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地方自治にもジワリ 静かに進む安倍・菅ファシズムの浸透
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254492
2019/05/23 日刊ゲンダイ 文字起こし 「令和おじさん」発言で謝罪(黒岩知事=右)(C)共同通信社 「発言が波紋を呼んだことを深く反省している。誠意をもって謝罪したい」――いやはや、驚いた。自民党神奈川県連の参院選決起大会で「令和おじさん」などと発言した黒岩祐治知事が、謝罪に追い込まれた。 18日の大会で来賓として登壇した黒岩は「神奈川の自民党には次の総理候補が3人もいる」「『令和おじさん』と言われ急浮上した素晴らしい方がいる」と、衆院神奈川2区選出の菅官房長官に言及。「(衆院選の決起大会も)なくていいのか。『令和おじさん』に聞いた方がいい」と衆参同日選を連想させる発言も飛び出し、「令和おじさん」を連発したのだ。 この発言に県連がカミついた。20日の県連総務会では黒岩発言に反発する声が続出。「すべての党員が不快感を示した」と批判し、黒岩に抗議文を出すことを決めた。 県連幹事長の土井隆典県議は朝日新聞の取材に「(4月の知事選で支援を受けた)お礼を言いたいと出席を望み、あの発言。知事の立場で衆参同日選に触れ、お世話になった菅さんを『令和おじさん』と呼んだ」とカンカンだったが、なぜ、ここまで怒り心頭なのかサッパリ分からない。 菅を「令和おじさん」と呼ぶのが礼節に欠けるとの理屈も理解できない。新元号「令和」発表の会見以降、「令和おじさん」としてメディアの露出も増え、「ポスト安倍」の呼び声が高まったことに、菅本人はご満悦。16日の定例会見で「国会内で見学中の中高生らが菅を見かけると歓声を上げる」と記者に持ち上げられると、不気味な笑みを浮かべて「知名度は上がってきたのかな」とご機嫌だった。 なぜ「イチャモン」とハッキリ報じないのか 本人が「令和おじさん」と呼ばれて喜んでいるのに、世話になった知事がそう呼ぶのはまかりならんとは、どういう了見なのか。時の権力者をちゃかす発言は許さないというのなら、平家方の密偵を務めた「禿」やナチスの秘密警察「ゲシュタポ」を彷彿させる。 ま、そう非難したところで、無教養と反知性主義がはびこる自民党内には響かないのだろう。ヨイショのはずが、言いがかりに屈し、菅本人に「不愉快な思いをさせて申し訳ない」と電話で謝罪した黒岩も黒岩だ。県連の抗議に「おかしい」と疑問を挟まず、ただタレ流すだけのメディアもメディアである。 「黒岩知事の“おべんちゃら”もヒドイですが、それに怒る自民党県連もどうかしています。7年に迫ろうとする安倍1強政治の下、政界に限らず、安倍首相や政権への批判とみなす言動をした人を激しく非難する風潮が社会に広まっているとはいえ、『ここまで進んでいるのか』と驚愕します。メディアも“イチャモンだ”とハッキリ伝えないから、ますます『内向きの現状追認』が世相を覆うことになるのです」(元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏) 「片山隠し」で首相肝いり法案も断念(C)日刊ゲンダイ
「内向きの現状追認」が世相を覆っていることで、選挙民もすっかり飼いならされてしまった。 政権とメディアが改元に便乗し「新しい時代を迎えた」と祝賀ムードをあおれば、たちまち内閣支持率は上昇。野党が衆参両院の予算委員会の開催を求めても、与党が拒否して70日以上も“休眠中”と、なーんもしていない政権なのに、いま解散して衆参同日選に突入すれば安倍自民は圧勝とみられている。 与党が予算委を開かないのは、質疑を通じて首相や閣僚がボロを出すのを国民に見せたくないからだ。その上、口利き疑惑を抱える片山さつき地方創生相を審議から遠ざけるため、安倍肝いりの法案ながら、彼女が所管大臣だからという理由で「スーパーシティ」整備法案の今国会成立を断念。与野党対立法案もほぼ提出せず、野党の見せ場を奪って争点もない無風状態のまま、夏の参院選に突入するハラだ。 「おかげで国会が開かれていることすら気づいていない国民も多いのではないでしょうか。圧力から一転、無条件での首脳会談を目指す対北外交の方針転換など予算委で説明すべきテーマは山ほどあります。それなのに選挙を控えて首相を答弁に立たせるのはマズイとの判断で開催しないのは、国政の私物化です。