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2019年 06月 05日
『安倍、北朝鮮への方針を変更。条件つけずに会談を希望。米ロ依存で実現目指すも、足元見られるかも』の関連記事を。
安倍首相は5月にはいってから、突然、北朝鮮に対する方針をころっと変更。
これまで、ミサイル実験を批判して制裁強化を唱えると共に、拉致問題に関しても全員の返還を要求するなど厳しい条件を設けていたのだが・・・。
5月以降は、ひたすら「金正恩委員長と条件をつけずに会いたい」と繰り返しアピールしていて。5月末に行ったトランプ大統領の来日時の共同会見でも、拉致問題解決のために、無条件で日朝会談を行うことに意欲を示していたし。(・・)
『拉致問題は「安倍内閣にとって最重要課題である」と強調し、「何よりも大切な拉致問題の解決に向け、私自身が金委員長と向き合わなければならないと決意しています。条件をつけずに会談をして、虚心坦懐に話をしたいと考えています」と述べた。(BuzzFeed Japan19年5月29日)』
これまで行って来た北朝鮮への批判も、あちこちから削除している。^^;
『自民党が夏の参院選で示す対北朝鮮政策の公約原案が判明した。北朝鮮の核・ミサイル問題について「米朝プロセスを後押しする」と記載した。2017年の衆院選公約に明記した「圧力を最大限に強化」「核・ミサイル開発の完全な放棄を迫る」といった表現を外す。安倍晋三首相は日本人拉致問題解決のため日朝首脳会談の無条件開催を呼び掛けており、環境整備へ向けて支援する狙いがある。関係者が31日、明らかにした。
公約は党政務調査会で策定作業を進めている。首相と調整し、党内手続きを経て、6月上旬にも決定の見通し。17年の衆院選公約は、北朝鮮情勢を「重大かつ差し迫った脅威」とした。(共同通信19年5月31日)』
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しかし、このような安倍官邸&自民党の姿勢に対して、北朝鮮の報道官が「前提条件のない首脳会談などとぬかす安倍一味は面の皮がクマの足の裏のように厚い」と強く批判するコメントを出して来たという。(゚Д゚)
『北朝鮮、安倍首相を「ずうずうしい」 日朝会談条件巡り
北朝鮮の朝鮮労働党の外郭組織、朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官は、前提条件なしでの日朝首脳会談をめざしている安倍晋三首相について「ずうずうしい」と名指しで批判した。朝鮮中央通信が2日付で伝えた。日本政府が国連安全保障理事会の制裁の徹底した履行を主張していることへの反発が背景にあるとみられる。
報道官は「まるで日本政府の方針を変えたように宣伝し執拗(しつよう)に平壌の門をたたいているが、(河野太郎外相が)『制裁強化』を高唱しているように、我が国への敵視政策は何も変わっていない」と批判。「過去の罪悪を清算して新たな歴史を記す決断を下すべきだ」と言及し、会談実現には歴史問題の清算が必要だと主張した。(朝日新聞19年6月3日)』
『北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会の報道官が「“前提条件のない首脳会談”についてあれこれ言っている安倍一味は、面の皮が熊の足の裏のように厚いようだ」と声明を出した。面の皮が熊の足の裏のように厚いとは、とてもずうずうしいという意味。
きっかけは、河野外務大臣の「正しい決断をすれば、制裁解きますよということを申し上げている。(制裁の)抜け道をキュッとしめて『さぁ、どうしますか?』と」との発言。報道官は「あたかも我々の生殺与奪の権利を握っているかのように振る舞った。島国の守銭奴のけちくさい見識と下品な俗物根性にうんざりしている」とも述べたという。(ANN19年6月3日)』
先日、『拉致解決が遅れたのは、安倍ら超保守派の強行姿勢も要因+自民からも不信感。弾道ミサイルの制裁はいかに』という記事にも書いたのだが。
