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消費税キャッシュレス決済ポイント還元の非正当性
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2019年3月19日 植草一秀の『知られざる真実』
Tポイントカードの情報流出が報じられたが、その後、この問題を論じる報道が途絶えている。 背景に消費税増税がある。 安倍内閣は2019年10月に消費税率を10%に引き上げようとしている。 安倍首相はこれまで2度、消費税再増税を延期しているから、3度目の延期もあり得ると考えられる。 過去の2度の消費税増税延期はいずれも選挙対策だった。 1回目は2014年の11月。 衆院解散総選挙に合わせて消費税増税延期を打ち出した。 その際、増税延期を再度行うことはないことを次のように言明した。 「来年10月の引き上げを18カ月延期し、そして18カ月後、さらに延期するのではないかといった声があります。 再び延期することはない。 ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。 平成29年4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします。」 ところが、2016年6月1日、通常国会の閉会後、安倍首相は次のように述べた。 「今般のG7による合意、共通のリスク認識の下に、日本として構造改革の加速や財政出動など、あらゆる政策を総動員してまいります。 そうした中で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引上げは延期すべきである。そう判断いたしました。」 「今回、「再延期する」という私の判断は、これまでのお約束とは異なる「新しい判断」であります。」 安倍首相はこう述べて、消費税増税を再延期した。 これが二度目の消費税増税延期である。 安倍首相は2014年11月に、「再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。」 と明言したが、1年半後の2016年6月に、 「今回、「再延期する」という私の判断は、これまでのお約束とは異なる「新しい判断」であります。」 と述べて、消費税増税を再延期した。 この事実は、安倍首相の言葉は意味を持たないことを意味している。 言葉に対する責任を持たない。 政治家として最重要の資質を備えていないことが安倍首相の特徴であると言える。 安倍首相は「息を吐くように嘘をつく」と言われるが、主権者である私たちは、この事実を常に念頭に置く必要がある。 したがって、安倍首相が消費税増税を再々延期する可能性は十分にあると見ておくべきだ。 ただし今回は事情がやや異なる。 それは、安倍首相が財務省に大きな借りを背負っていることだ。 安倍首相は森友問題で内閣総辞職に追い込まれる状況にあった。 2017年2月17日の衆院予算委員会で安倍首相は次のように答弁した。 「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」 国は森友学園に国有地を激安価格で払い下げた。 時価10億円の国有地を実質200万円で払い下げた。 安倍首相はこの問題に安倍首相や安倍首相夫人が関わっていたら、総理大臣も国会議員も辞めると明言した。 しかし、現実には安倍首相夫人はこの問題に深く関わっていた。 安倍首相自身が2018年の自民党総裁選の記者クラブ主催討論会で 「私の妻や私の友人が関わってきたことでございますから、国民の皆様が、疑念を持つ、疑惑の気持ちを持たれるというのは当然のことなんだろうと、このように思っております」 と述べた。 こう発言するなら、安倍首相は総理大臣も国会議員も辞めなければならないことになるはずだが、安倍首相は辞任せずに首相と国会議員のポストに居座っている。 しかし、財務省は詳細をすべて把握している。 財務省が事実を明らかにしていたなら、安倍首相の辞任は避けられなかったはずだ。 この意味で安倍首相は財務省に大きな借りがある。 そのために、安倍首相は消費税増税に突き進む必要性に迫られている。 その安倍首相が提示しているのが、キャッシュレス決済の際のポイント還元だが、これに重大な問題が潜む。 Tポイントカードの情報流出問題がこれに関わっている。 |
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