>>50 『マッハの位置』 心情的にはおそらく、脱原発・憎悪原発の同じ土壌の上に立っていると認識していますが・・・ >法施行5年以内に、全ての原発完全撤廃。 これを即時停止という(大人の対応) 『大人の対応』という含蓄ある表現には大きく頷させて頂きますが、 『法施行5年以内に、全ての原発完全撤廃』これは、チト違います。 ***** 『原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案』 http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/196/pdf/t051960071960.pdf ============================================= (抜粋) 第八条 政府は、この法律の施行後五年以内に、全ての実用発電用原子炉等の運転が 廃止されることを目標とするものとする。 第九条 政府は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ、 実用発電用原子炉等の廃止並びに使用済燃料及び放射性廃棄物の管理及び処分に関する 国の関与の在り方その他の全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止のため の方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講じなければならない。 2 政府は、全ての実用発電用原子炉等の計画的かつ効率的な廃止を推進するため、 次に掲げる措置を講ずるものとする。 一 原子力災害対策(原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)第六条の 二第一項に規定する原子力災害対策をいう。)を重点的に実施すべき区域の住民の安全を 確保するものとすること。 二 実用発電用原子炉を運転することができる期間の延長を認めないものとすること。 三 実用発電用原子炉等の設置の許可及び増設を伴う変更の許可を新たに与えないものとすること。 ============================================= (引用終わり) ***** >ちゃんと読む奴なんか、いるわけないだろが 確かに居ないようですね。私以外。(笑) 上に引用の『第8条』の文言を再確認ください。 『廃止されることを目標とするものとする』 この表現をどう評価するかです。最初に言っておきますが、私は1年前の『原発ゼロ法案』の 多党間の合意と国会提出を高く評価していますし、出された法案も“画期的”だと思っています。 その私自身がこの法案の構造的欠陥を論うのはとても心苦しいのですが(笑)、でもこのような 意見は、1年間の各党間の議論でも当然のように激論交わされた内容(論点)でもあるワケです。 結論を言えば、この法案はあくまでも『努力目標』を示すものであって、“原発ゼロ”という 『結果』を担保するものでは有り得ません。当然、関係者は一刻も早く原発ゼロっを果たそうと 必死に努力するでしょう。その未来の時制に想定できる努力を軽んじるつもりは毛頭ありません。 ですが、恐らく、『原発ゼロ』を志向する政権が樹立し、本気で『原発ゼロ』を目指したとしても 『たかが5年で原発稼働ゼロ』を果たすことができないであろうというのが極めて妥当な予測です。 だってそうでしょう。政権が決断し、指導・命令する形であれば、“即刻”とは言わずとも 次の定期点検で止まった後はもう“永久に稼働できない”状況を造り出すことが出来ないのですか? 出来るんなら、余裕代を見たって、『遅くとも2年後に全廃を達成する』と明言できる筈なんですが。 更に見て欲しいのが『第9条2項1、2、3号』です。 ここでは、『住民の避難計画』、『40年稼働の延長ダメ』、『新規・増設ダメ』を言ってるだけで 『既存の稼働中の40年未満の原発稼働前提』でのお話しをしている訳ですよね、悲しい事ながら。 ですので、この法案が言っているのは、 @5年後には原発をゼロにできたらイイね。(頑張るけど保障はできないよ!) A稼働中原発に対する最低限のリスク管理と、原発を増やさない事だけはやらねば! という事であり、『即時原発ゼロ』を担保する内容では有り得ないのですヨ。 繰り返します。私はこの『原発ゼロ法案』を高く高く評価する者です。 その私がこのような“揚げ足取り”をするのはとても心苦しいのです。 ですが、この法案が、『即時原発ゼロ』を求めるものではなく、『原発ゼロにすることを 即時に(ここで)決める法案』だという事を強調しておき、今後の禍根を取り除いて置きたいのです。 ***** さて、結論です。 『脱原発陣営』が解散総選挙で衆院の多数を握っても、参院で多数を取らねば法案は通せません。 故に、最短でも、『19年』及び『22年』の参院選の勝利と、最低でも過半数を取る事が条件。 22年に衆院を押さえた『脱原発政権』は、数年前国会提出した『原発ゼロ法案』を、より具体的で 予算措置及び技術的懸案を排除した『確定・原発ゼロ法案』を国会提出し、可決されるのは たぶん早くても23年の通常国会。そこから『5年後』に最後の商用原子炉が稼働を止める のは『29年』です。でも、いいですか?これは全てが理想通りにいった『最短日程』です。 『衆院選勝利』、『参院逆転』、『与党の脱原発勢力の取り込み』、この中で最低2つを達し なければ、『確定版・脱原発法案』が陽の目を見る事もない訳で、私にとってはあまりにも “遥かな旅路”に目が眩む思いなんですが、皆さんはどうなんでしょう?そうでもないですか? さて、民民党は『30年代後半は原発ゼロ』と言ってる訳で、これが遅い、本気かよ、という 批判に的になる訳ですが、上で説明したとおり、『原発ゼロ法案』は“即時か小津原発ゼロ”を 達成するものでも有り得ないし、現実的には『早くて29年』に原発をゼロしようとするもの。 それでも『30年後半』とは10年以上の隔たりがあるだろう、それでも大違いだ!という ご意見もありましょうが、私には、小沢一郎も言ってるように『原発ゼロ』を達成するための “時間軸の違い”に過ぎないように思われる訳です。そして、自由党が言う『2022年原発ゼロ』 は理想の最短、民民党の言う『30年代後半』は“最後のリミット”、その間に立民党や 『原発ゼロ法案』が存在すると考えれば、それら3つの“違い”を強調するのは間違いだと断じます。 ***** この夏の参院選に向けて、本当に2022年与野党逆転を視野に本気で各党が動いているかどうか 私にはとてもとても疑問です。少し言葉を悪く言えば『のんき過ぎませんか?』と言いたくもなる。 衆院は風の吹き具合で、いつかどこかで逆転は可能かもしれませんが、『原発ゼロ法案』を 進める中でまた“再逆転(政権交代)”を喰らって法案お蔵入りって危険性だってある。 そうなれば『脱原発・原発ゼロ』そのものが実行を危ぶまれる事態になる。現場は著しく混乱する。 それとも、現政権(自公)の良識派を切り崩し、少なくとも『原発ゼロ法案』に賛成してくれる ような働きかけ(根回し)が進んでいるのか。そんな事が誰かが出来るのか?私にはそんな事を 発想し実行できる人間はたった1人しか思い浮かばないんだが、これは“自惚れ”かな?(笑) いずれにしても、そもそも立民党が言う『国による責任ある避難計画』なんてモンは造れる筈もなく、 しかも玉木さんが言う『使用済核燃料の最終処分場の確保』が乗っかれば、それはもう原発再稼働 への“条件”でもなんでもなく、実質『サヨナラ原発』という事態だって事を是非再認識して欲しい。 だから『心配ないよ』とは絶対に言わない。原発推進派の連中はそれこそ必死で巻き替えを図って来るだろう。 だからこそ小沢一郎が民民党の中に、玉木さんの横に立つ意味が重要になってくるのだと強調しておく。 なお、民民=自由の政策協議はまだ継続・調整中。『合流断念』という事態だって有り得ると指摘する。 もし自由党&小沢一郎への批判があれば、それは中途半端な『政策合意』が明らかになった時にして欲しいナ!
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