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「大阪都構想」自公維が組む選挙冒涜とファシズムの前兆
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/254332
2019/05/21 日刊ゲンダイ 文字起こし 大坂を制圧″(左から、会見する大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長と政調会長の吉村洋文大阪府知事)/(C)共同通信社 大阪維新の会が政策の“一丁目一番地”に掲げる「大阪都構想」を巡る野合がかまびすしい。先月の入れ替えダブル選で大阪維新と対立し、惨敗した大阪の自民党と公明党が方針を百八十度転換。大阪維新にスリ寄り、都構想推進にあっさりと宗旨変えしたのだ。 より露骨なのが、衆院選の対抗馬擁立で脅されてきた公明だ。大阪維新と公明大阪本部は都構想の実現を前提に議論を進めることで基本合意。都構想の是非を問う住民投票の再実施に向けた協議を開始した。23日にも再協議し、最終合意に達すれば月内に共同記者会見で発表する見通しだという。ダブル選と同時実施の統一地方選で、大阪維新は大阪府議会(定数88)で過半数を占める51議席、大阪市議会(定数83)で40議席に躍進。公明が膝を折ったことで、維新は両議会の3分の2を超える勢力を手にしたも同然となる。大阪維新代表の松井一郎大阪市長は1年程度で制度案を取りまとめ、来年秋にも住民投票を実施したいと表明していることから、このスケジュールに沿うことになるのだろう。 それで薄気味悪いのは、都構想の頓挫で2015年に政界を引退した橋下徹元大阪市長のシナリオ通りにコトが進んでいることだ。ダブル選翌日に橋下氏は「公明党の衆院選挙区に維新の会が立てる。公明党は関西6選挙区ある、これが力の源泉。維新のエース級の準備できてる。第2幕は公明党を壊滅させる」と宣戦布告。産経新聞(4日付)のインタビューでさらに踏み込み、安倍首相との親密な関係をチラつかせながら、大阪の自公にこう揺さぶりをかけた。 〈改憲を阻んでいるのは公明と、選挙で彼らの支援を受ける自民の国会議員です。安倍さんに負けないくらいの改憲論者である松井さんはダブル選の勢いに乗じ、公明を潰しにいくことを考えていると思います〉 〈公明が市議会で賛成に転じれば、維新が公明とケンカをする意味はなくなり、「改憲は重要だが、その前に都構想を実現したい」と考えている松井さんも矛を収めることになるでしょう〉 〈自民の大阪市議団が改憲を実現したいなら、公明よりも先に都構想への協力を決断すべきです〉 橋下シナリオ通りに自公が忠誠合戦 果たして、大阪の自公は維新への“忠誠”を競い合う展開となった。 自民大阪府連では、「大阪都構想反対で一致団結したい」と全面対決で挑んだ左藤章衆院議員が会長を辞任。新会長に就いた渡嘉敷奈緒美衆院議員は「大阪維新と連携していく。投票の実施には賛成だ」ともみ手で、「負けた方が改めるのが筋だ」ともっともらしい理屈を並べているが、そこには安倍官邸の意向がチラつく。渡嘉敷は05年の郵政選挙での初当選組ながら、安倍チルドレンと目される人物だ。安倍昭恵夫人とは中学・高校の同級生で、自宅で飲み会をする仲だったという。どうりで、渡嘉敷は府議や市議らとの事前協議も全体会議での議論もすっ飛ばし、融和路線にカジを切ったわけである。 大阪政界に詳しいジャーナリストの吉富有治氏は言う。 「そもそも渡嘉敷氏は都構想を巡る議論に熱心でなかったのに、会長になった途端にこれまでの経緯をひっくり返した。あまりに強引なやり方に、府議も市議もカンカンです。大阪市議団は反対姿勢を崩さず、堺市長選(26日告示)に堺市議が離党して無所属で立候補する。中央の方針に徹底抗戦の構えです」 反発は当然だが、どこまで筋を通せるか。大阪都構想を巡る動きで浮き彫りになったのは、この国の政治は政治信念ではなく、打算と損得だけで決まっているということである。 大阪ダブル選の自維の一騎打ちから2カ月足らず(C)共同通信社
