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メディアが煽る同情論 「子殺し」元農水次官報道に違和感
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/255504
2019/06/06 日刊ゲンダイ 文字起こし 「腹をくくった立派な人」扱い(熊沢容疑者)(C)共同通信社 「川崎市の児童殺傷事件が頭に浮かんだ。(長男が)他人に危害を加えてはいけないと思った」――。次官まで上り詰めた元エリート官僚の供述にメディアからも同情の声が上がっている。 元農水事務次官の熊沢英昭容疑者(76)が無職の長男(44)を刺殺した事件。1日、家庭内暴力を振るう引きこもりの長男が自宅隣の小学校の運動会の音に立腹し、「うるせえな。ぶっ殺すぞ」と騒ぐ姿を見て、熊沢は児童らに危害を加えるのではないかと恐怖に襲われたと供述している。 その後、台所にあった包丁で長男の首や胸など数十カ所を刺し、自ら110番通報。わが子を自ら手にかけるつらさと、わが子を殺人犯にしてしまう重さ――。体に複数のアザが残るほど日頃から暴力を受け、心身ともに限界を感じ、追い詰められた末に迫られた“究極の選択”だったのか。 供述内容を知れば知るほど、いかにも日本的な責任の取り方は確かに気の毒に思えるが、問題なのは、この事件を扱うメディアの報道姿勢だ。 事件直後から連日、「長男は中学時代から家庭内暴力をしていた」「身の危険を感じた」「刺さなければ、自分が殺されていた」などと元次官の供述内容がダダ漏れ。「体のアザ」も含め、警察のリークをタレ流しているのだろうが、その情報に同じ公に仕える立場の身びいきで“情状酌量”を求める意図があろうと、お構いなしだ。 わざわざ部下だった農水省の元幹部らに熊沢の人柄を聞き出し、「義理人情型で気さくな人柄」などと“いい人”エピソードを伝える。きのう(5日)の毎日新聞は農水省OBの減刑嘆願の動きについて、「熊沢さんに『そんなことをしてくれるな。俺は自分で覚悟を決めてやったんだ』と言われそうな気がする」と元部下の男性のコメントを載せていた。 引きこもり息子殺し肯定の誤ったメッセージ かなり、うがった見方をすれば「死人に口なし」で、熊沢の「川崎殺傷がよぎった」の供述だって、犯行の正当性を誇張する方便の可能性も捨てきれない。ところが、大新聞・TVはそんな疑念を挟もうとせず、息子殺しの正当な理由を強調するかのような報道ばかりがあふれている。法大名誉教授の須藤春夫氏(メディア論)が言う。 「この一件だけ犯罪者寄りの報道が目立つことには違和感を覚えます。最近の統計によると、日本の殺人事件の約5割は、親子間や夫婦間など親族のなかで起きています。殺人に至るには、それぞれの家庭内に複雑な事情があり、本来なら被害者側に立った報道も必要なのに、メディアは見向きもしません。元次官の息子殺しという興味を駆り立てる事件とはいえ、この特別扱いは異常です。地位も名もない人が手をかけても、これだけ大々的に報じたでしょうか。息子をあやめながら“思慮分別のある高級官僚だから”と、さも正しい判断のような報道はおかしい。 妙なエスタブリッシュ信仰すら感じます。中高年(40〜64歳)の引きこもりは全国に約61万人超。当然、それぞれに親がいます。引きこもりの要因には社会状況がもたらす影響が大きいのに、そこには言及せず、今回の息子殺しを肯定的に伝えれば、引きこもりの親たちに誤ったメッセージを送ることにもなりかねません」 肩を持つ気はサラサラないが…(C)日刊ゲンダイ
