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6月30日衆参ダブル選実施シナリオが浮上
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2019年4月15日 植草一秀の『知られざる真実』
安倍政治を支える3名の幹部は菅義偉官房長官、麻生太郎副総理、二階俊博幹事長である。 しかし、塚田一郎国交副大臣と桜田義孝五輪相が引責辞任に追い込まれて麻生氏と二階氏の立場が後退した。 大阪ダブル選で維新勢力が勝利したことで菅義偉氏の立場が強化された。 今後の政局運営で強い影響力を発揮するトップに躍り出たのが菅義偉氏である。 焦点は本年10月に予定されている消費税増税と次の衆院総選挙日程である。 安倍首相は退陣までに憲法改定を実現することを目指している。 そのためには、衆参両院で3分の2以上の改憲勢力を確保しなければならない。 この目的を実現するために「衆参ダブル選」という選択肢が依然として排除されていない。 衆院総選挙は野党陣営の準備が整わないタイミングで仕掛けることが得策である。 ダブル選が参院選結果にも好影響を与えることが想定される。 こう考えると、4月21日の衆院補選結果を見極めて、衆参ダブル選に突き進む可能性がある。 この場合に有力視されるのが消費税増税の再々延期である。 5月20日に本年1−3月期のGDP速報が発表される。 再びマイナス成長になる可能性が高い。 この統計発表を受けて消費税増税の再々延期を発表する可能性がある。 6月末には大阪でG20サミットが開催され、日本が議長国になる。 また、安倍首相は4月末に訪米して日米首脳会談を行う。 トランプ大統領は5月末に訪日して新天皇と会見し、大相撲千秋楽で総理大臣杯を授与することが計画されている。 4月末の日米首脳会談で消費税増税再々延期の可能性をトランプ大統領に伝達する可能性があるだろう。 その上で、5月20日のGDP統計発表を受けて消費税増税再々延期を発表する。 その際、国民に信を問うとの大義名分で衆院解散の方針を表明するのではないか。 衆参ダブル選に突入し、投票日がG20サミット直後の6月30日に設定される可能性もある。 消費税増税再々延期は菅義偉官房長官が強く推進する可能性がある。 野党陣営は衆院選を戦う準備態勢をまったく整えていない。 敵の準備が整わぬ間に奇襲をかける作戦である。 野党陣営が消費税増税凍結を唱えても、与党サイドが消費税増税延期を打ち出せば、効果はまったく発揮されないことになる。 安倍内閣は2014年に消費税増税を強行実施して、日本経済を不況に転落させた。 2014年1月から2016年5月が景気後退期である。 安倍内閣はこの事実を隠蔽し、景気回復が持続して拡大期間の長さでいざなぎ景気やいざなみ景気を超えたと吹聴しているが、嘘である。 「偽造、捏造、安倍晋三」と言われるほど、この政権には嘘が多い。 「息を吐くように嘘をつく」と言われている。 そう言えば、安倍首相は2014年11月8日の記者会見で消費税増税を延期した際、次のように述べていた。 「来年(2015年)10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。 再び延期することはない。ここで皆さんに、はっきりとそう断言いたします。」 ところがどうだろう。 その安倍首相が2016年6月1日の記者会見では次のように述べたのだ。 「(2017年4月の消費税増税について)そうしたなかで、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。そう判断いたしました」 「今回、『再延期する』という私の判断は、これまでのお約束とは異なる『新しい判断』であります。」 さらに驚くべきことは、次の言葉を付け加えたことだ。 「信なくば立たず。国民の信頼と協力なくして、政治は成り立ちません」 ここまで来ると、天下一品、筋金入りのペテン師であると称賛するべきなのかも知れない。 いずれにせよ、消費税増税再々延期、衆参ダブル選という可能性を排除できない。 非安倍陣営は、消費税減税を明確に掲げるべきだ。 同時に、最低賃金全国一律1500円の政策公約を具体的に丁寧に訴えるべきである。 |
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