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あなたの街も?都市部に忍び寄る“限界集落化”〜都市の“限界集落”の問題は/nhk
http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/726.html
投稿者 仁王像 日時 2019 年 4 月 17 日 20:04:04: jdZgmZ21Prm8E kG2JpJGc
 


あなたの街も?都市部に忍び寄る“限界集落化”〜都市の“限界集落”の問題は/nhk
2019年4月16日 19時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190416/k10011885531000.html?utm_int=news-social_contents_list-items_020

経済や社会の動向を示す指標の1つである「地価公示」。この統計を深掘りして分析してみると、ひと事ではないある社会現象が浮かび上がってきた。

これまで主に中山間地などの課題と指摘されてきた“限界集落化”が、地方都市の住宅地で進んでいるというのだ。いったい何が起きているのだろうか。
(ネットワーク報道部記者 伊賀亮人/テクニカルディレクター 斉藤一成)

地価は「上昇」なのに人口は「減少」?
3月19日に発表された「地価公示」では地方の住宅地でも上昇に転じた。実に27年ぶりのことだ。

NHKでは、毎年発表される前年比のデータだけではなく、より長い期間で社会の動きをつかみたいと考えて、5年前のデータとの比較を行った。さらに全国的に人口減少が進んでいることを踏まえて現状を把握しようと、人口動態のデータを合わせて分析した。

こちらが結果をまとめた地図だ(冒頭の地図)。赤い点が住宅で地価が上昇した地点。青い部分は人口が減少している自治体を示す。(注1)

《地図は+−で拡大、縮小できます。国土交通省「地価公示」(平成31年・26年)および、総務省「住民基本台帳に基づく人口」(平成30年・25年)をもとに作成。地形データは国土数値情報およびe-statを使用》

パッと見てすぐにわかるのが、いかに各地で人口減少が進んでいるかということだ。さらに東京を中心に首都圏はまるで赤の地点で覆われているかのようで、この間に軒並み地価が上昇したことが見てとれる。

その中で注目したのは、地価が上昇したのに人口が減少している自治体だ。本来、人口が増加すると地価の上昇要因になるとされるのに、一見、矛盾しているようにも思えるこの動きの背景に何があるのか。

そこで今度は取材先を絞るため、地価の上昇地点が10地点以上ある自治体をまとめた。一定の規模以上の地方都市のほうが共通点を探りやすいのではないかと考えたためだ。

北は北海道帯広市から、南は鹿児島市まで54の自治体に絞られた。政令指定都市や県庁所在地なども含まれている。ここから各自治体の担当者や不動産鑑定士、自治会などへの取材を進めた。

100年に一度の開発の裏で
その中である特徴が見えてきたのが長崎市だ。人口は42万余り。5年間で1万3000人近く、約3%減と人口減少が急速に進んでいる。

地価上昇地点は市内で25か所。分布を見ると主に中心部などに固まっていることがわかる。市の中心部・JR長崎市周辺では現在「100年に一度」と呼ばれる大規模な開発が行われている。

2022年度の暫定開業を目指す九州新幹線長崎ルートの建設や、それに合わせて大規模な国際会議やイベントを開くための施設の着工がことし予定されている。さらに建設が続くマンションも人気なことなどから中心部の地価上昇が続いているのだ。

進む“限界集落化”
一方で、異変も起きている。市内の地区ごとに住民の年齢別の構成を分析してみたところ、“限界集落化”した住宅地があることが見えてきたのだ。そのデータを地図にしたのがこちら。(注3)

住民の半数以上を65歳以上の高齢者が占め、社会的共同生活の維持が困難になっている集落を「限界集落」という。また、住民の半数以上を55歳以上の人が占める集落は、近い将来、「限界集落」になる可能性があるという意味で「準限界集落」と言われている。

地図上の赤は「限界集落」、オレンジは「準限界集落」にあたる地区だ。長崎市では中心部に近い地域で「限界集落」と「準限界集落」が広がっていることがわかった。

坂の街に忍び寄る影
こうした地域の現状はどうなっているのか。長崎駅から約1.2キロの場所にある地区、大鳥町を訪ねた。話を聞いた自治会長の辻郷國昭さんはここで50年暮らしてきた。しかしー。

「この家は空き家、それからこれも空き家…」(辻郷さん)

地区では今、急速に空き家が増えているという。長崎市では、高度経済成長期、人口の増加に伴って斜面に沿って住宅地が拡大。当時は、家族世帯が多く暮らしていた。中心部から近く利便性も高いうえ、坂から長崎湾を望む、眺めが美しい住宅地だった。

