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景気判断、外需を見極め 政府「消費など内需は増加」
経済
2019/3/20 20:57
政府は20日公表した3月の月例経済報告で、設備投資や消費の底堅さを理由に緩やかな景気回復が続いているとの見方を強調した。輸出や生産の落ち込みで後退局面に入っているとの見方を打ち消した格好だ。ただ今後も中国経済などの減速が続き、内需まで下押しされるようだと景気判断は大きな下方修正を余儀なくされる。このため当面は外需の動向を慎重に見極める構えだ。
経済財政相が閣僚会議に提出する月例経済報告は政府の公式な景気判断になる。複数の指標から機械的に景気の向きをはじく景気動向指数は1月に景気後退局面入りの可能性を示唆する「下方への局面変化」となっていたため、政府の正式な判断が注目されていた。
最大の焦点は総括判断で「回復」の文言を残すかどうかだった。アベノミクス開始後に景気回復の兆しが出てきた2013年7月以降、政府は景気の総括判断で「回復」を使い続けてきた。仮に削除すれば、12年12月に始まった現在の景気回復局面は転換点にきたとのメッセージになる。
今回の総括判断で政府は「輸出や生産の一部に弱さもみられる」と付け加えた上で「緩やかに回復」の文言は残した。茂木敏充経財相は20日の記者会見で「(景気回復が)今年1月に戦後最長を更新した可能性があるとの認識は変わっていない」と述べた。
根拠は内需の強さだ。個人消費と設備投資を合わせると、国内総生産(GDP)構成比の7割程度になる。内閣府はこうした内需について「ファンダメンタルズ(基礎的条件)はしっかりしている」と説明。足元の景気の弱さの原因は一時的な海外要因だと分析する。
ただ海外の減速が本当に一時的かどうかは不明だ。1月に前年比17.4%減と急激に落ち込んだ中国向け輸出は、2月に同5.5%増えたが戻りは鈍い。米中貿易戦争の行方によっては中国経済に一段とブレーキがかかる懸念もぬぐえない。
海外景気の変調が続くようだと、頼みの内需にも影が落ちる。農林中金総合研究所の南武志氏は「外需の落ち込みをカバーするほど民間消費に力強さはない」と指摘する。輸出不振による生産の減少が企業の設備投資計画の見直しにつながっていけば、内需の柱も揺らいでしまう。
今後さらに生産が悪化すれば、景気動向指数は「悪化」へともう一段下がりかねない。同指数のうち現状を判断する「一致指数」は構成9項目のうち4項目を生産関連が占めるためだ。そうなれば政府の景気判断で「回復している」という表現を使い続けるのは、さすがに難しくなってくる。
政府が景気回復が続いていると強調する背景には、1月の同報告で「戦後最長になった可能性が高い」と宣言したばかりの景気に水を差したくないとの思惑もありそうだ。景気への不安が過度に伝わると、企業や消費者の心理が悪化し、消費や投資の慎重姿勢が強まって、実際に景気を下押ししてしまうためだ。
もう一つ、今年10月の消費税率引き上げの延期論が出てきかねないことへの警戒も見え隠れする。日銀内にも「政府が景気後退の判断を示せば、増税見送りにつながる」との声が出ている。
政府内には中国政府が打ち出した2兆元(約33兆円)規模の経済対策の効果も間もなく表れるとの期待もある。今回の月例報告には、景気の変調が一時的であってほしいという政府の願いも込められているように映る。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42731750Q9A320C1EA2000/
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