http://www.asyura2.com/19/senkyo261/msg/408.html
Tweet |
国民も気づいた「空っぽ外交」 トランプ去って漂う虚無感
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254990
2019/05/30 日刊ゲンダイ 文字起こし 憮然とした表情(代表撮影) まるで「祭りのあと」のわびしさだ。トランプ米大統領夫妻への3泊4日「令和初の国賓」おもてなしが終わり、あの熱狂がつくづくアホらしくなってくる。 「世界のアオキ」を交えたゴルフ、“国技の伝統”をぶっ壊す升席ソファの大相撲観戦、外国首脳初の新天皇との会見と晩餐会……。ご機嫌伺いに思いつく限り、怒涛の接待フルコースで、安倍政権が得たのは日米貿易交渉「合意先送り」の「密約」だけ。それすら「国賓」に、すぐバラされるバカ丸出しだ。 首脳会談後の共同会見で安倍首相は、日米貿易交渉に関し「日米双方にとってウィンウィン(相互利益)となる合意を目指す」と一つ覚えのように繰り返した。なるほど、安倍はトランプ大統領への猛接待の末に4月に交わした“密約”を堅持、ある意味「ウィンウィン」を目指したのだろう。 4月26日にホワイトハウスで行われた日米首脳会談の冒頭、トランプは交渉の合意時期を「訪日までか、5月に訪日した時にサインするかも知れない」と記者団の前で明言。記者団の退席後、サシの会談になると、すぐに安倍は「日本では7月に選挙がある。それまで待ってほしい」「来年の大統領選前には形にするから安心してほしい」と泣きついたという。 この懇願にトランプも理解を示したようで、会談後は「急がなくていい。日本側にも事情がある」と前言撤回。一連のやりとりは、日経新聞などが既に報じている。トランプは次期大統領選をにらみ、岩盤支持層の「ファームベルト」(穀倉地帯)の票欲しさに農産物の関税引き下げを要求。対する安倍は夏の選挙前に農家票を失うわけにはいかず、農産物の関税問題に合意したくない。 「安倍首相の頭は、夏の選挙でいっぱいのはず。自民党内の調査で参院選単独では苦戦予想とされ、衆参同日選を仕掛ける上でも“トランプ砲”をまともに受ければ、とても選挙にならないとの危機感もあったでしょう。そこで首相は夏の選挙後の合意を持ちかけ、時間稼ぎ。大統領選が本格化する前にトランプ氏に実績を与える密約を交わしたのではないでしょうか」(経済評論家・斎藤満氏) 今回の共同会見で安倍が強調した「ウィンウィン」は、あくまで互いが「選挙に勝つ」という意味で、トランプに“密約の堅持”を示唆したのかもしれない。 天皇まで使って(代表撮影)
ところが、世界に冠たる“接待の国ニッポン”の「腹芸」や「あうんの呼吸」も、ビジネスライクなトランプには、まったく通用しなかった。 トランプは26日、接待ゴルフ後のクラブハウスで、米国産牛のダブルチーズバーガーにガブリついてから、両国国技館へ向かう途中、「日本との貿易交渉は大きく前進した。農産物と牛肉は特にそうだ。多くの成果は7月の選挙後まで待つ」とツイート。翌27日の日米首脳会談の冒頭では「8月には素晴らしいことが発表される」と踏み込んだ。 要するに、トランプは夏の選挙後の8月には日本が貿易交渉で大幅譲歩するという密約内容をにおわせたのだ。交渉を担当する茂木経済再生相は「期待感を述べたもの」と火消しに躍起だが、後の祭りの大マヌケだ。前出の斎藤満氏が言う。 「安倍首相はまさに“策士策に溺れる”。土俵に上げ、天皇に合わせ、下にも置かない歓待ぶりで『選挙までの平穏な時間』を買ったつもりが、アテ外れ。揚げ句に『TPPには縛られない』とまくし立てられる始末です。8月には農業分野でTPP水準を超える譲歩を求められるだけでなく、恐らく自動車分野でも厳しい合意内容を迫られます。トランプ氏は次の大統領選に敗れれば、ロシア疑惑などでいつ、お縄になってもおかしくない立場。勝つには強い大統領のイメージを保ち、強硬姿勢を支持者にアピールするしかない。