安倍晋三氏は若手議員のころから、拉致議連の一員として、長い間、拉致問題に関わって来たのだが。幸か不幸か、拉致議連は北朝鮮を敵視する超保守派の議員によって構成されていたことから、北朝鮮との対話よりも、制裁強化による北風政策を重視する傾向にあった。
そのため、もし小泉政権で拉致被害者が5人帰って来た後、うまく北朝鮮との関係をつなげておけば、さらに被害者が帰国できる可能性があったかも知れないのに、それができず。結局、この17年、拉致問題に関しては、大きな進展がないまま終わっているのである。(-"-)
そのことに関して、昨年の記事ではあるのだが。拉致帰国者・蓮池薫氏の兄・透氏がこんなことを言っていた。<尚、透氏は今度、山本太郎氏が結成した「れいわ新撰組」から国政選挙に出馬する予定。>
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『拉致被害者家族、蓮池透さんに聞く 「最重要課題」一ミリも動かぬ安倍政権 政治家こそ「痛恨の極み」毎日新聞2018年1月17日 東京夕刊
この人たちは、どれだけ辛抱を強いられるのか。北朝鮮による拉致被害者と、その家族である。「拉致問題は最重要課題」と繰り返す安倍晋三首相の再登板から5年。2002年に解放された蓮池薫さん(60)の兄で、政権批判を続ける透さん(63)に聞いた。【吉井理記】
イヤミのつもりではないが、調べてしまった。
安倍首相はこの5年間、「拉致問題は、安倍内閣の最重要課題であります」といったたぐいのセリフを、国会で何回繰り返してきたか、を。その数、実に40の本会議・委員会で計54回である。1年に10回以上、こんな発言を量産してきた計算だ。
「安倍さんの好きな言い回しで言えば、決まり文句のように『最重要課題』と繰り返しながら、一ミリも動いていない。昨年9月には拉致問題の解決を訴える集会(「今年中に全拉致被害者の救出を!国民大集会」)で『拉致問題に最優先で取り組む』と言っておきながら、1週間後には衆院解散を表明したのが安倍さんです。動くはずもない」
待ち合わせたのは、東京都内の高層ホテルのバー。遠く、窓越しに東京スカイツリーのまばゆいイルミネーションが望めるが、蓮池さんの声は沈んでいた。
昨年12月には拉致被害者の増元るみ子さん(64)=拉致当時24歳=の母、信子さんが愛娘の帰還を見ずして90歳で亡くなり、薫さんとともに解放された曽我ひとみさん(58)の夫チャールズ・ジェンキンスさんも77歳で世を去った。
「お二人が亡くなった時、菅義偉官房長官は『痛恨の極み』と述べた。何を言っているんだ。5年もたって、いや、北朝鮮が拉致を認めてから15年が過ぎている。時間を空費して、風化させて『痛恨の極み』と言う政治家こそ『痛恨の極み』です」
昨年は、小泉純一郎首相(当時)が訪朝して北朝鮮が拉致を認めてから15年の「節目」ということで、報道の量は多少増えた、とみる。そして年が明け、16年の今年である。核・ミサイル開発を巡り、米国との緊張が続き、拉致問題は日々のニュースに埋もれがちだ。
薫さんや曽我さんら5人は帰還したが、今も帰らない政府認定の拉致被害者は12人。「家族に節目なんてない。毎日、待ち続けている。次の『節目』は20年とでもいうつもりですか? いいかげんにしてください」
圧力で北朝鮮は折れない
「最重要課題」と繰り返しながら、なぜ「一ミリも」解決に向かわないのか。「言うまでもなく、拉致問題の責任は北朝鮮にある。彼らの姿勢が最大の障害なのは当然だが、日本側のやり方も稚拙で、間違っています」
例えば、昨年のトランプ米大統領来日である。安倍首相ら日本側の働きかけで、トランプ氏と拉致被害者の横田めぐみさんの母、早紀江さんらの面会が実現した。「一部メディアは『米国が問題解決に動き出した』といったトーンで騒ぎましたが、考えてみてください。移民・難民ら少数者への排斥的・差別的発言を繰り返しているトランプ氏が、人権問題でもある拉致問題に、真剣に関わる気があるでしょうか。そもそも米国が関心を寄せる核・ミサイル問題はグローバルなテーマですが、拉致問題は日朝間のテーマです」
それなのに、日本政府は核・ミサイル問題と拉致問題をヒモ付けし、「包括的解決を目指す」立場を崩さない。安倍首相も「対話のための対話に意味はない」「必要なのは対話ではなく、圧力だ」(昨年9月20日、国連総会)と強調し、圧力一辺倒の路線を見直す兆しはない。
