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4月 04, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<外務省は、平成に代わる新元号「令和」について外国政府に英語で説明する際、「Beautiful Harmony=美しい調和」という趣旨だと伝えるよう在外公館に指示した。今月1日の新元号発表後、「令」を「order=命令、秩序など」と訳す外国メディアがあったのを受けた措置で、外国メディアにも個別に説明している。
「令和」の発表後、国際的に影響力が大きい英BBC放送が「order and harmony」と表すと報道。「令」については「Command=指令」を意味すると報じる欧米メディアもあった。外務省の担当者は「令和の意味を正確に訳すのは難しいが、全く異なる解釈をされるのを避けるため、趣旨を伝えることにした」と述べた。
外務省内では「令」が律令など法律の意味で使われることがあることから、「『令和』は『法の支配に基づく平和』とも解釈でき、日本の外交姿勢になじむ」といった声も出ている>(以上「毎日新聞」より引用)
新元号を批判するつもりでないことを最初に断っておく。ただ言葉を言葉として解釈したらどういう意味になるかを考えてみただけだ。
ちなみに漢和辞書で「令」を引いてみると、読みが「りょう」と「れい」の二通りあると出る。「りょう」の方は「律令制度」の用い方にある通り、「古代において、律と共に根本をなしたおきて」と書かれている。「れい」の項では「1.、いいつけ。いいつける。2.、相手に関係ある人を尊敬して言う語」とある。
「れい」の1、の例としては「命令」が上げられ、2、の例としては「令夫人」などがあげられている。どこにも「Beautiful 」に相当する意味はない。外電が「order and harmony」と配信した方が極めて自然な解釈だ。
現憲法下で「戦争法」を制定する安倍自公政権の折り紙付きの「読解力」だ。「命令」を「美しい」と解釈するのも朝飯前なのだろう。しかし「和」を「harmony」と解釈したのは政府も外電も全く同じというのは偶然なのか。
いや、そうではないだろう。「令」を「Beautiful 」と英訳したの政府の方が誤りではないか。「令」を「order」と英訳した方が正当性を有するだろう。その方が自然だ。
「令和」を「order and harmony」と英訳して報じた外電の方が字面に忠実な英訳だ。最初に断ったように、私は「令和」という新元号にケチを付けようとするのではない。ただ字面通りに解釈すれば「命令と調和」となるのが自然だ、と解釈の大幅な介入に苦言を呈しているだけだ。
子供の名前にキラキラ・ネームを付けるのが流行っているという。ひと昔前、暴走族などがグループの名にキラキラ漢字を当て嵌める漢字遊びが流行った。元号を制定した現代の有識者たちにも現代社会の空気を吸っている。彼らの思考回路に「キラキラ・ネーム」の素養が刷り込まれていたとしても不思議ではない。
しかし、なぜ漢字の元号を制定するのに「日本の古典」に拘ったのだろうか。日本の古典であっても、漢字の「元号」を採用する限りは中国の古典の影響から逃れられないのは自明の理だ。そもそも「元号」制度そのものが中国の元号制度に倣ったものではないか。
安倍自公政権は韓国の歴史ファンタジーを批判していなかっただろうか。他国の「捏造」に対しては敏感な政府が自分たちの勝手な「解釈」を押し付けるのは如何なものだろうか。
他者に対して「事実に対して厳正であれ」というのなら、自身の発する言葉に対しても「厳正な解釈」をすべきではないか。一事が万事、世界の平均成長率の半分にも満たないGDPの成長率を「イザナギ景気」超えの好景気だ、と宣伝するのは「詐欺」だ。日本は平均3.3%成長する世界から見れば明らかに「衰退」している。
正しい解釈の出来ない者が政権に就いている、という酷い現実を日本国民は知るべきだ。「黒」を「白」と言いくるめる政府に対して、いやクロだから「黒」だと言い切るマスメディアが不在なのが日本の最大の不幸だ。
新元号「令和」の英訳に見えた政府の「解釈」がいかに不自然で自分勝手なものか、日本国民は恥と共に深く認識すべきだ。
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