大阪の野合を局地的なスッタモンダと片づけたら見誤る。自民、維新、公明が誰の目にも分かる形でタッグを組んだその先にあるのは、この国が再び大政翼賛会化する現実だ。 政治評論家の本澤二郎氏は言う。 「極端に右寄りの維新はゴリゴリの改憲派で、憲法改正が悲願の安倍首相とウマが合う。安倍首相と橋下氏は連携し、国政政党の日本維新の会は安倍首相の別動隊として野党を引っかき回す役割を果たしてきました。大阪で自公を屈服させたことで、国政における維新の存在感はますます強くなっている。安倍自民と維新は改憲で強力に接着し、平和の党の金看板をかなぐり捨て、バッジに執着する無節操の見本に成り下がった公明も自動的にそこに組み込まれる。衆参両院で3分の2を超える勢力となり、多弱な野党を尻目に“オール与党”の翼賛体制が近づいています」 官邸におもねる権力亡者たちが事実上の巨大与党をつくり、選挙結果を冒涜し、有権者に選択肢を与えない。国民を巧妙に束ねていくファシズムはこうして進んでいく。 慶大教授の片山杜秀氏(政治思想史)は、本紙(17日付)のインタビューでこう警鐘を鳴らしていた。 〈みなさんを自由にするため、夢を取り戻すため。いっとき不自由になっても我慢して下さい。これがファシズムのやり方です。しばしば不自由のままで終わるのですが〉 自由にするため、夢を取り戻すため――。まさに、都構想を巡る大阪維新のキャッチフレーズそのものだ。二重行政の解消で成長する大阪へ、身近な基礎自治行政の拡充で優しい大阪へ、民間でできることは民間に自立する大阪へ――。政令指定都市の大阪市を廃止して特別行政区に再編するけれど、大阪は豊かになると大阪維新は訴える。バラ色の展望をこれでもかと喧伝するが、都構想が実現したところで大阪府が大阪都になるわけではないし、大阪市の財源は府に吸い上げられ、市民の血税を府が好き勝手に使えるようになってしまう。少しでも関心を持てばわかることなのに、一定の支持を集めるのはなぜなのか。 前出の片山杜秀氏はファシズムを受け入れる国民を〈資本主義の危機の時代に没落する中間層〉と分析し、その心理をこう指摘していた。 〈自由を少しばかり差し出しても、みんなで束ねられることで助け合い、危機的状況を乗り切ろうという発想になる。自由を取り戻すステップとして、束ねられることが必要だという思考に入っていきます〉 「景気良くなった」1割弱で支持率5割超 景気の好循環を作り出し、デフレから脱却するとうそぶいたアベノミクスの嘘っぱちは明らかなのに、安倍政権が引きずり降ろされないのはなぜなのか。少子高齢化や産業衰退で経済成長は期待できず、貧富の格差は拡大し、社会保障はどんどん削られて老後は不安しかない。容易に解決できない厳しい現実から目を背けるため、ファシズムにのみ込まれた国民が思考停止に陥っているからである。 共同通信(18、19日実施)の世論調査では景気状況について「良くなっている」8・5%、「悪くなっている」34・5%にもかかわらず、内閣支持率は50・5%。支持する理由は「ほかに適当な人がいない」がトップの39・1%だった。政権寄りの読売新聞(17〜19日実施)でも安倍政権の経済政策について「評価する」41%、「評価しない」43%なのに、支持率は55%。「これまでの内閣よりよい」が41%に達していた。 衆参ダブル選が取り沙汰されるが、いずれにしても夏の選挙で安倍政権を勝たせれば、こうした流れに歯止めはかからない。 民主主義が死滅した国。それがこの国の近い将来となりかねない。
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