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自国第一主義…米、英、ソ連は日本の真珠湾攻撃を喜んだ 保阪正康 日本史縦横無尽
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252163
2019/04/1 日刊ゲンダイ チャーチル英首相(C)ロイター 日本の陸海軍が真珠湾攻撃を始め、東南アジア各地に兵を進めることは、すでに開始されている第2次世界大戦にドイツ、イタリアと手を結ぶ形で加わることであった。アメリカ、イギリスなどの連合国と交戦状態になるのである。この構図を待ち望んでいたのはチャーチルや蒋介石である。スターリンも、アメリカの参戦を待っていた。アメリカが参戦することにより、この戦争は枢軸側との国力差が大きくなり、連合国の勝利の可能性も高まってくる。 一方、ヒトラーは逆に追いつめられた。もしアメリカがイギリス支援に乗り出してヨーロッパ戦線に加わったら、ドイツが極めて不利になるのは目に見えている。ヒトラーが、日本がアメリカとの戦争に踏み切ることを事前にどの程度知っていたかは判然としない。しかしこの報を独ソ戦の作戦本部で知った時、露骨に不快の念を示したといわれている。折しもドイツ軍はモスクワ近郊でソ連軍の反攻を受けて撤退している時であった。そこにアメリカの参戦は愉快ではなかったのだ。 この時の戦争をめぐる各国の指導者間の争いは、単に戦略上の駆け引きだけではなかった。自国の歴史と文化、さらには20世紀後半に向けて、どのような国づくりをしていくかの戦いでもあった。つまりその内容の善悪は別にして、自国第一主義を軸にどの国家と組むのがいいのか、どの指導者が最も自国に理解があるのかが背景にある戦いであった。 この点で日本は結果的に、2つの過ちを犯した。ひとつは、枢軸体制に依存するあまり、ヒトラーに過大な期待をかけたことであった。昭和16年11月15日に決まった終戦に関する腹案で、いかにヒトラーに期待をかけていたかは既述したとおりである。 もうひとつは、この戦争自体に時代を俯瞰する見取り図がなかったことであった。日中戦争に足を取られて、世界大戦に引き込まれていったに過ぎなかった。この2つに加えて、日本社会に奇妙な興奮状態が出来上がっていったのである。 (つづく) 保阪正康 作家 1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。
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