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消費税増税延期確定的で衆院解散時期が焦点に
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2019年4月24日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍首相は消費税増税延期の判断を固めた模様である。 2014年4月に消費税率を5%から8%に引き上げた。 この増税に連動して日本経済は2014年1月から2016年5月にかけて景気後退に陥っている。 ところが、政府はこの景気後退を認定していない。 「偽造、ねつ造、安倍晋三」 と言われるが、景気後退を景気拡大と偽造・ねつ造してきた。 この点については、 拙著『国家はいつも嘘をつく ――日本国民を欺く9のペテン』(祥伝社新書) https://amzn.to/2KtGR6k にも詳述している。 日本経済は消費税増税で景気後退に陥ったのだ。 2019年10月に消費税増税を強行実施すれば、今回はより深刻な不況に陥ると考えられる。 消費税を引き上げる前の現時点において、すでに景気後退の兆候が鮮明に表れているのだ。 安倍内閣は本年に移行するまでは消費税増税実施についてニュートラルな姿勢を示していた。 日本経済についても、根拠の乏しい楽観論を意図的に明示していたと見られる。 しかし、経済統計の改ざん疑惑を指摘され始めたころから、スタンスが変化した。 それまで、安倍首相は経済政策運営について自画自賛の見解を示し続けた。 有効求人倍率が上がった、 就職内定率が上がった、 企業収益が増えた、 株価が上がった、 などのフレーズを繰り返してきた。 しかし、経済運営のパフォーマンスを評価する二大尺度でアベノミクスが成功していないことは明らかだった。 経済成長率の実績が民主党政権時代よりも大幅に劣る。 前期比年率実質GDP成長率の単純平均値は1.2%で、民主党時代の1.7%を大幅に下回る。 もっとも重大であるのが実質賃金の減少だ。 第2次安倍内閣が発足してから一人当たり実質賃金が5%も減少した。 この批判が、安倍内閣にとってもっともこたえるものだった。 そこで、安倍内閣は統計数値の改ざんに突き進んだ。 不正な手法で2018年の一人当たり実質賃金伸び率をプラスに引き上げた。 しかし、不正な工作が明るみに出て、賃金増加を主張することが困難になった。 このまま消費税増税に突き進めば日本経済は確実に崩落する。 衆議院任期は2021年10月まであるが、逆に言えば、いまから2年半の間に必ず衆院総選挙がある。 消費税増税を強行すれば日本経済は崩落する。 そうなれば、衆院解散のタイミングを見出すことが極めて困難になる。 増税によって景気後退を招いた責任を衆院総選挙で問われることになる。 結局、選択肢は消費税増税の延期しかないことになる。 安倍首相は消費税増税延期の方針を固め、その準備作業に着手したと見られる。 だからこそ、景気悪化情報がメディアによって積極的に流布されることになったのだ。 この場合、焦点は、衆院解散のタイミングである。 増税延期発表から時間を空けない時期が衆院解散のタイミングということになる。 選挙へのプラス効果が時間を空ければ消えてしまうからだ。 参院選前に増税延期を発表して、夏から秋の臨時国会で衆院解散を打つということもあり得ないわけではないが、2019年の立て込む重要日程を踏まえると日程設定が極めて窮屈になる。 このことから、衆参ダブル選に突き進む可能性が高いと見られる。 ダブル選が実施される日程は国会会期の延長有無にも依存するが、6月30日から8月25日までの幅がある。 最も早いケースでは6月30日投開票、もっとも遅いケースでは8月25日投開票となる。 いずれにせよ、衆参ダブル選を前提に対応を急ぐ必要がある。 |
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