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喜ぶのは金持ちだけで庶民は悲鳴 10連休は「世紀の愚策」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/251992
2019/04/16 日刊ゲンダイ 文字起こし 海外満喫は少数派、お坊ちゃまにはわかるまい(C)共同通信社 皇位継承に伴う史上初の10連休まで、あと10日。この記事を読んでいる方々も、そろそろ疲労のピークを迎えているのではないか。 何しろ、誰もが体験したことのない超大型連休を控えて皆、大忙し。取引先への納期は通常のGW以上に前倒しされる。原材料や在庫の確保で多忙を極め、10連休前に物流や配送が集中することへの配慮も欠かせない。自前の運送網を抱える大手はまだマシだが、運送会社に頼る企業は荷受けを早めに確保するため、さらなる納期の前倒しを余儀なくされる。 その運送会社だって、人手不足が叫ばれて久しい。10連休前に高まる需要に応えるためには、時給を上げてでもドライバー争奪戦に参戦せざるを得ない。その分、コストは上がり、利益は減る。サービス業の人々も金融機関の長期休業に備え、10連休前後の支払いおよび釣り銭の準備のため、資金調達に大わらわ。あくせく働く人々の大半が、10連休を迎える頃にはクタクタになっている姿が目に浮かぶ。 そのため、喜んでいるのは一握り。時事通信が実施した「10連休に関する世論調査」によると、「とてもうれしい」と答えた人は9.3%。「まあうれしい」(27.2%)と合わせて「うれしい」が計36.5%に対し、「全くうれしくない」(14.8%)、「あまりうれしくない」(26.2%)と、「うれしくない」は計41%に達した。 「うれしくない」を年齢別で見ると、働き盛りの30代で46.9%、40代は45.9%に上る。仕事がクソ忙しくなる10連休なんて「やめてくれ」が、働き盛りの偽らざるホンネなのである。 圧倒的多数はフルに休めない その上、暦通りに10連休を満喫し、のんびりできる人々も少数派だ。時事の世論調査で連続して休めそうな日数を聞くと、15%が「全く休めない」と回答。「1日だけ」(4.3%)、「2〜3日」(18.5%)とほぼ休めない人も多く、「4〜5日」(10.6%)、「6〜7日」(6.1%)を含めると計54.5%で、「10日間全休」の32.4%を圧倒する。 安倍政権は10連休中に休日返上で子どもの「一時預かり」を行う保育施設に1人当たり日額2260円を補助することを決定。通常の休日(800円)の3倍近くを積み増すことで保育士を確保しやすくするというが、それだけ多くの子育て世帯が10連休中も働かざるを得ない証左だ。 いくら補助金を積んでも都市部の保育施設は深刻な保育士不足で、10連休中に十分な人材を確保できるかは不透明。現場は「保育難民」の大量発生で大混乱に陥りかねない。 「銀行も10連休前後に現金引き出しを求める大混雑や、連休中のATMの現金不足への対応を迫られ、株式市場も10連休前後の売買注文の激増に備えたシステムチェックに追われています。医療や介護の現場でも利用者は長期休暇でサービス低下を強いられてしまう。これだけの長期休暇だと、小売業界も旅行やレジャーに客を奪われかねません。つまり10連休は国民に混乱を与えるだけで、百害あって一利なし。喜んでいられるのは、長期休暇で遠方の海外に旅行できるホンのわずかな富裕層だけです」(経済評論家・斎藤満氏) 生まれた時から苦労知らずの安倍首相と麻生財務相のボンボンコンビは「祝日が増えたら国民が喜び、支持率も上がる」とでも思っているのだろう。 つくづく、庶民の現実には目もくれないオメデタイ政権である。 零細企業は悲鳴(C)日刊ゲンダイ
10連休は日本経済にとっても有害だ。祝日増加で大きな恩恵をもたらされるのは、旅行やレジャー業界くらいなもの。むしろ、製造業などで工場の稼働日数が減り、生産活動が滞る悪影響によって、全体ではマイナス面がはるかに大きい。 ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏の試算だと、2019年4〜6月期の実質GDPを0・4%減少させる負の効果があるという。前出の斎藤満氏もこう言うのだ。 「人手不足の今の日本経済には、10連休中に製造が滞る分を、その前後の増産で取り戻せるだけの余力はありません。間違いなく10連休はGDPを押し下げます。今や全労働者の4割を占める非正規雇用者にとっても10連休は死活問題。多くは時給や日給で働いており、人によっては月収の3分の1近くを失うかもしれません。所得減少は確実に景気を冷え込ませます。また、連休中でも海外市場は通常通りに取引されています。10連休中の空白期間でのハプニングへの不安から、連休前に日本株が大量に売り浴びせられる恐れもある。まさに踏んだり蹴ったりです」 とりわけ、10連休のマイナス効果が深刻なのは、この国の雇用の7割を占める中小零細企業だ。特に製造業は工場の稼働日数が1日でも減れば即、経営圧迫が懸念される。10連休で大手メーカーが操業を停止すれば1次より2次、2次より3次と下請けにシワ寄せが及んでいく。 「すでに中小零細の経営者から悲鳴が上がっています」と言うのは、東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏だ。こう続けた。 「10連休のシワ寄せを中小零細が全てかぶっている印象です。サプライチェーンの下の層に行くほど稼働日が減れば資金繰りが悪化しかねません。よしんば連休明けの納期に向け、工場を稼働できても人材や資材の確保はままならず、人手を確保しても休日手当の負担によるコストアップで利益はガタ減りです。中小企業にとって10連休はデメリットだらけです」 10連休断行で支持率アップを狙う冷血政権は、「中小零細企業なんて死んでもいい」と言っているも同然なのだ。 新時代プロバガンダに流されてはダメだ 「天皇陛下の退位と、皇太子殿下の即位が同時に行われるのは約200年ぶり。我が国の歴史にとって極めて重要な節目だ。国民こぞって言祝ぐことができるよう、政府として万全の準備を進めていかなければならない」 皇位継承に伴う10連休の理由について、安倍はそう語ったが、庶民の暮らしを予想できないにも程がある。いくら法令で10連休を定めても「国民こぞって」一斉には休めないのが現実だ。 これだけ「世紀の愚策」が鮮明になっても、安倍が10連休にこだわるのは新天皇即位の祝賀ムードを盛り上げ、政権浮揚につなげたいだけだ。国民の生活よりも、内閣の支持率が大事。とことん自己本位のボンクラ政権の能天気さを見せつけられると、もはや言葉も出ない。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言った。 「今月1日の新元号発表に続き、9日には5年後の新紙幣のデザインを発表。新時代到来のムードを高めたところで、10連休に突入する。大型連休の真ん中で即位の日を迎えれば、いやが応でも世間は盛り上がり、過去の政権の不祥事は『忘却の彼方に』というのが、安倍首相の腹の内でしょう。いくら10連休で国民が困っていようが、お構いなし。一から十まで夏の参院選に勝ち抜くための発想しか持ち合わせていないかのようです。まるで『新時代プロパガンダ』の国民洗脳にメディアも同調し、お祭り騒ぎですから目もあてられません。日本人は『空気』に流されやすい国民性とはいえ、政権サイドのあざとい狙いを見抜かなければなりません」 多忙の「忙」は「心を亡くす」と書くとはいえ、10連休前の忙しさにかまけていたら、令和の時代はとんでもないことになる。 少しは余裕を持って平成最後の政権の醜悪な本質を見つめ直す必要がある。
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