)という一般には耳慣れない言葉だ。特に機動の激しい戦闘機パイロットにとって忌むべき航空生理現象である。 自力で空を飛べない人間の三半規管は大ざっぱで、平衡感覚や加速度の多くを風景の変化で検知する。視界の利かない雲中や夜間飛行でバーティゴに陥れば、天地の向きや上昇降下の違いなど容易に錯覚するのだ。それは飛行経験豊富な操縦士でも変わらない。しかもほとんどそれと気づかずに墜落するから、何のメッセージも残さない。 これまで世界各国で多くのパイロットの命を奪ってきたバーティゴは、「原因不明」の代名詞ともいわれている。 「もしバーティゴに気づいたら、自分の感覚よりも計器を信じることが重要だが、孤独な戦闘機乗りは、とかく機械を疑ってしまう」(元戦闘機パイロット) 実はF35Aには、緊急時を想定した対策が施されている。右手操縦桿の前に「オート・ピッチ・リカバリー」というスイッチがあり、これを作動させれば自動的に水平飛行に戻る。操縦士たちはこれを「パニック・ボタン」と呼んでいるが、バーティゴに気づかなければ役に立たない。 記録に残る細見3佐の声音は終始落ちついていたという。つまり、バーティゴに気づかずに操縦していたと推測しなければ理解できないほど、不可解な飛行なのだ。 今回の事故の一報を聞いて、航空関係者であればバーティゴを疑うのは当然だが、「針の穴をくぐって襲う」のが航空事故である。他の要因も考えてみたい。 (つづく) 武田ョ政 ノンフィクション作家 1958年、浜松市生まれ。専門月刊誌「航空ジャーナル」を経て、88年にフリー。オウム真理教による坂本弁護士一家殺害事件の全容をスクープ。大相撲の八百長告発記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞」受賞。新著「真・輪島伝 番外の人」を28日に上梓。
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