日韓の徴用工問題 政府間協議による解決の可能性は低い 発信時間:2019-01-11 10:52:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る 10月30日、韓国の最高裁は第二次大戦中に日本で強制労働させられた韓国の元徴用工4人に対し、1人あたり1億ウォンの賠償金を支払うよう新日鉄住金に命じる判決を下した。日韓両国が1965年に国交正常化した際に、徴用工問題は「完全かつ最終的に解決」したとしている日本政府の主張を真っ向から否定した。韓国・大邱地方裁判所の浦項支院は今月8日、新日鉄住金の韓国における一部資産の差し押さえを命じる判決を下した。これに対して日本の安倍晋三首相は恨めしさと恥ずかしさで怒り出し、強く反発した。 日韓両国のこの歴史を巡る駆け引きに新たな変化が生じたことを、どのように捉えるべきだろうか。まず、韓国最高裁の今回の判決は、近年順調ではなかった日韓関係を引き続き低迷させる可能性がある。日韓両国は長期的に、歴史問題を政府及び民間団体の間の交渉で解決しようすることが多かった。双方はその間、互いに一進一退を繰り返してきた。韓国最高裁は今回、判決によりこの問題に「介入」したが、これは歴史を巡る駆け引きに変化を生じさせた。相手は別の新たなカードを選ぶことを強いられている。歴史問題を解決するには大局的な見地、それから政治の知恵が必要だ。しかしこれも一つのプロセスを踏まえる必要がある。このプロセスが完全に平穏で調和的であることはない。現状を見る限り、日本政府が両国政府間の協議による解決を目指す可能性は低い。これが日韓両国の核心的な価値と体制、すなわち司法の独立を直接破壊するからだ。韓国が日本の「二重の価値観」のために譲歩することはない。 次に、韓国最高裁の今回の判決は、東アジアひいてはアジアの地政学的関係に影響を及ぼす。東アジア・アジアの地政学は常に歴史問題を切り離すことができない。分かりやすく言えば、これは日本の第二次大戦中の対外侵略問題のことだ。日本はこの問題が一朝一夕で解決できるものでは決してなく、またある政権の一つの協定によって完全に解消されるわけではないことを深く認識するべきだ。日本政府は常に、ある隣国が歴史問題を利用していると言うが、日本の過去の政権が第二次大戦中に侵略行為により口実を与えたことを見落としている。そのため日本政府は今日、この歴史の伝承性を認識し、侵略の歴史の反省を続け、歴史・国家・民族の和解を誠心誠意を込めて続けるべきだ。相手が歴史問題を利用した時に、直ちに強く反発してはならない。
最後に、歴史は一枚の鏡だ。曇りのない鏡を高々と掲げることは、照らす鏡がないよりはいいだろう。強制徴用、労働者の搾取は日韓の間だけではなく、中日両国の歴史でも生じたことがある。日本政府は韓国最高裁の判決が、中国の司法機関にも影響を及ぼすことを懸念している。このやや早い懸念にも道理がないわけではない。しかしこの懸念を持てば、日本政府はより積極的かつ能動的に、新時代の解決方法に適応し、新たな政治の知恵を模索するだろう。 歴史問題は日本と東アジアの関係で永遠に避けては通れない内容であるが、歴史問題はそのすべての内容ではない。この問題を処理するには時間と忍耐心が必要であり、治りかけの傷が徐々に回復に向かうプロセスを踏まえる必要がある。常に戦後の欧州の和解を例とし、アジアも欧州の道を歩むことに期待する人がいる。筆者は、独自の地域・文化・伝統の特徴を持つアジアは、戦後の「平和の道」を必ず歩むはずだが、最終的に「アジアの特色」を持つことになると考えている。(筆者・蒋豊 在日中国語メディアの専門家) 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月11日 http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2019-01/11/content_74362750.htm
[18初期非表示理由]:担当:混乱したコメント多数により全部処理
|