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5月 19, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<トランプ米大統領は17日、自動車への追加関税を巡る判断を最大180日先延ばしすると発表した。自動車の輸入増加は「米国の安全保障上の脅威だ」と訴え、日本や欧州連合(EU)との貿易交渉を加速するよう米通商代表部(USTR)に指示した。180日以内に合意が得られなければ「追加の行動を取る」とも強調した。
声明は米国の自動車メーカーが技術面で優位を保つことは安全保障の観点からも重要だとして、関税など輸入制限を正当化した。日本とEUを名指しで非難する一方、自動車の対米輸出を巡る具体的な要求事項は盛り込まなかった。
日本と米国は物品貿易協定(TAG)交渉を開始し、自動車や農産品を中心に貿易不均衡の打開策を議論している。5月27日の日米首脳会談を前にトランプ氏は180日と期限を区切り、日本に譲歩を迫った形だ。
トランプ氏はUSTRのライトハイザー代表に対し、追加関税の判断を先延ばしする180日以内に日欧と貿易交渉を進めて解決策を得るよう指示した。期限内に合意できない場合、追加措置を取る意向も示した。
米政権内には日本やEUからの自動車輸出台数に上限を設ける数量規制案がくすぶる。世界貿易機関(WTO)ルールに明確に抵触する数量規制に、日本やEUは強く反発している。
トランプ氏は2018年5月、安全保障を理由に輸入制限を発動する「通商拡大法232条」に基づき、自動車に25%の追加関税を課すことを視野に検討に入った。関税発動の可否を決める期限が18日に迫っていた>(以上「日経新聞」より引用)
米国がWTOに反して日欧から米国へ輸出している自動車に対して、輸入数量規制を課すのなら断固とした態度で日欧共同でWTOに提訴すべきだ。米国のトランプ氏は商売だけを切り離して外国から輸入される自動車を規制するのは「米国の安全保障」のためだと吠えているが、先の大戦後西側諸国の前線基地として、米国の安全保障を守ってきたのは日欧ではなかったか。
貿易という側面だけで日欧と袂を分かつかのような米国の脅しは全く感心しない。米中貿易戦争には米国が掲げる三原則「知的財産権保護」「中国政府による為替の自由化」「中国内外への資本移動の自由」はいずれも世界基準を中共政府も履行すべきだ。それに関しては日欧ともに異存はない。
しかし日欧からの自動車輸出に米国がいら立つのはマト外れだ。日本は米国製の自動車に対する関税は既に撤廃している。米国は日本製自動車輸入に対して2.5%の関税を課しているにも拘らずに、だ。だからトランプ氏が声高に日本製自動車輸入は「アン・フェア」だと叫んでいるのは嘘だ。
嘘で米国民を扇動するトランプ氏のやり口はヘタな商売人の駆け引きそのものだ。米国のマスメディアを「フェイク・ニュース」と罵詈雑言を浴びせるトランプ氏が大嘘を言ってはならない。むしろ自動車貿易で「アンフェア」なのは米国の方だ。
トランプ氏は駐留米軍費用負担などでも先の大戦以後の自由諸国の盟主としての自負心をかなぐり捨てて、日欧諸国に駐留経費負担増を言い立てている。日本は既に75%を負担していて、残るは米軍兵士たちの給与だけになっている。それまでも日本が負担したら、駐留米軍は日本の「傭兵」になってしまうではないか。
沖縄などに大量の米軍を駐留させているのは、日本の負担金が大きいため、米軍を米国本土に置いておくよりも安上がりだからだという。これ以上、トランプ氏が横柄な口を叩くのなら、トットと米軍を日本の諸々の基地からすべて撤退してもらいたい。その代わり、米国から購入している大量の兵器に関して、購入契約はすべて破棄すると日本政府は通告すべきだ。日本が本気で戦闘機やミサイル開発に乗り出したなら、十年後には米国製のポンコツ兵器よりも数段マシな日本製兵器を配備するだろう。
もちろん米国に脅されて採用したWindowsに代わる日本製基本ソフトを間違いなく日本は開発する。そして情報戦争でも日本は数年と経たずして、米国を圧倒するだろう。
そうした諸々のことを承知した上で、戦後の米国政府は日本との関係を重視してきた。しかしそれに付け入ることなく、日本政府は真摯な態度で米国の立場を尊重して来た。プラザ合意とその後の日本政府の履行を見れば明らかではないか。それでも、トランプ氏は無理難題を日本に突き付けて、愚かな安倍首相を小僧扱いするのだろうか。
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