日本への“口撃”も当然です。夏の選挙に向け、間もなく経済に計り知れない不利益を被ることが、白日の下にさらされた安倍政権のダメージは大きい。完全にトランプ氏の性格を見誤りました」 何でもカンでも政治利用した国民不在の自己満足 あれだけトランプに媚び、へつらい、国費を用いて接待漬けにし、米メディアに「おべっかの積み上げ」とコケにされた末、日本は大きな国益を損なうのだ。それでも民衆が怒らないのなら、これだけオメデタイ、無残な国は世界のどこを探しても、存在しないだろう。 蜜月をうたいながら、貸し借りが交錯する日米交渉の醜悪な駆け引き。大相撲観戦でみせたトランプの憮然とした表情からは、とても安倍首相と「揺るぎない絆」を築いているとは思えない。 トランプが去って残ったのは、安倍のすぐ見透かされてしまった自分勝手な浅はかな企み。虚無感すら漂う無意味な猿芝居だけである。 大体、心からのもてなしとは、相手に見返りを求めない無償の心によるものだ。安倍の下心ミエミエのトランプ歓待は「美しい国、日本」の伝統にも反している。 「安倍首相の歯の浮くようなゴマスリの原動力は、全て『夏の選挙に負けたくない』。日米交渉の合意を8月まで先送りしても国民には何ら利益はありません。あの見え透いた政治ショーの数々は、国民不在の政権の自己満足に過ぎなかったのです」(政治評論家・森田実氏) トランプフィーバーのあと露呈した「空っぽ」外交――。それを覆い隠すため、バカ騒ぎをあおったのが、男性局アナを非公式夕食会の炉端焼き屋の主人に扮装させたNHKを筆頭に、トランプのナマ実況に血道を上げたTV局だ。 熱狂のトランプ祭りが終われば、TV局はそれっきり。川崎市でいたいけな女子児童ら19人が死傷した通り魔事件もあいまって、熱狂の裏の安倍の悪だくみを検証する気などみじんもない。 令和初の国政選挙も波乱の展開に持ち込め そもそも、交渉開始で合意した昨年9月の日米共同声明では、TPPを念頭に「過去の経済連携の内容が最大限」とする立場を米国が尊重すると約束したはず。 トランプの「TPPに縛られない」発言は共同声明との整合性は取れない。 それなのに、枠組み無視のトランプ発言に、安倍政権は誰一人として抗議せず、ウヤムヤに。腫れ物に触るような対応にメディアも異論を挟まず、まるでなかったことのように、やり過ごすだけだ。前出の森田実氏はこう言った。 「メディアの臆病さと見識のなさには、本当に辟易させられます。政権を批判する勇気がなければメディアの存在意義はありませんが、さすがにトランプ騒動はやりすぎました。バカ騒ぎがかえって有権者の反感を買い、トランプ大統領に安倍首相が媚び、その首相にメディアと自民党が媚びるというオールゴマスリの負の連鎖を浮き彫りにした。いくらメディアがゴマカしても、有権者はトランプフィーバーの猿芝居をお見通しです。安倍首相の自民党総裁任期は残り2年4カ月。常識的に4選はあり得ないし、いくら『改憲だ』と叫んでも、今の状況を考慮すれば国民投票で否決されるのがオチ。冷静に考えれば、あと2年、自己満足のためだけに権力の座にしがみついているようなものです。安倍首相一人のために国民はこれ以上、振り回されてもいいのか。今こそ『おごれる者久しからず』の言葉を噛みしめるべきです」 令和初の大相撲は平幕の朝乃山が優勝。三役経験なしは58年ぶりの快挙だ。令和初のダービーも12番人気として53年ぶりにロジャーバローズが制した。4月1日の元号発表に始まった政権浮揚のネタもつきつつある今、令和初の国政選挙も有権者が波乱の展開に持ち込める望みはある。
|
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK261掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK261掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。