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【国民福祉税構想】細川元首相が明かす深夜発表の舞台裏 平成の政治写真 あの事件の真相
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252979
2019/04/30 日刊ゲンダイ 国民福祉税の創設など税制改革について記者会見する細川首相(C)共同通信社 ■平成6年 消費税を廃止し、税率7%の国民福祉税を創設する――。平成6(1994)年2月3日午前1時。深夜の会見で細川護熙首相(当時)が突然、発表した国民福祉税構想は「唐突だ」との厳しい批判を受け、すぐに撤回に追い込まれた。短命内閣につながった大きな痛手の舞台裏を、細川氏本人が書面で明かしてくれた。 「よく『即日撤回』と言われますが、対応策をまかせた与党代表者会議に私が内々に案を示し、決まったのは2月8日で、それを内閣が受け入れる形をとりました。『撤回』というのも多少違います。最終的な案は当時、バブル崩壊後の景気対策として各界から求められた6兆円の所得減税を定率で成し遂げ、その財源は増税で穴埋めし、年内に関連法案を成立させる内容でした。それに基づき、その年の11月、村山内閣で所得税法及び消費税法改正案が成立。消費税率を5%に引き上げる布石となったのです」 前年末に終わる予定だった最大の課題の政治改革が1月末までかかり、日本に内需拡大を迫った米国への訪問も2月10日からと決まっていた。それまでに所得減税を盛り込んだ予算の骨子を固めるという切羽詰まった日程を余儀なくされたこと。連立与党内の調整不足で具体策が「首相一任」になったことが、唐突な公表に至った理由という。 「時間をかけ、きちんと手順が見えるように行うべきでしたし、大規模な行政改革を先行させて国民の理解を得た上で実施すべきだったと反省しています。ただ、赤字国債を財源に6兆円の減税を実施する安易な方法は絶対に避けたかった。ツケを後世に回す無責任極まりないやり方だからです。もし、私が赤字国債で減税の穴埋めをしていれば、今日の赤字国債のたれ流し政策は細川が始めたと言われていたでしょう。その点は今なお矜持に思っています」
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