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2月 07, 2019 日々雑感(My impressions daily)
<千葉県野田市の小学4年の栗原心愛(みあ)さん(10)が死亡した事件で新たに衝撃的な事実が明らかになった。
心愛さんが虐待を否定する文章を書いたことを児童相談所は不審に思いながら、父親の元に戻していた。心愛さんからうそだと直接告げられても手を打たなかった。なぜ児相は致命的ミスを重ねたのか、社会全体の問題として解明する必要がある。
2017年11月、学校のいじめアンケートに心愛さんが「お父さんにぼう力を受けています」と書いたことから、県柏児相は心愛さんを一時保護している。
18年2月、児相は心愛さんを自宅に戻すかどうか判断するため父親と面会した。この時点で父親は市教委からアンケートのコピーを受け取っていた。その上で父親は、心愛さんが書いたとする「お父さんに叩(たた)かれたのは嘘(うそ)です」「児童相談所の人にはもう会いたくない」という文書を見せ、「今日にも連れて帰る。名誉毀損(きそん)で訴える」と強く迫った。
小学4年生にしては不自然な文面なのに、児相は心愛さんに確認しないまま自宅に戻す決定をした。第一の致命的ミスである。
翌3月、心愛さんは学校で児相職員と面会した。母親に会ったとき「こういう手紙を書くように」という父親からのメールを見せられて書いたものであることを打ち明けた。
虐待されていることを否定する文章を書かせること自体が虐待だ。その時点でどうして心愛さんを保護しなかったのか。せめて警察などと連携して父親に確認すべきではなかったか。これが第二のミスだ。
児相は今になって「最初から書かされた可能性があるとは思っていた」という。うそだと気づきながら目をつぶっていたのである。
児童福祉法の改正のたびに児相や学校、警察などの連携強化が図られてきた。児相には専門職の増員や研修の充実、弁護士の配置も定められた。安倍政権はさらに4年間で職員を2890人増やすという。
ただ、これらの取り組みだけで済むのだろうか。児相や自治体、国が定める制度のどこに欠陥があるのかを、構造的な問題として捉え直すべきである。穴の開いたバケツに水を入れるだけでは、虐待から子どもを救うことはできない>(以上「毎日新聞」より引用)
上記記事に小学4年の栗原心愛(みあ)さんが児童虐待の上、命を奪われた痛ましい事件の全貌が報じられている。誰が父親の過酷なイジメを見逃して栗原心愛さんを死に到らしめたのか。
その経過を追えばこの国の「無責任体質」が明らかになって来る。政治家は口を開けば「少子化が問題だ」と深刻そうな顔をするが、本気で「深刻な問題」と捉えているのだろうか。
子供は成人のように体も大きくないし自己主張することも手馴れていない。その10才の少女が懸命に「どうにかなりませんか」との訴えを真摯に大人たちが受け止めたのか、その子供育成と保護の任に当たるべき人たちが職務を忠実に遂行していたのだろうかと疑問を抱く。
制度をいかに整え、人員を配置しても、職務を理解して忠実に執行しなければ「仏造って魂入れず」になりかねないが、残念ながら栗原心愛さんのケースではそうなってしまった。
児相には専門職の増員や研修の充実、弁護士の配置も定められているが、さらに安倍政権は4年間で職員を2890人増やすというが、魂が入らなければ何人増やしても無駄だ。「子は宝」とは万葉の時代から変わらぬ真実だ。その子供を殺す親などあっては堪らない。「銀(しろかね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも」と詠んだ山上憶良よりも現代人は明らかに劣っている。
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