http://www.asyura2.com/19/senkyo259/msg/329.html
Tweet |
天皇が神格化し皇国史観が機能した時代の「令」は怖い 保阪正康 日本史縦横無尽
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/251151
2019/04/05 日刊ゲンダイ (C)共同通信社 首相談話を読んでの感想のもう1つの部分だが、これまで少しふれたのでもあるが、意外な事実が隠されている。それは次の部分である。 「皇室の長い伝統と、国家の安泰と国民の幸福への深い願いとともに、1400年近くにわたる我が国の歴史を紡いできました」 この部分は極めて重要である。元号について述べながら、思わず歴史観を披歴したかに見えるからだ。これは意図したことか、あるいはさして意図していなかったのか、そのあたりはわからない。しかし首相談話は明確に皇国史観を否定している。この点について、あるメディアに、「(私が)注目したのは、安倍首相が談話で、わが国の歴史を1400年といったこと。神話に基づいた神武天皇からの2600年とは言わず、皇国史観を否定した」と語ったのだが、この視点はもっと精査される必要がある。 皇国史観は太平洋戦争での思想的牽引役をになった。偏狭なナショナリズムを象徴する思想でもあった。その史観を根本から否定するのは、戦後社会の特徴であり、国民的な義務だと思えた。ともすればその点が曖昧に見えた安倍首相は今回は、みごとその点にメリハリをつけたといっていいだろう。むろん平成の天皇もそうした史観を受け入れ難いように思われるので、政府と天皇の間に齟齬をきたすことはないように見受けられるのだ。今回の収穫はこの点にあると、私は思っている。 天皇が神格化した時代は、近代日本の中でも軍事が横暴をきわめる時代であり、皇国史観は一面で戦争を支える思想として機能した。そういう時代の「令」は確かに怖い。しかし令はそうではないと、安倍首相の談話は気を使ったとも言えるのだろうか。その点で安心感は与えられたように思えるのだ。こうした部分には各メディアではさほど深い考察が行われていない。 およそ1カ月後に平成は終わり、令和が始まる。今回の代替わりは近代日本にあって初めての生前譲位である。崩御、そして即位といった悲しみと新しい思いとが混じり合うのではなく、新しい時代の到来を祝うといった形だけになる。このことは日本社会にとっていかなる変革を生んでいくのか、私たちは歴史の上からも試されている。 =つづく 保阪正康 作家 1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。
|
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK259掲示板 次へ 前へ
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK259掲示板 次へ 前へ
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/
since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。