息子殺しの元次官の「腹をくくった立派な人」扱いとは対照的に、今や民放のワイドショーでも蛇蝎のごとく嫌われているのが、丸山穂高衆院議員(35)だ。 むろん、丸山の北方領土を「戦争で取り返す」発言には1ミリたりとも同情の余地はないし、弁明の機会を求めながら、その場をいざ与えられると「体調不良」を理由に逃げ出す厚顔無恥にはヘドが出る。 ただ、丸山発言を「単なるクズ議員」の個人的問題として矮小化するメディアの見識の狭さは、おかしい。 丸山はクズ議員に違いないが、この手のネトウヨまがいの議員は所属先だった日本維新の会や、安倍自民党にもゴロゴロいる。 この6年半、安倍政権は日本を「戦争のできる国」につくり変えることに邁進。集団的自衛権の行使容認や安保法制定などにより、米国の傭兵化を進め、平和憲法の「不戦の誓い」はないがしろ。北朝鮮の脅威を誇張し、尖閣諸島や竹島を巡る領土問題を騒ぎ立て、嫌中・嫌韓ムードをあおる議員が幅を利かせているのが、今の自民党だ。酒乱の丸山と違って皆、口に出さないだけ。領土のためなら「戦争も辞さず」というハレンチ議員は山ほどいる。 だからだろう、野党が丸山の議員辞職勧告決議案の提出に踏み切っても自民は当初、慎重姿勢だった。 「失言マニュアル」が配られるほど緩み切った党内から、いつ第2の丸山発言が飛び出しても不思議はないとの危機感からだが、潮目を変えたのは週刊誌が暴いた丸山の「おっぱい」発言だ。ついにはロシア人少女に抱きつき、キスしたことまで知れ渡ると自民は一転、野党と共同で「国会議員の資格なし」と糾弾する決議案を提出。“女性の敵”に情をかけたら、来月の参院選に悪影響を及ぼすという、さもしい判断である。 軽薄な扇情にに流される異様な世相 ジャーナリストの斎藤貴男氏はこう言った。 「自民と維新が同じ穴のムジナの丸山氏をスケープゴートにするのは、まず維新内で橋下徹前代表に逆らったという位置づけ。さらに丸山氏が言ったことをまさに安倍政権が実践しているからです。安倍首相は来日したトランプ米大統領と一緒に、事実上の空母化が予定された護衛艦『かが』に乗艦。日米首脳が揃って海自と米海軍の隊員に訓示したのは初めてで、国際社会に今後の米国の戦争には日本も参戦するぞと言わんばかり。参院選を控え、その意図を国内向けにはヒタ隠しにしたいのに、あからさまな『戦争』発言は目障りでしかない。だから『自分たちとは違う』と距離を置きたがるのです」 メディアにも丸山を叩きたがる理由がある。 「日刊ゲンダイの連載にも書きましたが、丸山氏は新聞の軽減税率適用に国会で異議を唱えた批判派の急先鋒。メディアにとっても面白くない人物なのです。大体、国会の閣僚席からヤジを飛ばす首相と、度重なる差別発言を吐く副総理を輩出し、およそ品性のカケラもない自民が『品位』を理由に丸山氏に『辞めろ』と迫るのはチャンチャラおかしい。『外交上の国益を損ねた』と言うのなら、麻生大臣の『ナチスに学べ』の大暴言の方が、よほど国際社会の信用を損ねています。その線引きの検証こそ、本来のメディアの役目です。杉田水脈衆院議員の『LGBT差別』の時も感じましたが、メディアは小物議員だけを叩いて、同じ思想の親分は野放し。軽減税率の適用をはじめ、権力に弱みを握られているとしか思えません」(斎藤貴男氏=前出) 与党とツルむ野党も野党だ。今回のような決議案は過半数で可決でき、多数派が少数派に乱用する危険性をはらむ。その気になれば、与党はいつでも野党議員に「ヤメロ」と迫れる。野党は“天にツバ”で、国会に無届けで不倫疑惑の相手とロス旅行に出かけた立憲民主党の山尾志桜里衆院議員なんて、格好のターゲットだろう。 「トランプ大統領来日のお祭り騒ぎの政治ショーが象徴的ですが、政治もメディアも『情』に流され、『理』は置き去り。英国で反トランプ国賓デモが起きても『あっちはあっち』で日本の愚かさに結び付けようとしません。国民も本質を伝えない扇情メディアに踊らされ、内閣支持率は上昇の一途。冷静な理性ではなく、一時的な感情論が支配する世論には危うさと怖さを感じます」(須藤春夫氏=前出) 軽薄な劣情に流される異様な世相の国は一体、どこに向かうのか。
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