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貿易交渉の暗澹 国賓、相撲でトランプを懐柔できるのか
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/252279
2019/04/19 日刊ゲンダイ 文字起こし 前回訪日は実務訪問賓客待遇だったが…(C)JMPA 新たな日米貿易交渉の初会合が、2日間の日程を終えた。 「貿易交渉 まず日本ペース」(産経新聞) 「日米、TPP水準で一致」(日経新聞) 「第一段階 日本ひとまず安心」(朝日新聞) 18日の新聞各紙は一様に安堵感を伝えている。 日米は昨年9月、新たな貿易協議の開始で合意。これは日本が2国間交渉に無理やり引き込まれたと言った方が正しい。トランプ大統領のもとでTPP離脱を決めた米国は、2国間の「ディール」で、より大幅な譲歩を求める包括的な自由貿易協定(FTA)に舵を切った。 今回の交渉でも、初っぱなから厳しい条件を突きつけてくるとみられていただけに、当面の交渉範囲を農産物や自動車などの物品関税に絞ることになったことが「日本ペース」だと言うのである。 日本のメディアは、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表との初会合を終えた茂木経済再生相の「良いスタートを切れた」「早期にいい成果を出したいということで一致した」などという言葉を垂れ流しているが、果たして本当に交渉はうまくいきそうなのか? 楽観的すぎるのではないか。 「TPP水準というのは日本側が言っているだけで、そもそもトランプ大統領がTPPを蹴ったのは、より厳しい要求を日本に突きつけるという意思表示です。今回の2日間の会合はあくまでとっかかりで、とても安心できるものではない。米国は対日貿易赤字の大部分を占める自動車関連への追加関税をチラつかせています。それに、日本政府は『TAG(物品貿易協定)』などという造語まで作って、FTAではないという印象づくりをしていますが、米国側の認識はあくまでFTA交渉です。農産物や自動車などの物品だけでなく、いずれサービス分野などにも広がることは確実です」(経済評論家・斎藤満氏) 親密関係アピールのシナリオ作り 日米貿易交渉の初会合を受け、きのうの日経新聞はハガティ駐日米大使のインタビューを載せているが、そこで語られていることは、日本のメディアが報じる内容とまったく違う。 <米国の農畜産者や生産者が日本の他の貿易協定によって痛手を被るのは認められない> <米国の農家の競争環境が不利になり、貿易赤字が悪化することを日本が望んでいることは想像できない> <日本にとって米国で消費する製品(自動車)を米国で生産するのは合理的だ> <大統領は米国内でさらに多くの生産と雇用創出を望んでいる> 要するに、米国のために農産物も自動車も最大限の譲歩をしろと迫っているのだ。とても楽観論を振りまいていられる状況ではないことが分かる。元外交官の天木直人氏が言う。 「今回の交渉自体には何の意味もない。茂木経済再生相の役割は、今月下旬に安倍首相が訪米して行われる日米首脳会談のお膳立てでしかありません。安倍・トランプの親密な関係をアピールするシナリオ作りのための使い走りです。しかも、茂木大臣は来週、安倍首相の訪米前にもう一度ライトハイザー代表と会うという。お膳立てすら、1回の協議では終わらなかったのです。安倍政権の目的はトランプとの蜜月関係を演出することだけですから、貿易交渉では最終的に何から何までのまされることになるでしょう」 パシリ担当(C)共同通信社
日米貿易交渉の焦点のひとつが「為替条項」だ。USTRが昨年12月に米議会に示した対日交渉目的には、金融や為替問題が明記されている。通貨安への誘導を禁じる為替条項が議題になることは避けられないが、今回の会合では、「日米の財務相間で議論されるべきものだ」と茂木は逃げた。 それで呼びつけられたのか、麻生財務相が26日から開催される日米首脳会談に合わせて訪米し、ムニューシン米財務長官と会談するという。 「麻生・ムニューシン会談は形だけで、トランプ大統領は安倍首相に直接、ねじ込んでくると思いますよ。昨年11月に署名したカナダとメキシコとの貿易協定にも為替条項を盛り込んだのだから、トランプの忠実な下僕に徹している安倍首相がのめないはずはないと考えている。今のような従属関係にあるかぎり、対等な交渉にはなり得ません。大統領再選で頭の中がいっぱいのトランプは、農産物で目に見える成果が欲しいし、自動車輸出の数量規制も突きつけてくる。そもそもUSTRのライトハイザー代表は、80年代の対日鉄鋼協議で日本に自主規制をのませ、数量規制で頭角を現した人物です。カナダとメキシコにも自動車の輸出数量規制をのませた。数量規制に応じなければ、日本車は高い関税をかけられることになる。電機がコケた今、自動車は日本の最後のよりどころだから、日本経済に甚大な影響が生じることは避けられません」(経済ジャーナリスト・有森隆氏) 忖度メディアが垂れ流す「日本ペース」の交渉は、ヌカ喜びに終わる可能性が高いのだが、ことさら日米の蜜月関係にフォーカスし、「異例の3カ月連続となる日米首脳会談で腹合わせして貿易交渉も早期決着」なんて甘い見立てまで語られる始末だからタチが悪い。 参院選までゴマカせればいい 4月末に安倍が訪米、5月にはトランプが訪日し、6月にもG20出席で日本を訪れる予定だ。17年に来日した際は公式実務訪問賓客という扱いだったトランプだが、5月には新天皇が即位して最初の国賓として来日。安倍とともにプロゴルファーの青木功とラウンドしたり、大相撲を観戦するプランが練られている。トランプは「土俵に上がって優勝力士に賜杯を渡したい」と言っているそうだが、米プロレス団体の「WWE」か何かと勘違いしているのではないか。トランプはかつてWWEのリングに登場していたことがある。 大相撲の土俵に女性は上がれない。兵庫県宝塚市の女性市長が、地方巡業の「宝塚場所」で土俵上でのあいさつを望んでも断られてきた。土俵上で倒れた人を救助するために駆け上がった医療従事者の女性に対しても、土俵から下りるようアナウンスして物議を醸したほど、伝統と慣習にこだわる世界だ。好角家として知られたフランスのシラク元大統領も土俵に上がったことはない。 そういう“神聖”なはずの土俵も、安倍とトランプのパフォーマンスにやすやすと利用される。相撲協会もナメられたものである。 「こうした国を挙げての“おもてなし”で貿易交渉を懐柔できると考えているとしたら甘すぎる。トランプ氏にとって観光とディールはまったく別の話です。安倍首相の外遊直後に日本は10連休に突入し、新元号に変わって、連休が明ければトランプ氏の訪日の話題一色になるでしょう。そうやって訪日を大歓迎したところで、危機が先送りされるだけのことです。もちろん、日本政府も最終的に厳しい通商条件をのまされることは分かっている。自動車を守るために農業分野をすべて差し出すのか、さらに自動車でも譲歩するのか。いずれにしても、参院選までバレなければいい、後はどうなろうが知ったことじゃないというのが本音だと思います。新天皇まで利用して、日米の蜜月関係を盛り上げ、国民を思考停止状態にできればいいのです」(天木直人氏=前出) こうして選挙前の国民騙しが繰り返されるのだ。10連休もトランプ国賓来日も、国民無視の選挙対策でしかないのである。 政府が演出する「令和」新時代や日米蜜月イベントに目を奪われていたら、参院選後に「こんなはずじゃ……」と思い知らされることになる。
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