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「資産寿命」の指針案 金融庁の議論に乗ったらババを引く 金子勝の「天下の逆襲」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255858
2019/06/12 日刊ゲンダイ 「老後2000万円」の金融庁報告書について、立憲民主党の蓮舫氏(右端)の質問に答弁する安倍首相/(C)共同通信社 人生100年時代に向け、金融庁がまとめた「資産寿命」の指針案がヒンシュクを買っている。指針案によれば、年金だけが収入の無職高齢夫妻(夫65歳以上、妻60歳以上)だと、家計収支は平均で月約5万円の赤字となり、蓄えを取り崩しながら20〜30年生きた場合、1300万〜2000万円が必要になる。 ところが、日銀の金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査」(17年=2人以上世帯)によると、20〜70代の全世帯で3割前後が貯蓄ゼロだ。貯金額の中央値は50代400万円、60代601万円、70代600万円。平均値は50代1113万円、60代1411万円、70代1768万円だった。中央値と平均値で700万円超の乖離がある。つまり、一部の富裕層が多額の貯金を持つ一方で、半数以上の人が大した貯蓄がない。しかも株式や不動産を保有しない人は、マイナス金利下で貯蓄を目減りさせている。 年金で生活するのは無理だから資産運用して金融所得を得ろというのは、自己責任論の最たるものだが、金融庁の指針案は日本の格差社会の深刻さをまったく見ていない。 官製相場といわれるように、日銀のETF保有率が75%に達し、株価を維持してきた。だが、タリフマン(関税男)のトランプ米大統領によって世界経済は分断され、その煽りで株価は下落している。TOPIXが1350ポイント、日経平均株価が1万8000円を割り込むと、日銀の持ち分は赤字になる。だから、庶民に投資信託の運用を勧めているのか。虎の子をはたいて、庶民が株価を買い支えよと言っているようなものだ。自らの政策の失敗を国民に押し付けようとしているのか。 米中貿易戦争の煽りを受けて、昨年の国内公募の追加型株式投信(ETF、DC専用、ラップ専用、設定後1年未満を除く)の中で、純資産総額(残高)が100億円以上の735本のうち、プラスリターンを確保したのはわずか50本だったという。高額の株式投信はほとんど赤字なのだ。 金融庁のいい加減な議論に乗っかったら、ババを引かされ、ツケを負わされるのは目に見えている。騙されてはいけない。 金子勝 慶応義塾大学経済学部教授 1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。
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