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5月 03, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<安倍晋三首相は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長との日朝首脳会談について、前提条件をつけずに実現に向けた調整を進める方針を固めた。これまでは拉致問題で一定の前進があることを前提としてきたが、歩み寄りの姿勢を示すことで会談の実現をめざす。ただ、北朝鮮が応じる見通しは立っていない。
複数の政府関係者が明らかにした。首相は4月26日の日米首脳会談で、トランプ大統領から米朝間の協議状況について説明を受けた。日朝首脳会談に向けて「全面的に協力する」との後押しを受けた上、「北朝鮮はトップダウン。事務レベルの事前調整は意味をなさない」(政府関係者)ことを重ねて確認した。
米朝協議は停滞し、非核化に向けた具体的な進展は見通せていないが、金氏は米国、中国、ロシア、韓国の首脳と相次いで会談。6者協議の枠組みで唯一、会談をしていない日本としては、北朝鮮と対話を進める米国と歩調を合わせ、まずは会談自体を実現することで拉致問題の解決も探っていく方向に転じる>(以上「朝日新聞」より引用)
日本だけが6ヶ国協議の蚊帳の外に置かれている状況と、拉致被害者問題が一向に前進しない状況に安倍氏は焦っているようだ。しかし外交に焦りは禁物だ。
拉致問題が安倍政権下で一向に前進しなかったのは安倍外交の破綻そのものだ。なぜなら安倍氏は自分の政権下で拉致問題を解決して拉致被害者を全員救出する、と大言壮語していた約束を一切果たしていないからだ。
安倍氏が性急に金正恩氏との会談を切望すれば、金正恩氏に足元を見られるのは火を見るよりも明らかだ。北朝鮮は経済制裁で国民生活は窮乏している。だから経済支援だけを盗られて、拉致問題は一切進展しない結果になるのは間違いないだろう。
しかし、それでも会談しないよりはましだが、それならなぜ日本人で北朝鮮に出入りしていると数少ないチャンネルをこれまで利用して来なかったのだろうか。たとえば猪木議員の北朝鮮への入国と政府要人の同行を求めるとか、これまで打つ手はあったはずだ。
いよいよ切羽詰まって安倍氏が金正恩氏に「会談しよう」と呼び掛けても、「お土産を持って来るなら、会うだけは会ってもいい」と回答してくるのは見えている。安倍氏がエラッソーにいう「地球儀俯瞰外交」という世界漫遊記の正体はこの程度のことでしかない。
その稚拙な戦略なき外交を一切批判して来なかった日本のマスメディアの罪は大きい。政府専用機に同乗させてもらう「特別待遇」に篭絡されたのか、同行記者の批判記事を一行たりとも読んだ記憶がない。日本の記者諸氏はこんなにも無能だったのだろうか。
日本のマスメディアの程度の低さが程度の悪い安倍自公政権の存続に手を貸している。そして日本は破壊され、国民は貧困化に苦しんでいる。バカバカしい消費増税とクレジットカード利用者への5ポイント還元という制度を「軽減税率」と呼ぶなら、いっそのこと消費税を食料品に限って5%に引き下げる方がよほど簡単ではないか、という批判すらマスメディアから起きない。
安倍氏が「金正恩氏と会談したい」と叫びだしたら即座に、「何を今更、なぜ第二次政権発足と同時に北朝鮮へ飛んでいかなかったのか」という論評記事が日本のマスメディアに一行もないのはなぜだろうか。
日本の不幸は程度の低いマスメディアと安倍自公政権が続いていることだ。
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