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かまびすしい衆参同日選報道 「増税延期」が大義の倒錯
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/253967
2019/05/16 日刊ゲンダイ 文字起こし 頭にあるのは選挙だけ(C)日刊ゲンダイ 〈各党の間では「衆参同日選挙」への賛否や、踏み切る理由についてはばらつきがあるものの、あり得るとの見方は広がりを見せており、今後の安倍総理大臣の発言や景気の動向にさらに注目が集まりそうです〉(NHK) 〈自民党の二階幹事長は13日の記者会見で、夏の参院選に合わせて衆院選を行う衆参同日選について、「首相が判断すれば、党として全面的にバックアップして対応していく用意はある」と述べ、協力に前向きな姿勢を示した〉(読売新聞) 〈夏の参院選に合わせた衆参同日選の実施について47%が「賛成」と答えた。「反対」の32%を上回った〉(日経新聞) 最近の大新聞・テレビの政治報道でめっきり増えたのが「衆参同日選」のキーワードだ。民放各局のワイドショーでも“政局解説者”なるコメンテーターが「衆参同日選の可能性は十分ある」などと、したり顔で説明しているが、同日選を報じている大新聞・テレビの記者や解説者はハッキリ言って正気なのか。 もちろん、安倍政権がこれまでの数々の悪政を恥じて「申し訳ありません。解散・総選挙で国民の審判を仰ぎます」と頭を下げるのであれば有権者にとっては望むところだが、一連の報道をよくよく見ていると、そういう意味で「衆参同日選」の可能性を取り上げているワケではないからだ。 大新聞・テレビで同日選報道が流れ始めたのは、自民党の萩生田幹事長代行がネット番組で10月の消費税増税の凍結や衆院解散の可能性をにおわせて以降だが、特に目立つようになったのは、内閣府が3月の景気動向指数を公表した前後からだ。 すでに公表前から指数の傾向を表す基調判断について、市場は厳しい見方を示していたが、案の定、公表された指数(2015年を100とした速報値)は99.6で、景気後退の可能性が高いことを意味する「悪化」へと下方修正された。 悪化の判断は2013年1月以来、6年2カ月ぶり。安倍政権は14年の消費増税8%後に景気が冷え込んだ時でも基調判断で「悪化」の表現を避けてきた。それが今回、景気後退を認めるほど深刻な状況に陥っている、というのが大新聞・テレビの解説で、経済情勢の悪化=消費増税延期を争点に同日選に踏み込む可能性がある――というのだが、これはへそで茶を沸かすような理屈だ。 景気悪化はエスカレートする米中貿易戦争に伴う世界経済の減速も背景にあるとはいえ、何といっても最大の要因はアベノミクスの破綻だ。その戦犯が失敗を認めて謝罪するどころか、逆手に取って、今度は消費増税延期を“施し”のごとく掲げて同日選に打って出ようなんてペテンそのもの。選挙の大義の「倒錯」だ。その上、あわよくば野党を壊滅させて憲法改正もやってしまえ、などという下心もミエミエ。そんな有権者を買収、愚弄するような同日選をあおっているのが今の大新聞・テレビであり、かまびすしいにもホドがある。政治評論家の森田実氏がこう言う。 「安倍政権は消費増税10%に備えて法律を作り、対策としての予算も組んだわけです。それを一切無視し、ご破算にして増税延期するのであれば、内閣は総辞職するのが筋です。それなのに『野党の足並みが揃っていない今なら選挙で勝てる』と考えるのは邪道の邪道。こういう安倍政権の政治姿勢についてメディアはきちんと批判する必要があるのに、解散ムードをあおるだけ。何が正義なのかを真剣に議論するべきです」 増税延期にダマされるな(C)日刊ゲンダイ
繰り返すが、景気悪化はアベノミクス破綻の証左だ。前回「悪化」判断となった6年前といえば、安倍政権が黒田日銀の尻を叩き、異次元金融緩和(黒田バズーカ)が始まった時期とちょうど重なる。 当初から市場では「黒田バズーカが通用するのはせいぜい5〜6年」と囁かれてきたが、まさに「黒田バズーカが限界」を迎えたワケだ。 「特定のシナリオを前提とした試算値を答えることは適当ではない」 14日の参院財政金融委で、異次元緩和策を縮小する出口戦略について問われた日銀の黒田総裁はこう答弁していたが、「答えることは適当ではない」のではなく、出口戦略のシナリオなんて何ら描けていないのが実情ではないのか。日銀だってバカじゃない。景気悪化は当然、予想していただろう。シナリオがあれば基調判断で「悪化」が示される前に、とっくに手を打っているはずだ。黒田日銀は出口戦略を考えるのではなく、アベノミクスの失敗を糊塗するためにETF(株価指数連動型上場投資信託)をバンバン購入。ハリボテ株価を必死に買い支えてきたのだが、その手法も米中貿易戦争で株価が続落し、通じなくなりつつあるのが実情だ。経済評論家の斎藤満氏がこう言う。 「日銀は出口戦略を考えるよりも、アベノミクスの唯一の成果といわれる『円安・株高』を維持することに必死でしょう。しかし、安倍政権にとって最も重要なことは、経済よりもダブル選挙で勝つこと。今の株安傾向を放置し、『リーマン級の景気悪化』を理由に増税延期を打ち出して選挙という手段もあり得るとみています」 政権さえ維持できれば経済も国民生活も二の次 選挙に勝つのであれば、安倍政権は黒田日銀さえも切り捨てる――。まったくメチャクチャな発想だが、可能性は十分ある。 萩生田発言で増税延期、ダブル選をチラつかせてから、景気動向指数の「悪化」を公表したのだって何やら怪しい思惑が透けて見える。なぜなら、景気動向指数は昨秋以降、どんなに悪化が懸念されても「足踏み」が続き、ようやく今年に入って「下方」に修正されたものの、それでも安倍政権は「景気は緩やかに回復してきている」などと強気に言い張っていたからだ。1月の月例経済報告では「戦後最長の景気拡大」とアベノミクスの成功を大々的にアピール。景気判断の材料となる統計データまで改ざんし、あらゆる場面で「好景気」を演出するためのウソを重ね、安倍自身も「アベノミクスは道半ば」なんて言ってゴマカし続けてきたのに、今回、その姿勢をあっさり一転させたのだから「何かウラがある」とみるのが自然な流れだろう。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。 「安倍政権もアベノミクスは大失敗だったと認めざるを得なくなったのでしょう。しかし、それを自ら口にすれば下野するため、ならば勝てる時に選挙してしまえと。要するに自分たちの失政のツケを国民に転嫁しようとしているのに等しい。改ざん、捏造が当たり前の政権ですから、スジが通ろうが、通るまいが関係ない。政権さえ維持できれば経済も国民生活も二の次なのです。身勝手極まりない話で、何としても政権から引きずり降ろす必要があります」 大新聞・テレビであふれる衆参同日選報道の半分は野党へのブラフ(威嚇)としても、薄汚い思惑だらけの悪辣政権にこれ以上、好き勝手させてはダメなのは言うまでもない。この政権を待ち受けているのは、このまま経済破綻に追い込まれるか、それとも増税延期の末の退陣、あるいは追い込まれ解散で野垂れ死ぬか――という運命がふさわしい。
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