「実は、私は、河野洋平さんに謝りたいんですよ」
輝くスカイツリーを見やりながら、蓮池さんがぽつりと漏らした。蓮池さんら拉致被害者の家族が家族会を結成したのが1997年。99年に外相に就任した河野氏は00年、北朝鮮に50万トンのコメ支援を決定した。蓮池さんらは「北朝鮮を困窮させなければ問題は動かない」と猛反発し、一部の保守メディアや言論人も河野氏批判を繰り広げた。
「河野さんは『コメを与え、北朝鮮を対話のテーブルにつかせることが大事だ』という方針でした。今になって考えると、その通りだな、と」
コメ支援と並行して外務省が水面下で北朝鮮のキーパーソンと交渉を続け、小泉訪朝が実現したのは2年後だ。「日本が北朝鮮への経済制裁を始めたのは12年前です。何か動いたでしょうか。圧力で北朝鮮が折れる? 希望的観測もいいとこです」
拉致被害者を取り戻すためには、国のメンツや手段、まして希望的観測にとらわれている時間はもうない。
「例えば、繰り返し訪朝している参院議員のアントニオ猪木さんの『スポーツ外交』で対話のチャンネルを開く。北朝鮮も参加表明した平昌五輪は良い機会かもしれない。北朝鮮にパイプを持つ民間団体のネットワークを活用する。金正恩朝鮮労働党委員長と交流のある料理人・藤本健二さんの情報や人脈を生かす。小泉元首相ら訪朝経験のある政治家OBもいる。『一ミリ』でも動かすため、いろんな手があるはずです」
政府も外務省も、こうした動きを「二元外交」と批判するだけ、らしい。
読者は、首相が著書「新しい国へ」(13年)で、横田めぐみさんらを救えなかったのは、9条を持つ「現憲法のせい」という趣旨のことを記しているのをご存じだろうか。憲法で軍隊保持や徴兵制を定めてきた韓国では、いまだに数百人の拉致被害者が帰らないままであるにもかかわらず、である。蓮池さんの目には、首相が憲法改正といった政治目標を達成するため、北朝鮮の脅威をあおり、拉致問題を「政治利用」しているのではないか、と映っている。
弟の精神、今も自由じゃない
蓮池さんはインターネットなどで「売国奴」などとバッシングを浴びている。「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」(15年、講談社)というタイトルの著書で、首相らを厳しく批判した際、国会で「北朝鮮の工作活動の一端」(中山恭子氏、16年1月19日、参院予算委での発言)と名指しされた。「『お前のところは弟が解放されたからいいじゃないか』と言う人もいます。弟は、確かに身体は自由になりました。でもいまだに帰れない被害者の存在を背負って生きている。精神的には決して自由じゃないんだ」
穏やかだった蓮池さんの語気が、荒くなった。「本当に弟を自由にするには、拉致問題を解決する以外にない。そして北朝鮮にきちんと補償させたい。そうでなければ、弟の人生は、一体何なのか。圧力だけでは解決しない。だからこそ、私は発言し、行動するんです」
安倍首相はこう言い続けてきた。「家族が自身の手で肉親を抱き締める日まで、私の使命は終わりません」(昨年12月5日の衆院本会議など第2次政権以降で21回発言)。こんな決まり文句は、もういらない。
■人物略歴 はすいけ・とおる 1955年、新潟県生まれ。東京理科大卒。「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」(家族会)事務局長などを歴任。家族会とは対北圧力などを巡って意見が相違し、2010年に退会。著書に「奪還 引き裂かれた二十四年」「拉致と日本人」(共著)など。』
これを読むと、安倍首相が「無条件で何たら」と言い出したのを見て、つい「何を今更」と言いたくなるし。北朝鮮が「ずうずうしい」と言いたくなるのもわかるような気がするのだが。
拉致被害者を少しでも早く、ひとりでも多く救済して欲しいという思いが強いだけに、今度こそ、選挙向けの口先だけでなく、しっかり動いて欲しいと思うmewなのだった。(@@)
THANKS
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