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国内カジノは条件厳格 安倍首相がすがるトランプの“盟友” https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/250637 2019/03/28 日刊ゲンダイ 17年2月の初公式訪問で話はついた?(C)ロイター=共同 世論の反発をヨソに、安倍官邸はカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備に向け、着々とコマを進めている。 驚くのは、そのドデカさだ。 26日に閣議決定されたIR整備法施行令によると、国内で前例がない客室総面積10万平方メートル以上の超大型ホテル、国際会議場・展示場(MICE)の併設が必須条件。国内では異例となる総床面積22万平方メートル規模の巨大施設となり、誘致を目指す自治体は巨額投資が可能な資金力のある事業者との連携が不可欠だ。 IR新設は全国で3カ所限定。誘致に動いている自治体は大阪府・大阪市、和歌山県、長崎県。ほかに北海道、千葉県、東京都、横浜市も検討していて、名古屋市の名前も挙がる。 各自治体が公表する基本構想などによると、ハウステンボスを活用する長崎が20万平方メートル、北海道が20.3万平方メートル、人工島を利用する和歌山が20・5万メートル。一方、築地市場跡地の活用が浮上する東京都が23万平方メートル、横浜市が25万平方メートル、千葉県が53.4万平方メートル、大阪府・市が人工島に70万平方メートルといった具合で、施行令の要件がいかに厳しいかが分かる。 建築エコノミストの森山高至氏は言う。 「国内にこれほどの巨大施設を建設し、安定的な集客を確保できる立地は基本的にありません。例えばホテルは高層化によって床面積を調整することができますが、カジノやMICEは高層化に向かない。誘致条件のハードルを上げてふるい落とす意図なのか。その後、本命の候補地に寄せていく形で条件を緩和する腹積もりなのか。安倍首相が訪米した際、カジノ王の異名を持つ『ラスベガス・サンズ』を経営するシェルドン・アデルソン氏と朝食会で同席したことが話題になりましたが、いずれにせよ、相当な資金力とノウハウを持つカジノ業者でなければIR事業を進めることはできないでしょう」 2017年2月に訪米した安倍首相に対し、トランプ大統領は支援者であるアデルソン氏の「ラスベガス・サンズ」と、「MGMリゾーツ」か「ウィン・リゾーツ」の参入を要求し、安倍首相は「情報ありがとう」と応じたという。安倍首相は14年5月にシンガポールのカジノを視察したが、セットしたのはサンズだった。 もっとも、ハコを整えたところで、客入りが芳しくなければ事業者にとってうまみゼロだ。 「海外のカジノ業者の本命は日本で最も集客力のある東京です。大阪は前のめりですが、2番手以降に過ぎません」(森山高至氏) “トランプ命”の安倍首相がその言うがままに東京を差し出すことになるのか。
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