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小西禎一は言った「大阪らしさを取り戻さなきゃあかん」 大阪市が消える日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/251059
2019/04/04 日刊ゲンダイ 松井府政で副知事を務めた小西禎一大阪府知事候補(C)日刊ゲンダイ 大阪府知事候補の小西禎一が遊説先から選挙事務所に戻ってきた。小西はなかなか面白い人で、自民党女性局のイベントでも人気がある。仲間内で集まってフットサルをやることもある。 ――日本は西洋に先駆けて大衆社会が限界まで来てしまっているのではないか。それが一番悪い形で大阪で表出したのが「維新の会」という現象だと思う。先日、元大阪市長の橋下徹が「ダブル選挙で大阪を昔に戻すな」と述べていたが、どのように感じたか? 「維新がやってきたことは、住民の中に分断と対立をつくったことです。それは大阪らしくない。大阪はもっと柔らかでしなやかな『はんなり』という表現が合う文化だと思うんです。だから、大阪らしさを取り戻さなきゃあかん。ケンカしてどちらが腕力が強いみたいな話はおかしいです」 ――なぜ大阪で維新が勢力を伸ばしたのか? 「世界的にもポピュリズムが広がってきているし、大阪にも鬱屈しているところがある。そうすると、人々は過激なものを求めてしまう。なんでもいいから世の中を変えればいいと。本当に良い方に変えているかは別にしてね」 ――数値を見れば、維新政治により、明らかに大阪は悪くなっている。 「そうです。2018年の犯罪ランキングは、全国47都道府県中、大阪は最下位。福祉・インフラ・子どもの生活ランキングも最下位。幸福度ランキングは43位です。経済指標も全国と比べて悪化、現金給与総額の動きも、全国の平均を下回っています。だから僕は成長を実感できる府民生活の実現、健康で安心して暮らせる大阪の実現を公約で訴えているのです」 ――前回の住民投票で維新はメモリのグラフの目盛りをごまかしたり、都合の悪いデータを隠した詐欺パネルを街頭演説やタウンミーティングで使っていた。維新が特異なのは、市民団体や学者から間違いを指摘された後も最後まで使い続けたこと。確信犯的にデマをばらまき、大阪市民をだましていたわけだ。なぜ、こんなことが許されるのか? 「彼らは二重行政の無駄の象徴としてWTCとりんくうゲートタワービルを例に出します。でもあれは単にバブルが崩壊しただけで、二重行政とは関係ない。維新は黒字化を手柄のように言うが、僕は昔からおかしいと思っている。行政の役割は赤字になるところに税金を配分することです。黒字になるなら民間企業がやればいい」 ――維新は大阪市の赤バス(市交通局運営のコミュニティーバス)にも難癖をつけて潰した。彼らの発想は根本的に間違っているということか? 「うん。行政と民間企業の話をごっちゃにしたらイカン」 維新により大阪が傾いた理由がわかってきた。 =つづく
適菜収 作家 1975年生まれ。早大で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」など著書多数。近著に「もう、きみには頼まない 安倍晋三への退場勧告」。
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