それでもメディアの追及が緩いから、国民も政権の傲慢さに気付かず、支持率アップの悪循環です」(川崎泰資氏=前出) 野党が追及の場を失えば、政権の横暴やデタラメもなかったことになってしまう。統計不正問題も厚労省の組織的隠蔽や、首相官邸の意向が影響したかも不問にされたまま、幕引きもよう。モリカケ問題なんて、もはや死語の扱いだ。 モリカケ問題で安倍は「謙虚、丁寧、真摯」を挙げて、野党攻撃を封印したはずが、最近は「悪夢のような民主党政権」という表現を繰り返している。 「おかげで国会が開かれていることすら気づいていない国民も多いのではないでしょうか。圧力から一転、無条件での首脳会談を目指す対北外交の方針転換など予算委で説明すべきテーマは山ほどあります。それなのに選挙を控えて首相を答弁に立たせるのはマズイとの判断で開催しないのは、国政の私物化です。それでもメディアの追及が緩いから、国民も政権の傲慢さに気付かず、支持率アップの悪循環です」(川崎泰資氏=前出) 野党が追及の場を失えば、政権の横暴やデタラメもなかったことになってしまう。統計不正問題も厚労省の組織的隠蔽や、首相官邸の意向が影響したかも不問にされたまま、幕引きもよう。モリカケ問題なんて、もはや死語の扱いだ。 モリカケ問題で安倍は「謙虚、丁寧、真摯」を挙げて、野党攻撃を封印したはずが、最近は「悪夢のような民主党政権」という表現を繰り返している。 すっかり息を吹き返し、「こんな人たち」発言などの高慢な態度で支持率が急落したのも、忘却の彼方。“新時代”の祝賀ムードであらゆる不正もリセットだ。 批判者が表に出られず変革のエネルギーを封印 この週末に安倍は来日するトランプ米大統領を「世界の青木」とゴルフだ、升席にイスを置いて大相撲観戦だと“王様”扱いで、おもてなし。メディアは一挙手一投足を面白おかしく伝えるのだろう。それを国民は娯楽的に受け止め、政権の不正は忘れ去られていく。長嶋茂雄・松井秀喜両氏への国民栄誉賞ダブル受賞から延々続く“官製サーカス”に国民は浮かれ、アベノミクスで雇用創出という政権が振りまいた幻想をいまだ信じている人々も多い。 住民にパン(雇用)を与え、サーカス(娯楽)に熱中させれば、政治的関心は低くなり、統治しやすくなる――。2世紀前半、古代ローマ時代の風刺詩人・ユウェナリスが当時の皇帝たちを皮肉った「パンとサーカス」の政治が、21世紀の日本によみがえったかのようだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)がこう言う。 「沖縄県民投票を無視した辺野古新基地建設強行が象徴的ですが、安倍政権は『何を言ってもムダ』と国民に諦念を植えつけるのにたけています。政治的関心を失わせ、声を上げ続ける人々を少数派に追い込む。怒りの感情を制御する『アンガーマネジメント』がもてはやされる世相も相まって、鉄面皮の菅官房長官が努めて冷静に振る舞うことで、沖縄の人々をはじめ、感情的に政権を批判する方がおかしいという風潮すら、蔓延しています。それこそ政権与党の思うツボ。『批判しても何も変わらない』という虚無感が『どうせなら勝ち馬に乗ろう』という刹那主義を生み出し、内閣支持率の上昇や与党の参院選圧勝ムードを支えています。過去の独裁政権の多くは、民衆が抵抗してもムダと思わせることで樹立したことを忘れてはいけません」 慶大教授の片山杜秀氏(思想史)は本紙・注目の人直撃インタビューで「かなりファシズム的状況にある」と、今の日本に警鐘を鳴らしていた。個を原則的に認めない全体主義がファシズムなのではない。片山氏によると、ファシズムとは個を保障するかのような幻想を与えながら、権力によって民衆が「束ねられている」状態を指す。 菅を「令和おじさん」と呼ぶことすら許されないような風潮に、勝ち馬に乗りたがる刹那の民衆が「束になって」同調するようになったら、もうオシマイなのだ。 「今や安倍政権に対する批判者はマスコミに登場できないため、政権への不満の声は広がりに欠けます。この変革のエネルギーをメディアが封印している状況が、安倍政権の過大な評価につながっているのです。批判者がいない社会は極めて危ういですよ」(政治評論家・森田実氏) 今のままでは、静かに進むファシズムへのカウントダウンを止めることはできない。この惨状では参院選の結果は見えている。
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