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ネトウヨブログを信じた読者は多額の賠償責任を負うはめに 高齢者はなぜネトウヨにはまるのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255528
2019/06/07 日刊ゲンダイ 街宣活動する「在日特権を許さない市民の会」(奥)に抗議する地域住民(C)共同通信社 ネトウヨブログ「余命三年時事日記」にあおられ大量懲戒請求を行った読者と不当な請求をされた弁護士の間で、法廷バトルが繰り広げられている。 懲戒請求された弁護士の数は160人前後だといわれているが、正確な数字は明らかでない。弁護士の多くが懲戒請求されること自体を不名誉だと考えるからだ。 そんな中、7人の弁護士がブログ読者(懲戒請求者)の提訴に立ち上がった。懲戒請求の理由が必ずしも一緒でないことから、提訴の内容もそれぞれ違う。だが、ブログ読者たちの懲戒請求が「不当」であるという主張では一致している。 佐々木亮弁護士は2017年6月に最初に懲戒請求された10人のうちの1人だ。SNSで自分にねぎらいの言葉をかけた嶋ア量弁護士、北周士弁護士まで懲戒請求されたことで提訴に踏み切った。理由はこうだ。 「ネット上の少数者(この場合は弁護士)に対する大量の悪意に対して、しっかり対抗することが同様の行為の防止につながると考えました」 嶋ア、北の両弁護士も提訴に加わった。 ブログ主が執拗に攻撃しているのが在日コリアン。在日コリアン弁護士協会の会員も複数が懲戒請求されているが、提訴したのは金竜介、金哲敏両弁護士の2人だった。金竜介弁護士は「『金』という名前だけで懲戒請求された。民族差別なのは明白です」と憤る。 神原元弁護士は日ごろからヘイトや差別と闘っている。ブログ主にとっては不倶戴天の敵といえる存在だ。 小倉秀夫弁護士は「ブログ主の見解に対して批判したら、あおられて懲戒請求された」という。小倉弁護士の裁判の過程ではブログ主の開示請求が認められた。ブログ主の正体が暴かれる日が近いかもしれない。 6月3日現在、複数の判決が出ているが、いずれも弁護士側が勝訴している。初の確定判決は4月19日、金弁護士らの裁判で被告に55万円の損害賠償を命じたものだ。期限までに被告は控訴しなかった。なぜ、控訴しなかったのかはわかっていない。彼らの中にも「ほころび」が出だしているのかもしれない。 ブログを信じて、正義のためだと思い込んだ結果、読者は多額の賠償責任を負うことになった。それでも、まだ目が覚めない人は大勢いる。 昨年10月には懲戒請求者712人が神原弁護士に対して約7億2000万円の支払いを求める訴訟を起こした。神原弁護士が請求者に送った慰謝料を求める通知書が“脅迫”にあたるという、荒唐無稽な理屈だった。 これに対して神原弁護士らは今年4月、約3億6700万円の支払いを求めて反訴している。 それだけではない。実は他の弁護士たちにも懲戒請求者らから“反撃”の訴状が届き始めている。ネトウヨブログをめぐる法廷バトルは複雑な様相を呈してきた。 三宅雪子 ルポライター 1965年3月5日、米国ワシントン生まれ。玉川学園女子短期大学、共立女子大学を卒業後、民放テレビ局に21年間勤務。元衆議院議員。 父は三宅和助元シンガポール大使、祖父は石田博英元官房長官。著書に「福祉と私 〜『支えあう社会』を国政の場から〜」
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