しかし、住宅地が開発された時に移り住んできた住民が高齢になり、新たに若い世代が入ってきていないのだ。

若い家族世帯のほとんどは、中心部のマンションや、郊外で駐車場もある戸建て住宅を購入する。高齢者の中にも、坂に建てられた住宅での生活に限界を感じ、便利な駅周辺に移住したいと考える人もいるが、それもままならないという。理由は中心部の地価の上昇だ。高齢の住民は次のように語る。

「駅周辺はちょっとした家やったら最低5000万円かかりますから。年金生活ではちょっと無理ですよ」

「くだる(=坂の住宅から引っ越す)とは何回か思いましたよ。でもね、なかなか。ここでもうよかねと思って」

かたや、坂にある住宅地は地価が下落。戸建ては150万円で売り出しても、なかなか買い手がつかない。移り住もうにも、家の解体費に200万円ほどかかることもあるという。このため、高齢の住民にはそのまま地区に住み続けるか、空き家として家を残したまま介護施設などに移るという選択肢しかないのだ。結果、地区の“限界集落化”が進む。大鳥町の隣の地区では自治会そのものがなくなった。あるお年寄りはこうつぶやいた。

「陸の孤島ですよ」
自治会長の辻郷さんも危機感をあらわにする。

「ひょっとしたらこの地区も消滅するかもわからん。これからどうなるのか予想もつかない」

なぜ都市部で“限界集落”が?

地方都市の“限界集落化”。都市計画が専門の東洋大学の野澤千絵教授は長崎市だけではなく全国的な傾向だと指摘する。

「全国の市町村にアンケートをとったところ、中心部にほど近いエリアに空き家が増えている。高度経済成長期に住宅が足りないということで、市街地をどんどん整備してきたわけだが、そういった時期に作った古い家、古い街で空き家が増えている」


戦後に全国でつくられた住宅地が、古いところから“限界集落化”しているというのだ。例えば、約80万人の政令指定都市・新潟市でも、中心部の地価が上昇している。その一方で、やはり同じように都市部の住宅地で“限界集落化”が進んでいる。(注4)

しかし、古くても中心部にある住宅地。利便性を考えると空き家ばかり増えるのも不思議な気がする。野澤教授は、次の2つの要因を指摘する。

1つは、自治体が街なかの活性化のために駅前などの再開発を進める一方、農地などの開発規制を緩和することで郊外にも住宅地が増えているという点だ。

「各都市は人口減少が深刻化している中で、住民を集める『都市間競争』に勝ちたいと、こうした政策をとっている」(野澤教授)

もう1つは住民自身の考え方だ。空き家となっても中古の住宅市場にはなかなか出てこないという。

理由は、亡くなった親の家を相続した後、遺品が残っていることや、親族が集まれる場所を残したいといった意向があるほか、解体費や、更地にすると税負担が重くなる場合があることなど、さまざまだ。

結果、相続者が空き家として所有し続け、住宅の「世代交代」が進まないというのだ。

都市の“限界集落”の問題は
都市部が“限界集落化”すると何が起きるのか。大きな問題が行政コストだ。

都市部の住宅地には、インフラや公共施設、行政サービスが整備されているためその維持・管理が必要だ。一方で郊外などに住宅地が開発されると新たなインフラ、サービスが必要になる。行政にとっては「二重投資」が生じるのだ。

行政コストが増加する一方、今後、人口減少で税収も減ることも見込まれるため、住民1人1人が負担するコストも大きくなることが想定される。水道料金やゴミ出しの費用などの増加で住民自身に跳ね返ってくるのだ。
都市の“限界集落”の問題は

それでは、こうした問題にどう対応していくのか。国土交通省は、効率的に持続可能な都市の運営のため、住宅や商業施設、医療施設などを特定の地域に誘導し、コンパクトな街づくりをめざす「立地適正化計画」の策定を自治体に促している。

また、都市部の空き家については、街なかがスポンジのようにスカスカするという意味で「都市のスポンジ化問題」と位置づけ、利活用を促すために空き家の所有者と利用したい人を結びつける新たな制度を導入するなどの対策に力を入れている。

野澤教授はこうした政策に加えて、住民みずからの意識を変えていく必要があるとして次のように指摘する。

「都市計画は5年や10年でなんとかなる問題ではないだけに、今の時点からそれぞれが自宅を“終活”し、空き家を増やさないことが重要だ」

このところ、“負動産”といった言葉も聞かれるようになったが、将来世代にツケを回さないためにも今こそ議論が求められている。

(注1)から(注4)の地図が表示されない場合は、下記のページからご覧ください。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190416/k10011885531000.html  

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